「第63話 - ランク戦のルール」
ぼーっとしていたアキトが我に返ると、再び円形のアリーナに立っていた。先ほどの戦いが仮想的なものだったのか、一瞬疑問に感じるほどのリアリティがあった。
「ランキングアナウンス」
システムの声が響き渡る。
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アキト・サトウ
Rank 687531→602290
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(おお、一気にランクが上がったな)
アキトは驚きを隠せない。たった一戦で、ここまでランクが上昇するとは。まぁ最初だしこんなもんか。負けたままやらなくなる人もいるんだろうな。
「もう一度戦闘を行いますか?」
システムが尋ねる。
「すまん、色々説明してもらえるか?」
アキトは戸惑いを感じながら、システムに説明を求める。
「承知しました。アキト様が今選ばれたランク戦は、全世界のアーティソン登録冒険者と仮想戦闘を行うものです。ランクの差異が一定の登録者が抽出され、その戦闘結果によってランキングが上下します」
システムがアナウンスを始める。
(全世界の冒険者と戦ってるのか...!)
アキトは改めて、アーティソンの規模の大きさを実感する。
「おっけー。今の相手はどれくらいのレベルの人だったんだ?」
彼は好奇心から、相手のレベルを尋ねる。
「相手の情報は伏せられており、ランキングのみが表示されます」
システムは相手の情報を明かさない。代わりに、ランキングが表示された。
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Rank 652220
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(さっきの俺よりは少し上のランクだったのか。でも、楽勝だったな)
アキトは自信を持って、次の戦いに臨む。
「戦闘に関して、おおまかなルールを教えてくれ」
彼はシステムにルールの説明を求める。
「フィールドに転移後10秒後、戦闘が開始されます。相手への攻撃はその10秒は禁止されており、その間に攻撃を行うと無条件に失格になります」
システムが淡々と説明する。
「おやおや、ちゃんと聞いておかないといけないルールだ」
アキトは苦笑する。知らなかったら、失格になるところだった。
「戦闘を短時間で完了するために、フィールドは直径200メートル、徐々にフィールドは縮小し、600秒で戦闘は強制終了します。戦闘フィールドの種類、広さはランク帯によって変動します」
システムが続ける。
(600秒か。あっという間だな)
アキトは戦闘時間の短さに驚く。
「戦闘後、消費したMPは自動で回復します」
「なんと。いくらでも戦えるのか」
彼は喜びを隠せない。MPの回復が自動で行われるなら、何度でも魔法を全力で使いながら戦えるのだ。
アキトは頬をぱちんと叩く。
「じゃあ、やっていこうか」
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