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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
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「第48話 - 支援系の脅威」

 アキトは前衛のゴブリンたちを打ち倒したが、戦いはまだ終わっていない。支援系と遠距離攻撃系のゴブリンが、未だ健在だったのだ。


 「スーパーバリアを貼り直して...よし」


 彼は素早くバリアを展開すると、雷撃の矢を束ねて放つ。凄まじい電撃が、前衛と後衛の分断で生み出された氷塊を粉々に破壊した。


 「よし、邪魔なものは片付いた。さて、残るは...」


 アキトは『スキルのことがよく分かるスキル』で、残敵の情報を再確認する。


 「支援系は、『ステータスを偽装するスキル』と『体力回復魔法が使えるスキル』か」


 彼は眉をひそめる。これらのスキルは、味方を強化し、立て直しを図ることができる厄介な能力だ。


 ただ、氷塊で分断されたことで、強力な前衛をサポートすることはできなかったのだが。


 「遠距離攻撃系は、『肩が強くなるスキル』と『岩石魔法スキル』...か」


 アキトは警戒心を強める。遠距離からの強力な攻撃は、場合によっては脅威となりうる。辺りを見回しながら、アキトは戦況を見極めようとする。茂みや岩陰から不意打ちを仕掛けられる可能性もあるからだ。


 「さてさて、火力があるやつはみんな死んだけど、残りのゴブリンは何ができるのかなぁ?」


 そう呟いた瞬間、『肩が強くなるスキル』を持ったゴブリンが、大きな石を投げつけてきた。


 「速っ...!」


 アキトは咄嗟に身をかわす。石は彼のバリアに激突したが、何も起こらなかった。


 「速さはピカイチだけど、攻撃が軽いな。バリアにヒビすら入ってないぜ?」


 彼は苦笑しながら、緑樹の矢を束ねて放つ。蔓が『肩が強くなるスキル』のゴブリンを絡め取り、動きを封じる。


 「身体拘束してしまえば、何もできまい」


 アキトはそう呟くと、無抵抗のゴブリンを容赦なく射抜いた。石投げゴブリンの脅威は去ったが、まだ油断はできない。


 「よし、次は...『岩石魔法スキル』のゴブリンか」


 彼は剣呑な気配を感じて、氷塊の方を振り返る。すると、そこには信じられない光景が広がっていた。


 「な、なんだあれは......!」


 崩れた氷塊の後ろでは、『岩石魔法スキル』のゴブリンが長々と詠唱を続けている。その隣には、巨大な岩が生成されつつあるではないか。魔法陣から溢れ出るマナが、岩を形作っていく。


 「まずい...あの詠唱が終われば...!」


 アキトが危機感を募らせる中、ゴブリンの詠唱が終了した。


 「グオオオオ!!」


 ゴブリンの絶叫に呼応するように、巨岩がアキトに向かって飛んでくる。大地を抉りながら迫る巨岩の迫力は凄まじい。


 「くっ...!」


 咄嗟に氷河の矢と緑樹の矢を束ねて放つ。『矢をたくさん打てるスキル』によって複数に増殖した巨大な氷塊とそれを束ねる植物の蔓が、岩を受け止める。


 「ギシッ...ギシッ...」


 氷塊が悲鳴を上げながらも、なんとか巨岩を食い止めている。氷の破片が四散し、蔓が千切れそうになりながらも、必死に岩の進行を阻む。


 「チャンスだ...!」


 アキトは雷撃の矢を放ち、岩ごと氷塊を粉々に破壊する。轟音とともに、岩と氷塊は粉々に砕け散った。


 「よし...!」


 彼は前に進みながら、『岩石魔法スキル』のゴブリンに向かって叫ぶ。


 「そんだけ詠唱して、それで終わりかよ!」


 『岩石魔法スキル』のゴブリンは魔力か、MPかを使い果たしたのか、膝をついたままこちらを睨んでいた。


 アキトは、容赦なく雷撃の矢を放ち、『岩石魔法スキル』のゴブリンを焼き払った。電撃に貫かれたゴブリンは、悲鳴すら上げる暇もなく焼け焦げていった。


 長時間詠唱することで威力を増大させることができるスキルも存在するのか。これは覚えておかないといけないな。アキトは反省した。強大な魔法は、詠唱時間が長いものが多い。油断は禁物だ。


 「さて、残りは2匹か...もう脅威でもないな」


 アキトは『スキルのことがよく分かるスキル』に意識を集中する。


 「回復魔法は欲しかったんだが...条件が厳しすぎるな」


 彼は顔をしかめる。『回復魔法が使用された7匹のゴブリンと当該ゴブリンを、まとめて1撃で倒すこと』という獲得条件は、あまりにも非現実的だ。アキトの実力をもってしても、容易に達成できるものではない。


 「手に入らないなら、いらない」


 アキトは即断すると、容赦なく炎爆の矢で『体力回復魔法が使えるスキル』のゴブリンを焼き殺した。炎に包まれたゴブリンは、苦しみもだえながら息絶えていった。


 「さてさて、お前はどうだ?『ステータスを偽装するスキル』...」


 彼は最後のゴブリンに目を向ける。一見無害そうに見えるゴブリンだが、スキルの効果でステータスが偽装されているのだ。油断はできない。


 「『ステータス偽装を看破したうえで、討伐すること』か...」


 アキトは獲得条件を確認し、ニヤリと笑う。


 「また、普通の人からすると厳しい要件だが、俺はこれを満たしているだろ」


 念のため、彼はゴブリンに向かって口頭でも伝えることにした。


 「お前、さっきからずっとステータス偽装してたよな」


 ゴブリンに伝わったかはわからないが、アキトはそのまま矢を放ち、ゴブリンを殺害した。偽装されたステータスなど、彼の目を欺くことはできない。


 「よし...これで全部倒したか...」


 彼は安堵の息をつく。そして、倒れたゴブリンの元に近づいていく。


 「おお...!」


 予想通り、ゴブリンの亡骸の傍らには『ステータスを偽装するスキル』のオーブが転がっていた。


 「やったぜ...!」


 アキトは歓喜の声を上げながら、オーブを手に取る。これでまた、新たなスキルを手に入れることができた。


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