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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
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「第42話 - 強敵との対決」

アキトは冷静に状況を分析しながら、『矢をたくさん打てるスキル』と『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』を起動する。


「よし、いつものように...」


彼は烈風の矢に炎爆の矢を2本束ねて、3本まとめて発射することにした。


「集落のど真ん中に落とすぞ〜」


アキトは意を決して矢を放つ。スキルの効果で9本に増え、魔法自体も強化された攻撃が集落めがけて飛んでいく。烈風の矢の効果で、矢は300メートルの距離を余裕を持って飛んでいった。


遠くから爆発音が聞こえ、爆炎が立ち上るのが見える。


「『スキルのことがよく分かるスキル』でも気配を確認...おお、スキルの気配が30......いや40は消滅した!」


彼は手応えを感じながら、まだゴブリンたちに気づかれていないことを確認する。


「よし、打てるだけ打つぞ!」


アキトは矢を次々と放っていく。5発目を放ったところで、彼はある変化に気づいた。


「あ、不味い...来てる、これ来てるよ」


彼の『スキルのことがよく分かるスキル』が、濃いスキルの気配がこちらに向かってきていることを告げている。


「『脚が速くなるスキル』が飛び出してる!」


アキトは慌てて撤退を開始する。距離を取ろうと必死で走る。戦闘用のゴブリンが、アキトの100メートル後ろまで迫っていた。


「くっ...!」


しかし、草むらに紛れるように放っておいた緑樹の矢が、ゴブリンを拘束し、倒した。太い蔓がゴブリンを転がし、締め上げていく。ゴブリンの断末魔が草原に木霊する。


「セーフ...!」


アキトは安堵の息をつく。しかし、彼の『スキルのことがよく分かるスキル』が、さらなる脅威を告げる。


「近くまで来ているのは...『握力が強くなるスキル』、『火魔法スキル』、『5倍食べられるスキル』、『集団を統率するスキル』...つまり、指揮官がいるのか」


アキトは戦慄する。特に『5倍食べられるスキル』を持つゴブリンの存在が、彼を震え上がらせた。


「おいおい...『5倍食べられるスキル』ってでかすぎるだろう...ゴブリンの癖に、他のゴブリンの倍はでかい。まるで子どもと大人...それ以上だ」


ただでさえ、2層のゴブリンは体格が1層と比べ物にならないというのに......


アキトが観察していると、火魔法ゴブリンが別角度に回り込み、巨体のデブゴブリンがこちらに猛進してくる。その後ろに隠れるように、『握力が強くなるスキル』を持ったゴブリンがいた。


「嫌だねぇ...頭がいい奴らは」


アキトは舌打ちする。ゴブリンたちの知性の高さに、彼は戦慄していた。


その時、火魔法ゴブリンが不気味な声で詠唱を始めた。


「ギ、ギャオオオ!!」


次の瞬間、巨大なファイヤーボールがアキトに向かって放たれる。


「ガシャーン!」


ファイヤーボールはアキトのスーパーバリアに阻まれ、弾け飛んだ。


「ファイヤーボールがいくつも飛んでくる...よし、この程度ならスーパーバリアで全然耐えられるな」


スーパーバリアに守られたアキトは、火魔法を一旦無視することにした。


「デブと握力か...俺の最大火力でデブを倒せなかったら、握力ゴブリンが体術で殺しに来るわけだな」


彼は格闘漫画を思い出す。破壊力は握力と体重とスピードの掛け算で決まると言う。


アキトは握力ゴブリンにボコボコにされる未来を想像し、戦慄する。


「絶対に近づけたくねぇ...」


アキトは炎爆の矢、雷撃の矢、緑樹の矢を束ねてデブゴブリンを狙う。


「それぞれ150,150,100万円だぞ。3倍に増えるから、1発1,200万円弾だ」


彼は気合を入れて、混合魔法の矢を放つ。


「行けえええ!!」


時間がゆっくりと流れているように感じる中、デブゴブリンに矢が命中する。デブゴブリンは一瞬、矢に耐えたように見えた。


「なッ!?」


しかし、次の瞬間、凄まじい爆発が起こった。


「ドガガガガガ!!」


炎爆と雷撃が組み合わさった矢は、デブゴブリンを中心に地面を焼き焦がしていく。大地が震え、草が燃え上がる。


爆風は、デブゴブリンのみならず、後ろにいた握力ゴブリンも、草原も、指揮官ゴブリンも焼き尽くしていった。


「やった...!」


アキトは歓喜の声を上げる。最大の脅威を排除することに成功したのだ。


「よし、残った火魔法ゴブリンも片付けて終わりだ!」


彼は意気揚々と、残敵の始末に向かうのだった。


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