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あとがき

*閲覧ありがとうございました。

これよりあとがきという名の補足&小ネタおよび裏話です。読後の余韻が粉々になるおそれがございますのでご注意ください。



・スフィリ:σφυρί(sfyrí)

ギリシャ語で「ハンマー」。

砕くもの。あとは水が苦手、の意味も込めて。


・リートス

ギリシャ語で「鉱石」鉱物名によくある「~ライト」の元になった語

・スマラグドス

ギリシャ語で「エメラルド」原義はサンスクリット語「smarakata(緑の火)」から

→スマラグドは植物のニオイヒバの園芸品種名ですが、語源同じなので許して。

・硬度と靭性

硬度は「傷つきにくさ」。ダイアモンドが最高値なことで有名。靭性は「割れにくさ」。


・アメノムラクモ

和風国家の天候制御装置→日本神話の天候関係の神→雨と嵐の神はスサノヲ→スサノヲさんと言えば天叢雲剣……という発想

最初アマテラスにしようかと思ったけど、晴天にする装置ではなく雨天をコントロールする(本来は意図的に降らせる)装置なのでスサノヲ。


・エメラルド

調べるほど繊細さしかわかんなくて「もう砕くしかないじゃん……」ってなった。

いや嘘です。まず真っ先に硬度調べて「思ったより高いな…でも靭性が低い? なるほど……」とか言ってたのは私です。

石言葉は「幸運」「幸福」「愛の成就」など。何一つ合ってねえ!(両想いなので愛は一応成就したかも)

でもそういうのって媒体によってコロコロ変わるし……。


・翡翠

エメラルドとともに五月の誕生石。スピ的には癒し効果があるらしい。石言葉は「繁栄」「安定」「幸福」など。

同じケイ酸塩鉱物なのでちょっとエメラルドと構成が近いけど少し違う、というのがミソ。

硬度は7程度なのでエメラルドとどっこいだが、靭性はめちゃめちゃ高い。


Q.結局、事故のあとスマラグドには何があったの?

たぶん金に目がくらんだ誰かに「君はスフィリ博士を傷つけてしまったからもう一緒にはいられないんだよ」とか吹き込まれて誘拐(モノ扱いなので法律上は盗難)される

→裏市場で取引され、和風国の金持ちの変態コレクターが買いつける→船に乗せられる

→コレクターに引き渡される段階で本能的に「この人怖い」ってなって抵抗して逃げ出す(先生の片足をダメにしたパワーの有効活用)

→運良く善良な人に保護されるが「エメラルドだとわかったらまた変な人のところに連れて行かれちゃうかもしれない。スフィリ先生のとこにも帰れないし……」と思って正体を明かせず黙っていたら、相手が(見た目が子どもだったのもあり)気遣って「緑色だから翡翠かな?」と聞いてくれたのでとりあえず頷く

→はぐれ翡翠として保護・登録されて研究機関に寄贈される


●スマラグドちゃんが壊れてしまった原因一覧

・長期間に渡る不適切なサプリメントの摂食による慢性的なベリリウム欠乏

・雨の中をお迎えに行った、洗い物をした(翡翠なら水に強いけどエメラルドは水に弱い鉱物)

・恒常的なパワーの行使(終盤は一晩中ハグしたりしていたため回復する暇もない)

・火を使う料理をした(エメラルドは熱にも弱い)


結論:およそ先生がトドメ刺してる

ほとんどスマラグドが自発的にやったこととはいえ……。なんで鉱物の専門家なのにとっとと気づかないんだよ先生のバカー!!って言いながら読むのが本作の正しい鑑賞スタイルです。

先生さえ早く気づいて適切な処置(上述のNG行為をすべてやめさせる、自分は鎮痛剤で我慢する、アクアマリン用のサプリメントを調整して投与する)をしてくれたら……。きっと脚の痛みに気を取られて判断力が通常より下がっていたんでしょう。


※アクアマリン

エメラルドと同じ緑柱石(ベリル)系統の石なので構成元素がほぼ同じ(比率は異なる)であり、かつ靭性が高いので鉱族の生成が可能。

まあでも色がだいぶ違うし、当時のスマラグドは幼いのでそこまで頭は回らない。それに他の緑系の石は構成元素が全く異なっていたりするので、翡翠に誤認されたのはわりと運が良かった。少なくとも先生に再会できたという意味では。

しかし状況が悪すぎて先生との再会が自滅エンドへのブーストになってしまった……。



最初は仮名だったというか、正体を隠したエメラルドの偽名として「適当にパッと思いついた漢字名称の緑の石」として翡翠を設定しておいたら、その後調べるほどに都合のいい情報しか揃わなくて驚きました。ほとんど翡翠じゃなきゃ成立しない話だった……。

なんか狐につままれたような気分です。何かの意思が私にこれを書かせたような気がする。いや、完全に私の趣味の話ですけども。


そんなこんなの、雨そっちのけの哀しいエメラルドのお話でした。おそまつさまでした。



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