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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
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「第60話 - 魔法の効率化」

的当てゲームが進む中、生徒たちは次々と自分の魔法スキルを披露していく。


「うおおおお!!!」


『斬鉄魔法スキル』を持った青年が魔法を発動した。しかし、魔法の発動自体は見えなかった。かまいたちのように速く、何かが移動したような感覚があり、その後、的に切り傷が入っているのが確認できるだけだ。


(★2のスキル、やっぱり格が違うというかなんというか。魔法自体を比較しても火魔法や、氷魔法、草魔法なんかと比較すると比べ物にならない気がする)


アキトは感心しながら、青年の魔法を観察する。


(斬鉄って......鉄を切れるほどの攻撃が不可視って性能がおかしいよな?速度もめっちゃ速そうだったし)


『石兵魔法スキル』を持った女性も、なかなか凄い魔法を見せてくれた。


「行けそう......発動します!」


彼女が呪文を唱えると、地面から石のゴーレムが形作られ、的を殴りに走っていく。


(便利な魔法だ。荷物持ちにもなるし、複数回発動すれば一人で軍隊を持てるじゃないか)


アキトは感心しつつも、自分の魔法の練習に集中する。


俺は何をしているのかって?一人で的あてゲームをしていた。火魔法を当てると的が動く。動いた的に当てる。この繰り返しだ。反射神経の限界を追求し、魔法を連射していく。


火球を次々と放ち、動く的を狙い撃ちにしていく。


(『斬鉄魔法スキル』があたったときはロボットアームが的を交換してたな。的を壊せるほどの威力が出せると、楽しいだろうに)


アキトは青年の魔法を羨ましく思う。しかし、彼にはもっと高みを目指す方法があった。


(そうか。レイさんの『紅蓮魔法スキル』みたいに熱を圧縮してみよう。別にふわふわファイヤーボールで打つ必要もないよな)


さっき殴られてから、あの重さが腹に残っていたから同じようなものを作っていたのだ。


アキトは火球を小さく凝縮させ、威力を上げることを試みる。


「うーん。複数当てれば撃ち抜けるようになったな」


彼は両手をピストルのようにしてリズミカルに極小ファイヤーボールを発射していく。圧縮された火球は、まるで銃弾のように的を貫いていった。


「一旦終わりにしましょうか」


レイが声をかける。


「あ、はい。わかりました」


アキトは頷くと、周りを見渡した。


(周りを見ると、みんな膝をついてたり、座り込んでたり、あれ、そういえば複数回魔法を使っている人間なんて、俺以外いなかったような)


他の生徒たちは、魔力の消耗が激しいのか、疲れた様子で座り込んでいる。


「魔法が発動できるようになったら、次は魔法の効率的な発動よ。この講座が3日設けているのはそれが理由。一定回数以上魔法を使えないのにダンジョンには行かせたくない」


レイが説明する。


「だいたいみんな、1度しか魔法を発動できていないわね。それはまだスキルの発動が非効率だから。自分のスキルに熟練することで複数回、より短い準備時間で、より性能の高い魔法を使えるようになる」


「明日からはマジックポーションを使ってMPを回復させながら、ひたすら魔法を使ってもらう。講習の料金の大半はここに使わせてもらってるわ。自分のMPの範囲で何回魔法が使えるかは生命線。これをできる限り伸ばしていってもらう」


なるほど、と頷くアキト。魔法の効率化が、冒険者としての生命線になるのだ。


「モンスターを倒していく中で、レベルを上げていけばMPも上がる。また、明日から頑張りましょう」


レイの言葉に、生徒たちは意気込みを新たにする。


講習初日にして、アキトは他の生徒たちとの差を見せつけていた。『スキルのことがよく分かるスキル』のおかげで、魔法の習得が飛躍的に早いのだ。というか、思いついたことは何でもできてしまう。


魔法の発動効率も桁違いのようで、何発撃ってもこの程度ならMPが尽きるようには思えなかった。


「大丈夫よ。あなたのように魔法が自由に使える人間がいることも想定してるから。特別なメニューが有るわ」


レイが声をかけてきた。正直、明日からダンジョンに戻ろうか悩んでいたところだった。


「わかりました。じゃあ、また明日楽しみにしてます」

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