第21話「出発」
インターハイ2日前、病院…
「今日秋原先生に会いに行こうよ。」
「そうだね。明後日には出発だから。」
荷造りしながら飛鳥が提案する。
飛鳥と夏空の2人は秋原が入院する病院に向かうことになった。
「この病院かな。」
「ぽいね。」
中に入り、秋原が入院している病室を教えてもらう。
「ここだ」
壁に貼られた名札に秋原の名前があった。
「秋原せんせー、会いに来ましたー」
「おっ、来てくれたの」
「はい、明後日もう鈴鹿に向かうんで」
「もうそんな時期かぁ…」
「どう?夏空、緊張してるか?」
「いえ、まだ全然。僕直前で緊張し始めるので。」
「そういうタイプかー、いいなー。大きな大会が近づいたりするともう1週間前から緊張しちゃうよ。」
「逆にそっちの方が緊張に慣れて良さそうですけどね」
「俺の場合はそのまま緊張がどんどん大きくなっていくからね」
「ま、いつも通り走っておいで。それで十分夏空は戦えるから。」
「わかりました」
「「失礼します」」
夏空と飛鳥は病室を後にする。
「なんか、俺達同い年なのにあまり話したことなかったね。」
「ね。」
「メカとドライバーって関係なのにコミュニケーションとれてないのはダメだったよね」
「俺もいつも百音先輩とか部長にわからないこととか聞いちゃってたからな…」
「じゃあさ、次の鈴鹿からはコミュニケーションとってこ!」
「だね。勝つためにも。」
夏空の目には闘志が宿っていた。
2日後。
「じゃあ、忘れ物はないねー?」
「大丈夫でーす!予備のパーツもしっかり持ちましたー!」
「よーし、じゃあ、鈴鹿に向けて、しゅっぱーつ!」
愛豊高校のバスとトランスポーターが鈴鹿に向けて出発した。




