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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
43/92

「第43話 - 残酷な条件」

アキトは火魔法ゴブリンに注目した。せっかくの機会なので、『スキルのことがよく分かるスキル』を使って、スキルを得られる条件を確認することにした。


「『相手よりも強力な火魔法を見せつけ、絶望させたうえで、相手よりも弱い火魔法で殺すこと』...だと?」


アキトは思わず舌打ちした。


「性格わっる」


彼は苦笑しながらも、火魔法ゴブリンに立ち向かう準備を始める。


「まずは氷河の矢をスキルオフで放って、拘束するか」


アキトは慎重に狙いを定め、氷河の矢を放つ。矢はゴブリンの体を貫き、瞬時に氷の塊へと変えていく。


「ギャオオオオ!!」


拘束された火魔法ゴブリンは、激しく吠えている。怒りに任せて、こちらにファイヤーボールを次々と放ってくる。


「ガシャーン!ガシャーン!」


しかし、スーパーバリアを貼り直したアキトには、全くダメージがない。彼は無造作に火魔法ゴブリンに近づいていく。


「もう魔力を使い切ったのか...?」


8発目のファイヤーボールを放ったあたりで、火魔法ゴブリンの攻撃が止まった。


「よし、次は俺の番だ」


アキトは炎爆の矢を取り出す。最大火力で打つなら、3本束ねて、スキルをオンにすればいい。


「見せつけるように放つぞ...」


彼は火魔法ゴブリンの視線の先をめがけて、炎爆の矢を放つ。凄まじい爆発が起こり、辺りは真っ赤に染まった。


「おお、ゴブリンの癖に何を考えているかわかるなぁ...」


アキトは感心しながらも、反対方向にも見せつけるように炎爆の矢を放つ。さらに、今度は連続で2発放ってみせた。


「うーん、これくらいで絶望してくれているといいんだけど」


火魔法ゴブリンの表情から、恐怖と絶望が読み取れる。そんな気がした。


「相手より弱い火魔法ね...一応、火の矢をまだ持っててよかったなぁ」


アキトは火の矢を取り出し、『矢をたくさん打てるスキル』で増やしていく。


「9本もあれば足りるだろ」


彼はスキルをオフにして、火の矢を1本ずつ火魔法ゴブリンに放っていく。ゴブリンの体は少しずつ焼け焦げ、苦痛の悲鳴を上げている。


「ギャアアア!!」


「グオオオオ!!」


悲鳴は徐々に小さくなり、やがて完全に消えた。火魔法ゴブリンは灰と化し、風に乗って散っていく。


「ふぅ...」


アキトは小さく息をつくと、灰となったゴブリンの足元を見つめた。そこには、『火魔法スキル』のスキルオーブが転がっていたのだ。


「やったぜ...!」


彼は歓喜の声を上げながら、オーブを拾い上げる。このスキルを手に入れれば、また一つ強くなれるはずだ。


「でも...なんて面倒な条件なんだ」


アキトは複雑な表情を浮かべる。そもそも相手を絶望させたうえで殺すなんて、冒険者としてのあるべき姿なのだろうか。


「いや、ゴブリンだからいいのか...?」


彼は自問自答する。ダンジョンでの戦いは、常に命を賭けたものだ。敵を倒さなければ、自分が死ぬ。それが、この世界の掟なのだ。


「考えても仕方ない......恨むなら、そんな入手条件を設定したこの世界を恨んでくれ」


アキトは意を決して、オーブをポケットに仕舞う。彼の冒険は、まだ始まったばかりなのだから。


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