第20話「手紙」
あれから1週間。
インターハイまであと5日となった頃。
「やっぱ、鈴鹿ならダウンフォースは強めにしたほうがいいですかねー?」
「うーん、でもあそこハイスピードっちゃハイスピードなとこもあるからね…」
「なら、やっぱこの間を取ったようなセッティングの方がいいんじゃないですか?」
「そうだね〜…どっちか極端に絞るよりはオールマイティな方がいいね…」
「じゃあ、この方向で行こうか。」
その時、工場のドアが開いた。
「あかりちゃんいるー?」
「あ、はーい!」
「どうしたんですか、葵先生」
「あのね、秋原先生からお手紙が届いたの」
1つの封筒が渡される。
あかりは手紙の封を切る。
「えっと…」
そこには鈴鹿でのセッティング、KERSの使いどころ、重要なコーナーの攻略方法が書かれていた。
「ありがとうございます!」
その手紙を片手にあかりは夏空と百音のもとに向かう。
「夏空くーん、百音ー、秋原先生が鈴鹿サーキットの攻略方法を手紙で教えてくれたよー」
「ほんとですかー?」
夏空と百音がその手紙を見に来る。
「え、すご、こんなに事細かに書いてくれたの。」
「ね。コーナーの攻略からセッティング、ブーストの使いどころまで…さすが、インターハイ行ってた先生だ。」
「じゃあ、これをベースにセッティングしてみようか。」
「ですね」
メンバーたちは86のセッティングを開始した。




