第22話「暗雲」
インターハイ自動車競技部門公開練習日。
各県の代表車両が練習走行を重ねる。
ピットエリア。
「この前決めたセッティング良さそうだね。」
「だねー、ほんとに良かった。」
モニターに映る86をあかりと百音が見守る。
その時だった。
『ギア…ギアがおかしい…』
夏空からいきなり無線が入る。
「え?ギア?どんな症状?」
『2速に上がりにくいです!引っかかってる感じです!』
「了解、この周ピットイン!この周ピットイン!そのまま修理するよ!」
この無線は飛鳥と龍星にも届いていた。
龍星と飛鳥はすぐに予備のトランスミッションなどを持ってくる。
86が誘導に従ってピットに戻って来る。
すると、すぐに2人がジャッキアップし、車両下に潜る。
「ミッションは取り外すんでいいすか?」
「うん!交換しちゃおう」
「ミッション出しまーす!」
車体下からトランスミッションが降ろされる。
「龍星先輩、新しいの入れまーす!」
トランスミッションが搭載される。
「よーし、動作チェックしよう!」
エンジンをかけ、ギアを1速ずつ上げていく。
「よし…引っ掛かりはない」
「あとは明日どうなるか…」
明日はついにベスト16をかけて全国の学校がぶつかる。




