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京都編①【初めての仲間探しへ】

都内から新幹線で数時間。

景色を眺めながら頭の中で人生を振り返っているうちに眠っていた。

京都駅に着く10分ほど前に来宮に起こされ目が覚めた。


ここから、

わたしの使命を見つける旅が始まる。


来宮「朱華先生、京都に着きましたね!」


京都駅に無事到着し、

まずは清水寺へと向かうことにした。


平日だったせいか

さほど混んではおらず、外国人観光客も多く見受けられたが

人探しには程よい混み具合である。


朱華「久しぶりにきたなあ。昔一度だけきたことがあるけど」


来宮「京都に来た実感が沸きますね!」


不信感たっぷりの来宮だったが

初めての京都にテンションが上がっているのを感じ取れた。


これからどんな過酷な旅になるかもわかならい。

行く先も決まらない、

信じがたいノートの内容を信じ使命を探すという無謀な旅。

それでも付いてきてくれたんだ、

さすが、わたしの弟子だ。


来宮「さて、探すとしましょうか」


観光地なだけに目的を忘れてしまいそうになる。


来宮「エンジェルヒーラーって特徴や容姿がわからずに

どうやってお探しになるのでしょうか?」


朱華「おそらく霊力やオーラでわかると思う。」


来宮「なるほど!」


ノートに書かれたミッションの内容には、

日本の結界を張り直すことや、悪霊祓いについても書かれていた。

どれも強い霊力がないと成し得ない内容であった。


仲間になる人物は霊力階級が少なくとも、

エネルギーレベルが5以上であると思う。

おそらく放つオーラや霊力で、

半径三メートル以内の空間にさえ入れば気付けるはずである。


生きるものには必ずエネルギーが存在する。


エネルギーの強さは段階で表すことができ、

霊力が特に強い人物は平均5を上回るエネルギーを放つ。


霊感がある者は自分のエネルギーと合わないものや、

強いエネルギーに反応しやすいのである。


来宮「ノートに書かれていた結界を張り直すって、

今の日本の結界は破れてしまっているのでしょうか?」


朱華「そうだね、詳しいことは

その地を実際にみてみないと何とも言えないけど、

日本の危機と言ってもいいくらいだと感じてる。」


来宮「そうですか。」


来宮は旅をしながら、

少しづつ自分が疑問に思ったことを聞き出し

今回の旅というものを理解しようとしているのが伝わってきた。


ただ楽しい旅ではないことは理解していると思う。

来宮には霊感はないが、人には言えない秘密の特殊能力がある。

今はその力をわたしの霊力である程度、封印している。

来宮はまだその力を扱いきれないため、

わたしの弟子につき、修行中の身である。


いつかはその力を自分以外の誰かの役に立つ使い方をしたい、

できると信じている子なのだ。


そんな来宮の力をこの旅で使うことにならないよう、

わたしは願っている。



日本には目に見えないだけで無数の結界が張られている。

守られた、人の絆のある国だ。

たくさんの龍が存在し、山には山神様、

水神様、海には海神様などが存在し、

各所に神社仏閣が配置され、

日本の人々は常に土地の神々に守られている。


メインとなる大体の強力な結界のしるしは、

皆が知るパワースポットと呼ばれる神社などである。

中には動かしてはいけない岩や、切ってはいけない樹木など、

結界維持のために置かれた重要な役割を持つ物も多々ある。


そういった物はその土地の所有者が先祖代々で守っているが

継承がうまくされず、ただの岩、ただの樹木として

人間の勝手な都合で動かされたり、失われてしまうこともある。


知らぬ間にタブーを犯し、少しずつ結界にヒビが入っていく。


日本の土地は磁場が複雑で、

正常な磁場を保つために昔から強力な選ばれし霊力者たちが結界を張り、

邪悪なエネルギーが充満しないようコントロールされている。


しかし近年では信仰が薄れ、

物価高騰などにより生活苦に陥る人々も少なくない為、

昔からの言い伝えを守ることより日々の生活を維持する方が大事とし、

現実的に仕方なく生活のために土地を手放すことも多くなってきている。


手放した土地の中には結界を張っていた場所や、

呪いを封じた物が置かれている場合も多く、

知らずして壊したり埋め立ててしまったりすることで

日本のエネルギーは狂い始めている。


高く売れる土地となり住宅街になったは良いが、

住めば不運が次々と起こる。呪われるように女だけが大怪我をしたり、

結界が崩壊し、強い悪霊が住み着く土地となれば

家やビルが建つ前に工事現場で何人もの人が亡くなったり、

事故に遭うケースもある。


このような状況が何千年も積み重なり、

日本最古の悪霊と呼ばれるものが生まれてしまったのだろうと思う。

なんとも恐ろしい命懸けのミッションを与えられたものである。


霊力を持つ仲間が見つかったところで

共に命懸けの使命を果たしてくれるのだろうか。



来宮はさらに質問を続けた。


来宮「霊力者は男性ですかね?」


来宮の欠点は極度の男性嫌いである。


朱華「うん、男性だと思う。しかも国宝級のイケメンに違いない」


来宮「え、、、なぜそう言い切れるのですか!」


朱華「その方が来宮にとってもマシじゃない?」


来宮「関係ありません。女性を希望します」


全く理解できない様子で怪訝な表情を浮かべる来宮。

恐らく自分の師匠は不純な気持ちで発言していると判断したらしい。


朱華「冗談なのに。」


来宮「これは仕事です」


観光地を歩き回り、

その後も数時間探したが

それらしき人物には遭遇しなかった。


来宮「やはり、簡単には見つからないですね」


朱華「そうだね。」


最初から一日で見つかる方が奇跡である。

そもそも京都にいるかも分からないのだから。

それでもいい。

思いつくままに行動する。


不思議と頭の中にあるイメージでは

順調な感覚があった。



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