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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
53/92

「第53話 - 暗躍する者たち」

都内を一望できる高層ビルの一室に、金森と龍条レイの姿があった。


「急に緊急臨場に割り当てるなんて、やってくれるじゃない。私にだって色々あるのよ?」


レイが不満げに言う。


「それくらいの貸しなら、たっぷりと積んできたつもりよ」


金森は涼しい顔で答える。


「で、あれは何?あのバカバカしい、いえ、馬鹿げた奴は」


レイが尋ねる。


「あなたから見て、何が馬鹿げていた?」


金森が問い返す。


「要救護者としてあなたに渡されたサトウアキトのステータス表よ」


レイは資料を取り出す。


-------------------

プレイヤーランク ★

プレイヤーレベル 3

 次のレベルまで 52

 累積経験値 279

ステータス

 HP 102

 MP 11

スキル

『スキルのことがよく分かるスキル』 -

『矢をたくさん打てるスキル』 ★

-------------------


「レベル3なのに、2つもスキルを持ってるのよ!?見た瞬間に吹き出したわ」


金森が笑う。


「それが、ダンジョンの中で私が冒険者カードを見せられたときにはこうなっていた」


レイは別の資料を差し出す。


-------------------

プレイヤーランク ★

プレイヤーレベル 14

 次のレベルまで 265

 累積経験値 2532

ステータス

 HP 113

 MP 24

スキル

『火魔法スキル』 ★

-------------------


「あははは!」


金森は高笑いする。


「楽しそうね!あんたほどそういう笑いが似合う人はいないわ」


レイが皮肉を込めて言う。


「で?」


「仮に、仮にあんたから渡されたステータスが正しいのだとすれば......彼はとんでもないスキルを『複数』持っている」


レイが分析する。


「一つはスキル偽装。スキルが減っていることになるから」


「次はスキルオーブの獲得に関するスキル。『火魔法スキル』とスキル偽装のスキルは新しく獲得したことになる」


「あと、さらに複数の戦闘系スキルを保有している。今日のダンジョン内爆発、犯人はあいつであることは間違いない。でも、彼が持っている魔法矢ではあんな威力には到底届かない」


「あれがあんたの......」


「そう、『わたしのもの』よ」


金森は断言する。ゴクリとレイが息を飲んだ。


「......危なっかしいわよ。あれ。危機管理能力が低すぎるわ。少し見れば、話せば、すぐにやばい奴だってわかる。誰もあんな奴を放っておくなんてことはしない」


レイが忠告する。


「いいのよ、それで」


金森は涼しい顔で言う。


「アキトが冒険者カードを見せた人間には全員、可能な限り早く、記憶洗浄をかけてきた。冒険者免許の会場にいた人間も全員即日で記憶洗浄をかけたわ。もちろん冒険者データベースも改ざんしてある」


「......それでも」


「ええ、それでも足りないわ。気づかれる日は必ず来る。もう来ているかもしれない。でも彼は自分の望むように生きること以外望んでいないわ」


「ッ!そんな!」


金森の言葉に、レイは怒りをにじませる。


「......そんなに甘い世界じゃないわよ。遠からず、暗く、大きな力が彼を支配しに来る......」


「私は、そんな外敵と戦う彼を支えるわ、そうすれば彼の力を、力の恩恵を享受できる」


金森は冷酷に告げる。


「彼をあなたの講座に招待したそうね?」


......なぜ知られているの!?


レイは驚きを隠せない。隠すつもりはなかったが、二人きりの会話まで把握されているとは思わなかった。


「いいわ。ちゃんと関係を作っておきなさい。そういうチャンスを逃さないあなたを私は高く評価している」


金森はレイを褒める。


「で、あなたは私の味方なのよね?」


金森が強烈な圧をかける。


「もちろんです。あなたには返しきれないほどの恩がありますから」


レイは冷や汗をかきながら答える。


「......ならいいわ。これからもよろしくね、レイ」


金森は満足げに微笑んだ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 個人情報って言葉が、無い世界みたいですね。残念です。
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