「第36話 - 冒険者の装備」
アキトは、ダンジョンストアに足を踏み入れた。彼の心は、新たな装備を手に入れる期待で満ちている。
「いらっしゃいませ!」
店員の温かい接客に、アキトは微笑む。
「矢が見たいです。あと、探索におすすめの魔道具も」
「矢ということは、ダンジョン巡りですか〜?」
店員は興味深そうに尋ねる。
「そんな感じです。楽しかったので、もっと深く探索したいなと」
アキトの言葉に、店員は頷いた。
「あー、魔法の矢をお使いで」
彼女は矢のコーナーへとアキトを案内する。
「1ランク上だと、こんな感じですよー」
店員の手にする矢は、アキトが今まで使っていたものとは一線を画していた。
「火の矢、草の矢、電気の矢の上位互換...炎の矢、蔓の矢、雷の矢か...」
アキトは感嘆の息を漏らす。これらの矢は、明らかに強力っぽい。名前からして強くなってる。
「1本40万〜ですね」
店員の言葉に、アキトは頷く。彼にとって、もはやその金額は大きな障壁ではない。
「アキバのワクワクダンジョンで好き放題できる矢となると?」
アキトが尋ねると、店員は上司に確認しに行った。
「ここのストアの一番上のクラスにはなりますが、こちらの矢ならどのゴブリンも一発ですよ」
店員が持ってきたのは、『炎爆の矢』と『雷撃の矢』だった。
「また名前がワンランク強くなった感じがするな。1本150万か...」
アキトは矢を手に取り、じっくりと観察する。
「ちなみに、これより強い矢もある?」
「ここは★1つの冒険者のためのストアなので、ないです。★が2つになったら入れるストアがあって、そちらはもっと強い武器もあるらしいですよ」
店員の説明に、アキトは頷く。冒険者ランクが上がれば、さらに強力な装備が手に入るのだ。
「道具に踊らされて、死んじゃう人もいるので...」
店員の忠告に、アキトは苦笑する。
「まあ、一通り1本ずつ買っていくか」
彼は決断する。今は装備を整えるチャンスなのだ。
「あとは魔道具か」
アキトが呟くと、店員の目が輝いた。
「おすすめは、魔導ポーチです!」
彼女が取り出したのは、小さな袋だった。
「魔石って重いじゃないですか?携帯食も持ち込みたいですし、色々ありますよね。中が1立方メートルくらいの広い空間になっていて、何でも入ります」
店員の説明に、アキトの目が見開かれる。
「お金持ちなら、ランドセルなんかにも使うらしいです」
「1つ80万か。まあ、買うか」
アキトは即決した。冒険には、こういった便利アイテムが欠かせない。
「残金30万...まあ、また稼ごうかね!」
彼は意気込みを胸に、ダンジョンストアを後にした。
外は晴れ渡っていた。アキトは深呼吸をすると、ダンジョンに向かって歩き出す。
「さて、新しい装備でどこまでいけるかな」
■続きが読みたいと思った方は
どうか『評価』【★★★★★】と『ブックマーク』を......!
ポチッとお願いします!




