「第41話 - 1000匹の集落」
アキトは『スキルのことがよく分かるスキル』を使い、1000匹の集落のスキルを探っていた。一つ一つのスキルを確認するのは非効率だと感じた彼は、スキルに話しかける。
「『スキルのことがよく分かるスキル』さん、『よく分かる』っていうことなんだから、戦闘で活躍してくるような強力なスキルの反応を濃くしてくれたりしませんかね?」
するとスキルは、アキトの期待に応えるかのように、重要なスキルを強調して見せてくれた。
「おお、してくれるんだ...」
アキトは感心しながら、集落のスキルを観察する。
「斥候みたいなスキルを持ったゴブリンがいないな。風下か風上かとかも考えたほうがいいんだろうけど、正直風の方向もわからん」
彼は苦笑しつつ、スキルの座標を確認する。どうやら、ゴブリンたちはこちらに気づいていないようで、和気あいあいとしている。
「『罠を作るスキル』もいるけど、8匹くらい反応が強いやつがいる。『脚が速くなるスキル』、『握力が強くなるスキル』、『火魔法スキル』、『5倍食べられるスキル』、『集団を統率するスキル』...こんなところか」
アキトは強力なスキルを持つゴブリンたちを確認し、戦慄する。
「さっきの普通の農民ゴブリン?ですら強かった。『火魔法スキル』を持ったゴブリンメイジも、1層のゴブリンメイジよりはるかに強いと思ったほうが良さそうだ」
彼は戦いに備え、自分のステータスを確認する。
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プレイヤーランク ★
プレイヤーレベル 5→7
次のレベルまで 38→176
累積経験値 572→772
ステータス
HP 104→106
MP 13→15
スキル
『スキルのことがよく分かるスキル』 -
『矢をたくさん打てるスキル』 ★
『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』 ★
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「2層のゴブリン、1匹で経験値5もくれたんだよな...」
アキトは戦略を練る。遠距離から一方的に攻撃するのが得策だろう。
「300メートル離れている。俺の矢だと本気で引いて、有効射程200メートルくらいだ」
彼は距離を測りながら、作戦を立てる。
「100メートル、ギリギリまで近づいて、さっきの混合魔法を3発。そのまま逃げ帰るっていうのもいいが......初めてだし、経験値稼ぎっていうことで」
アキトは烈風の矢を取り出す。それは、初めて購入した風魔法の矢だった。
購入時の店員の説明を思い出す。
「着弾時に風魔法が発動するのも特徴ですけど、風魔法が込められていることで有効射程もかなり伸びています!癖になる感覚ですよ」
彼は試しに、後ろに矢を放ってみる。烈風の矢は、風を切り裂くような音を立てて、加速し、彼の予想以上の距離を飛んでいった。
「おお...!これなら、300メートルでも余裕で届くな!」
アキトは期待に胸を膨らませる。
「さあ、戦闘開始と行くか」
彼は意を決して、集落に向きなおった。
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