「第4話 - ダンジョンへの第一歩」
アキトは冒険者への憧れを抑えきれず、ある日、思い切ってダンジョンに向かうことにした。この世界では、ダンジョンが突如出現して以来、多くの冒険者がその謎に満ちた迷宮に挑戦している。モンスターが徘徊する危険な場所ではあるが、貴重な資源やスキルオーブが眠っているとされ、冒険者たちを惹きつけてやまない。
「よし、行ってみよう!」
アキトは意を決して、最寄りのダンジョンに向かった。道中、彼は自分のスキル『スキルのことがよく分かるスキル』が、ダンジョンの探索に役立つかもしれないと考えていた。
ダンジョンの入り口に到着すると、そこには受付嬢のような女性が立っていた。アキトが中に入ろうとすると、彼女が手を上げて制止した。
「ちょっと待ってください。あなたの実力では、このダンジョンに入ることはできません」
「え?でも、自分の力を試してみたいんです!」
アキトが食い下がると、受付嬢は彼を見つめながら首を横に振った。
「無理ですよ。あなたではまだ早すぎます」
アキトは『スキルのことがよく分かるスキル』を起動して彼女のスキルを確認してみた。
『冒険者の強さを見抜くスキル』
なるほど、受付嬢は冒険者の実力を判断できるスキルを持っているようだ。テレビで見たことがあるが、ダンジョンの受付には特殊なスキルを持った人が配置されているらしい。
がっかりしながらも、アキトは諦めきれずにいた。そのとき、ふと彼の脳裏に、ダンジョンの奥からスキルの反応を感じた気がした。
「もしかして、スキルオーブの場所が分かるのかも...?」
アキトは自分の『スキルのことがよく分かるスキル』が、ダンジョン内のスキルオーブを感知しているのではないかと考えた。しかし、実力不足では中に入ることすらできない。どうにかしてダンジョンに入る方法はないだろうか。
アキトが頭を悩ませていると、受付嬢が話しかけてきた。
「初心者の方は、初心者向けダンジョンに行ってみたらどうです?ダンジョンに興味があるなら観光用のダンジョンに行くほうが楽しいですよ。装備品を整えているわけでもないみたいですし......軽い気持ちでこういうダンジョンに入っても、いいことはないですよ」
「すいません......って観光用のダンジョン?」
「ええ。モンスターもいない、安全なダンジョンの見学ツアーがあるんです。ほら、ニュースでも世界遺産に登録される見込みだなんて話も最近は」
受付嬢の言葉に、アキトは合点がいった。確かに、いきなり本物のダンジョンに挑むのは無謀だ。基礎知識を学べる観光用のダンジョンなら、自分でも行けるかもしれない。
「なるほど、そういう方法もあったんですね。教えていただいて、ありがとうございます!」
アキトは受付嬢に礼を言ってその場を立ち去った。
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