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紅(くれない)  作者: はとたろ
第六章 接客
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第七章 アダマス

Camelotに入店して2週間


だいぶ仕事に慣れ先輩たちもみんな優しい


初日当日にランスロットがプレイヤーを引退し、客の引継ぎを自分に託されたのは予想

外の嬉し過ぎる出来事だった


「ぼくの姫君たちに きみの「ぬいぐるみ占い」が当たるし面白いと好評でね、ぼくの

引退後はきみを担当にしたいと

おっしゃられているのだよ」


え、え、え、えぇぇぇー!!!!


そ、それってつまりは…ランスロットさんのお客様が全員俺の担当ってこと???


「ふっ、そういうことになるね」


ランスロットに心を読まれ いともあっさり認められた


「大変に光栄な嬉し過ぎるお話しですが…俺に務まるか正直…不安です」


「平気だよ…ダメな時はきみが真理にイジメられるだけだから…」


やっばりドSだ…


「ぼくもお人好しじゃないからね…見込みのない奴に大事な姫君たちを託さない…

ひとりでも傷つけたり不愉快な想いをさせたら…覚悟しておくんだな」


おいおいおいっ、モロ脅しだぜ、それ…


「どうした? トリスタン、真理とのゲッシュを忘れたのか? 」


そうだった…三ヶ月以内にナンバー2に入らないと姉さんが……


プレッシャーに押しつぶされそうになり押し黙ると 突然ランスロットに肩をポン、と

叩かれ


「お前ならやれる! 自信をもて お前には他の男に真似の出来ない(くれない)が宿っ

ているんだからな! 」


「あの…真理さんもおっしゃっていたんですけど 紅って何なんですか? 俺、いまいち

わからなくて…」


ランスロットは美しいルビー色の魔眼でにやりとしながらひと言


「答えは自分自身で導くんだな…それから…」


ランスロットは右手のリングを外すと央に差し出す


クロムハーツのダガーリング!!! しかもダイヤ入りだぜ…


「ナンバー入りした記念に真理様に頂いた指輪だ ダイヤモンドの宝石言葉はアダマス… 

征服されざる者、だ」


征服されざる者…


「こんな高価なリング…しかも真理様から…俺には身分不相応です いただけません…」


「せっかくだから もらっておきなさい」


「真理様…」


「かけがえのない宝石を見つけた人には 必要ないでしょう」


真理はウインクして微笑んでいる


央は意を決したように人差し指にリングをはめた


「ありがとうございます! ランスロットさん、俺、このリングに相応しい男に、いえ、最高の騎士(ナイト)になれるよう頑張ります」


ランスロットに頭をぽんぽんされ 「頑張れよ!」


とびきり優しい微笑みを残してその夜 彼はCamelotのナンバーワンから永遠に身を引いた


――――――――


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