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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
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「第76話 - 圧倒的な力」

500匹以上のゴブリンが怒涛の勢いでアキトとレイに迫ってくる。


「『恐怖を無くすスキル』すごいな。普段だったら絶対バラバラに逃げてる奴らが押し寄せてきてる」


アキトは驚きを隠せない。通常なら、ゴブリンたちは強大な敵の前に逃走を選ぶはずだ。


(接敵されると非常に良くない。袋叩きだ。俺なんて遠距離攻撃しかないといっても過言じゃないし)


彼は危機感を募らせる。近接戦闘を得意としないアキトにとって、多数の敵に囲まれるのは致命的だ。


「さっき楽しかったし、まずは氷河の矢かな」


アキトは作戦を立てる。


彼は次々と氷河の矢を放ち、10メートル四方の氷塊をゴブリンの上に落としていく。


直接潰すだけが目的ではない。氷塊でゴブリンたちの動きを制限したアキトは、今後は緑樹の矢を適当に草原にばらまいていく。


『矢をたくさん打てるスキル』で増殖、『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』で強化された木の幹のような太さの蔓が氷塊の間を暴れまわり、ゴブリンの進軍効率が低下していった。


ゴブリンたちは大混乱に陥っていた。木の蔓に潰され、氷塊に叩きつけられ、次々と命を落としていく。


無残に押しつぶされたゴブリンの体は、一瞬で灰となり、魔石だけを残して消えていった。


「よしよし。緑樹の矢に加えて、烈風の矢を放ってみるか」


アキトは更なる攻撃を仕掛ける。


風魔法の効果で、ゴブリンと蔓が吹き飛ばされてかき混ぜられていく。


巻き上げられた蔓がゴブリンたちを捕らえ、容赦なく締め上げる。


骨が軋む不気味な音が草原に響き渡り、ゴブリンの断末魔が風に乗って運ばれていく。


蔓を避けていたゴブリンたちも、次々と巻き込まれ、魔石に変じていった。


「思ったより死んでるな。あと200匹?」


アキトは手ごたえを感じる。


しかし、生き残ったゴブリンたちはそこそこ近づいてきている。


「もう炎爆の矢で燃やしつくそうか」


アキトは決意する。


数々の魔法攻撃を受けて前後不覚になりつつあった、ゴブリンの群れに対して、彼は無数の炎爆の矢を打ち込んでいく。


ゴブリンが燃え、草原が燃える。まるで地獄絵図のような光景が広がっていた。


炎に包まれたゴブリンたちは、悲鳴を上げながら次々と倒れていく。


やがて、すべてのスキルの反応が消えた。無数の魔石だけが転がっている。


「拾うのが面倒だな......」


アキトは溜息をつく。


そこへ、レイが手を差し伸べる。


「『紅蓮魔法スキル:紅竜召喚』」


彼女の呪文と共に、10匹程度の人サイズのトカゲが召喚される。


触ったら非常に熱そうな色をしていた。というか、見ているだけでも、近くにいるだけでも熱気を感じるほどだ。


「魔石を拾ってきなさい」


レイが紅竜たちに命令する。


「集めて戻ってきたら、魔法を解除してアイテムポーチに入れればいいわ」


彼女は淡々と告げる。


「そんな使い方があるのか!便利だ......」


アキトは感嘆の声を上げる。


「スキルオーブは狙わなかったの?」


レイが尋ねる。


「この群れのスキルは微妙でな。『恐怖を無くすスキル』なんて手に入れても仕方ないし」


アキトは肩をすくめる。


(というか、恐怖がなくなったら早死にしそうだ)


彼は内心で呟く。恐怖心は時に命を守る大切な感情なのだ。


「そう......」


レイは残念そうにつぶやく。


(次は良いスキルが手に入る群れを狙うか)


アキトは心の中でおもった。


「あ、矢の補充をしないと」


彼は我に返る。


数十本の矢を使ったため、ホルダーの矢の残量がかなり少なくなってしまっていた。魔導ポーチに1万本程度は矢を格納しているので、そこから取り出した。


(どうだろ。もう少しMPに余裕ができたら、弓の持ち込みはやめて、その分ホルダーを増やしたほうがいいかもしれないなぁ)


アキトは思案する。


彼はホルダーから矢を取り出して『矢をたくさん打てるスキル』を使って、矢を増やしてホルダーにしまった。


「これも贅沢な使い方よね。ゴブリンを倒すのに魔法の矢を惜しみなく使えるなんて、聞いたことがないもの」


レイが感心したように言う。


「そんなもんなの?」


アキトは驚く。


「ええ。そのスキルもいわゆる結末操作系スキルって言われる特に強いスキルじゃない?」


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