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「第92話 - 襲来」

ワクワクダンジョンの1層を抜け、外の世界に足を踏み出した瞬間、アキトの目に飛び込んできたのは、想像もしなかった光景だった。複数のヘリコプターが空中で旋回し、その下には金森が立っていた。彼女の表情は、いつもと違い、険しかった。


「分身はヘリに乗り込んで。魔導ポーチに矢を一定数補充してあるわ。本体は......もう飛べるわよね?着いてきて。移動するわ」


金森の声は緊迫感に満ちていた。アキトは状況を把握する間もなく、分身たちに指示を出した。


「説明......してもらう時間もなさそうだな」


分身から視界情報を共有されたアキトは驚愕した。ヘリの中には迷彩服を着た兵士が運転席に座っていたのだ。


(よく見たら軍用ヘリじゃねぇか......どういうことだ?)


「行くわよ」


金森の声とともに、複数方向にヘリが飛び立つ。アキトは『念力が使えるスキル』を使って、金森とレイについていった。


空中を移動しながら、金森が事態を説明し始めた。


「教団、すなわち欧州圏からの宣戦布告よ。端的に言うと『サトウアキトを差し出せ。さもなくば我が国の占領下に置く』ってことね」


レイが驚きの声を上げる。「そんなむちゃくちゃな!」


一方の俺は、ショックで口をパクパクさせるだけだった。


金森は続けた。


「ワクワクダンジョンの2層から絶大な魔力反応が5度も観測されたわ。教団はそれを★4クラスの魔力暴走であると認定し、速やかな原因究明、及びそれを監視下に置くこと、加えて、包括的軍用魔法実験禁止条約の重大違反並びに一方的破棄として日本国を教団の支配下に置くとしたのよ。心当たりはある?」


アキトとレイは顔を見合わせ、罪悪感に満ちた表情で答えた。


「「......あります.......申し訳ございません」」


金森は溜息をつきながら説明を続けた。


「まぁ頑張って働いてもらうしかないわね。現状、国家非常事態宣言が発令済。関東圏のすべての人間は地下シェルターなどの避難施設への避難を開始してる」


アキトは下を見て、驚いた。「下、すごい渋滞してますね。。。避難所ならたくさんあるだろうに」


金森は説明した。「5年前の侵攻の時は都心の被害が大きかったからでしょうね。この人流は都心から東京以外に流れているわ。」


アキトは5年前の出来事を思い出し、不安そうに尋ねた。


「5年前......あれはスキルオーブを鑑定する冒険者の誘拐だったみたいな話をしてましたよね......?今回も俺が誘拐されたら終わるんですか?」


金森の返答は厳しいものだった。


「今回のあなたの場合は、違うと思うわ。★の壁を超えて、加速度的に強くなれるスキルを持った人間なんて、国家のパワーバランスをひっくり返しうるものよね......つまりこの侵攻はアキトを殺しに来てるのよ」


アキトは現実の重さに打ちのめされそうになりながらも、冷静さを保とうとした。


「こ、殺しに来るとしたらどんな敵が......?」


金森は冷静に説明を始めた。


「まずは教皇。★4つのスキルを持つ教団の絶対的支配者。スキルは「ダンジョン内生物に対する絶対命令権を得るスキル」現在、当該スキルの詠唱が開始されていて、完了次第、日本列島のすべてのダンジョンのモンスターがアキトを殺しに来るわ」


「次に......」


「ま、まだいるんですか!?もう既にお腹いっぱいなんですけど!?」


「......次に挙げるとしたら教皇直下の聖光騎士団。★3以上のスキルホルダーのみで構成された戦闘集団ね。特に十二使徒は......鑑定スキルで得た良質なスキルオーブを使用していることが多いわ......あなたみたいにスキルコンボを乗せてくる奴らが揃っているから、★3と思って舐めてかかると消し炭になるわよ」


おいおい、待ってくれ。さっきやっと★2つのゴブリンを倒したところなんだぞ......レイみたいな化け物冒険者が束になって俺を殺しに来るのか?


そんな中、アキトの『スキルのことがよく分かるスキル』が、東京タワー付近に強力なスキルの存在を感知した。


「......あの、東京タワーのところにヤバいスキルの反応があるんですが」


金森が鋭く尋ねる。


「何てスキル?」


「『生物を爆弾にするスキル』と『爆弾を起爆するスキル』です」


金森の表情が凍りついた。


「超・異能系......!どうにか死なないで!」


———


遠く離れた場所で、一人の使徒が静かに目を閉じ、祈りを捧げていた。


「神よ、愚かな人間どもに裁きをお与えください」


その言葉が空気を震わせた瞬間、アキトの視界に入る全てのものが眩い光に包まれた。


ビル、道路、そして人々...あらゆる場所から光が放たれ、次の瞬間、アキトの体が千々に砕け散った。


轟音と共に、東京の街が炎に包まれる。使徒の冷たい瞳が、その光景を無感情に見つめていた。

■本当はタイトルを使徒襲来にしたかったんですが、ネタバレになりそうなのでやめました。

 1章+2章の予告編はここまでになります!切りの良いところまで書き上げた+皆さんの妄想が膨らむところまでご紹介させていただきました。15万字もお読みいただきありがとうございました!

 2章の構想は頭の中にあるのですが、まだ、自分の能力が不足しており、書き上げることができない状況です。

 別作品を1つ書き上げて、成長してからこちらに戻ってこれればと思っております。

 作風を気に入っていただけた方は作者をフォローしてお待ちいただけるとありがたいです!

 

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[気になる点] うーんまだ無双出来るほどスキル揃ってないしこんな特大の権力者に狙われて大丈夫か? まぁなかなか死なないし分身を囮に出来るしステータス偽装出来るから地上に出ないでダンジョンにこもって更…
[気になる点] 急に壮大なストーリー()になっておもしろくなさそうになっちゃったのでここでお別れです。
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