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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
73/92

「第73話 - 魔法使いの宿命」

翌日、アキトはワクワクダンジョンに向かった。入口に龍条レイが立っていた。


赤髪に赤いドレスを着た彼女は、周囲の景色に映える存在感を放っている。ドレスは動きやすさを考慮したデザインで、スカート丈は膝上までだ。胸元には黒い鱗のような装飾が施され、神秘的な雰囲気を醸し出している。


赤い瞳は知性と強さを感じさせ、凛とした立ち姿は戦士のそれだった。


「すみません。お待たせしました」


アキトは申し訳なさそうに言う。


「いえ、行きましょうか」


レイは気にする様子もなく、ダンジョンに向かって歩き出す。


「金森さんと普通に知り合いだったんですね」


アキトが話を振ると、レイは苦笑する。


「目立たないようにって忠告、全然守る気ないんだなって思って見てた」


彼女の指摘に、アキトは慌てて否定する。


「そ、そんなことないですよ」


話題を変えようと、彼は講座のことを振り返る。


「昨日まで、講座、ありがとうございました。あの講座のメッセージはなんでしょう、『ダンジョンに入る前に魔法使いは魔法を徹底的に鍛え抜け』......そういう感じですか?」


「そう。魔法使いは基本的に序盤、最弱のクラスだから」


レイの言葉に、アキトは驚く。


「最弱?」


「スキルの基本分類において、魔法系スキルは最弱よ。MPを消費しないと魔法が起動できない」


レイは淡々と説明する。


「しかし、魔法発動に熟練していないから消費MPが著しく高い。燃費が悪いってこと。消費MPが高いから練習もできない」


「技の発動もうまくできないから敵を倒せない。敵を倒さないとレベル・MPが上がらない。MPが少ないから魔法が使えない」


彼女の言葉に、アキトは同情を感じる。


「大変じゃないですか」


「そう。大変。ひどいものよ。魔法スキルは」


レイは眉をひそめる。


(とはいえ、ぜんぜん使えるけどな)


アキトは内心で呟く。彼のステータスを見れば、MPの低さは一目瞭然だ。


-------------------

プレイヤーランク ★

プレイヤーレベル 14

 次のレベルまで 265

 累積経験値 2532

ステータス

 HP 113

 MP 24

スキル

『スキルのことがよく分かるスキル』 -

『矢をたくさん打てるスキル』 ★

『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』 ★

『火魔法スキル』 ★

『ステータスを偽装するスキル』 -

-------------------


(MPが24だけど全然魔法を連発している。そういえばレベル1だと10だったよな)


アキトは自分の成長を実感する。


「レイさん3000近くMPありましたよね。魔法1発でどれくらい消費するんですか?」


彼が尋ねると、レイは即答する。


「ダンジョンの中で見せた技も、アーティソンで見せた技も1~10くらい」


「結構使いますね」


(俺は0.1~1くらいな気がする)


アキトは内心で比較する。


「魔法の位階が違うというのもあるけど、そもそもアキトの魔法の発動効率はおかしいもの。まるで魔法の真髄を理解しているみたい。『スキルのことがよく分かるスキル』の効果?」


レイの指摘に、アキトは頷く。


(そうなんだよな。このスキルお陰で、最初からヌルヌル魔法が使えた)


「あなたのやり方を見て真似るだけで、魔法の発動効率が3%も改善したもの。また、たくさん魔法を使って見せてちょうだい。


なんと、俺の技が見て盗まれていたのか。


「もちろんギブ・アンド・テイク。あなたも私の技が使えるはずよ。火魔法で自分を加速させて移動、もうできるんじゃない?」


彼女の提案に、アキトは目を見開く。


(なんとなくイメージできるけど......)


レイが自分を打ち倒す直前に火の翼のようなものを使っていた気がする。一瞬の記憶をたどり、火の翼を作ってみる。


一瞬、ジェット噴射のように加速し、周りの景色がぼやけて見えた。


「わっ、止まれねぇ!」


慌てて火の出力を絞ると、なんとかスピードが落ち着いてきた。MPの消費はそこそこあるが、移動手段としてもかなり使える感じがする。


「確かに。意識したらできました」


アキトは驚きを隠せない。自転車に10秒で乗れるようになった気分だ。


「知らないことはわからない。知ってしまえばわかる。一を聞いて十を知るどころか、百くらいわかってるんじゃない?」


レイの言葉に、アキトは頷く。


「そうですね。確かに、講座の同級生を見ていても非効率な魔法発動だなとは思ってましたし......」


(魔力開花してからは思ったことは大抵できたもんな)


アキトは自分の才能を自覚する。


「でも、万能ってわけじゃなさそうね」


レイの言葉に、アキトは首をかしげる。


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