第9話「ベスト16進出」
「ブレーキバランスも変えてみたから…これで乗り心地変わるといいけど…」
『もう一回、計測開始、このまま2周連続で計測しちゃって』
「了解です」
ピットエリア…
「また全体ベスト!?」
「速すぎない?」
「彼、ゲームで日本一獲っただけあるね」
「本当ですね」
ちなみにだが、この東海タイムアタック県予選ではクラス内で順位がつく。
そして、その上位16台がベスト16トーナメントに進出できるのだ。
ただ、この方式だと、中には1台もベスト16に進出できないグループが出てくるため議論が進められている。
3周の計測を終えた愛豊高校の86がピットに入ってくる。
すると、待っていたメンバーたちが迎えてくれる。
「やったなー!」
「よっしゃー!」
「頑張ったぞー!」
「おめでとう」
「部長、あざっす!」
「さて、現在のクラスの暫定順位は1位。このまま菱三津高校が来るまでは順位は変わらないと思うんだ。」
「じゃあ?」
「ベスト16進出は確実だー!」
「「うぉぉぉ!」」
歓喜の声が上がる。
「じゃあベスト16に向けて準備しようか。俺が指示していくからみんなは指示通りに動いてくれればいいよ」
「「了解!!」」
「龍星くん、ニューセットのタイヤ持ってきて!」
「了解です!」
「飛鳥くん、エンジンに冷却ファン当てて、水温、油温を一応見ておいて」
「了解」
「んで、夏空」
「はい!」
「お前は休め」
「え、だから、僕も準備しますよ!」
「いいから、お・前・は・休・め!」
「はい…」
あまりの勢いに負ける。
トラックの助手席で休む。
その間、他のメンバーたちはベスト16に向けて準備を進めていた。




