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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
68/92

「第68話 - 砂漠の死闘」

「思ったより地形に特徴があるな」


アキトは前回の戦いを振り返る。岩山という環境が、戦いの流れを大きく左右したのだ。


(地形を活かすという発想は、思ったよりも大事なのかもしれない。これは実際の戦闘においてもそうなのだろうなと感じる)


彼は考えを巡らせる。


(実際、ワクワクダンジョンも2層に入った瞬間、いきなり草原になったもんな)


アキトは冒険の記憶を思い出す。ダンジョンでも、環境の変化が戦いに影響を与えるのだ。


「戦闘フィールド、砂漠。10秒後に戦闘を開始します。10...9...」


システムのアナウンスが響く。


(あかん!これは厳しい。実質直接戦闘になる)


アキトは緊張する。砂漠という環境は、彼にとって不利だ。


転送された直後、彼は素早く体を伏せる。そこから『スキルのことがよく分かるスキル』を起動する。


(どうやら砂丘を超えた先にいるみたいだ。70メートル先くらいか)


アキトは相手の位置を把握する。


(さてさて、どうしましょうかね...『火魔法スキル』で何ができるか...)


彼は戦略を練る。砂漠という環境下で、火魔法をどう活かすか。それが勝負の分かれ目になるだろう。


数十秒後、相手が砂丘に登り始めた。フィールド全体を見渡して俺を探そうとしているようだ。


(頭が見えた瞬間に『ファイアバレット』を連射して狙撃する)


アキトは相手の頭が見えた瞬間に魔法を放った。


(うわ...なんて動体視力してやがる。なんで躱せるんだよ!不意打ちくらいは食らってくれるものじゃないのか?)


彼は舌打ちする。相手は見事にファイアバレットを切り払い、悠々と歩いてくるのだ。


(『斬撃スキル』ずるいって......本人の動体視力もかなりいいのか?)


アキトは歯がゆさを感じる。


その時、相手が斬撃を飛ばそうとしているのに気づく。


(あっ不味い。斬撃飛ばしてこようとしてるな?そうはさせませんよ?)


「火炎放射!」


アキトは地面を削るように火炎放射を放つ。


(どうかね?ヒタヒタのMPを燃料に、地面を削り取るように燃える火炎放射は?さっきと違ってキツイだろう?)


しかし、予想外の光景が彼の目に飛び込んでくる。


「は???」


相手は複数回の斬撃を繰り出し、砂丘の表面の砂を削り巻き上げながら、、火炎放射を砂の層で防ぎながらこちらに近づいてくるではないか。


(ふざけるな!砂と相性が悪すぎるだろ!)


アキトは思わず叫ぶ。


(砂の裏で、やつが笑っているように感じられてくる。白い人形だからそんなのわからないんだけどね!)


彼は苛立ちを隠せない。


相手が10メートルの距離まで接近したその瞬間、アキトは仕掛けていた魔法を発動する。


「吹き飛べ!!!『ファイアボム』!!!」


削り取られていた砂の層の更に下から、爆発が起こる。


(数十秒あったんだぞ。何もしなかったはず無いだろ!見たか!)


アキトは勝利を確信する。相手の足は、もう使い物にならないはずだ。


(だが、遠距離戦になったら決め手にかける可能性がある。ここで決める!)


彼は空中で回転する相手の落下地点に走る。そして、相手の体に触れて直接魔法を発動する。


「『ファイアブースト』!!!」


アキトは直接相手の体を掴み、丸ごと燃やし尽くした。


「......!!!」


相手の断末魔が、ロボット越しに感じられた気がした。自分だったら絶対こんな攻撃は受けたくない。


「アキト様の勝利です。アーティソンに帰還します」


システムのアナウンスが、勝利を告げる。


アキトは砂漠の只中に立ち、深く息をつく。


「1分後に3戦目を開始します」


厳しい環境下での戦いだったが、何とか勝利を掴むことができた。


あと1戦か......どんな環境だろうと絶対に負けんぞ。


アキトの瞳に、炎が宿った。


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