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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
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「第3話 - 隠されたスキルの秘密」

 アキトは飲食店でのアルバイトを続けながら、日々、客や同僚のスキルを観察していた。『スキルのことがよく分かるスキル』のおかげで、彼は人々の隠れた能力を知ることができた。


 同じシフトで働く女子大生のサクラは、いつも多くのチップを稼いでいる。彼女の明るい笑顔と丁寧な接客は、客から高く評価されていた。


 「サクラちゃんって、可愛いからチップがいっぱい入るんだよね!」


 同僚の一人がそう言うと、サクラは謙遜しながらも嬉しそうに微笑んだ。しかし、アキトは彼女の頭上に浮かぶスキル名を見て、思わず目を見張った。


 『チップをもらいやすくなるスキル』


 なるほど、サクラがチップを多く稼げるのは、彼女の容姿だけではなく、このスキルの力も大きいようだ。アキトは人のスキルを覗き見ることに罪悪感を覚えつつも、その実態を知る喜びを隠せずにいた。


 ある日、店に冒険者の一行が訪れた。彼らは全身に鎧を纏い、武器を携えた勇猛な姿をしていた。アキトは興奮を隠せずに、冒険者たちのスキルを観察した。


 『モンスターの弱点を見抜くスキル』、『どんな攻撃でも受け止められる盾のスキル』、『仲間のHPを回復できるスキル』...


 予想通り、冒険者たちは戦闘に特化したスキルを持っていた。しかし、アキトが驚いたのは、彼らが戦闘以外にも様々なスキルを持っていることだった。


 『腐った肉も食べられるスキル』、『鈍臭くなるスキル』...


 一人の冒険者が複数のスキルを持っているのを見て、アキトは疑問を感じた。自分は一つしかスキルを授かっていないのに、どうして彼らは多くのスキルを持っているのだろう?


 仕事が一段落ついたところで、アキトはサクラに質問した。


 「ねえ、サクラちゃん。冒険者ってどうやって戦ってるのか知ってる?色んなスキルがあるって聞くけど、1つもっているだけで、ダンジョンのモンスターと戦えるとは到底思えないけどなぁ」


 「レベルアップすれば強くなるって聞くけど......あとはね、冒険者は『スキルオーブ』っていう宝物を集めて、新しいスキルを習得するんだよ」


 サクラは得意げに説明した。


 「スキルオーブ?」


 「そう!ダンジョンの奥深くに眠ってるんだって。冒険者はそれを手に入れて、自分の能力を高めていくの」


 アキトは感心しながら、サクラの話に耳を傾けた。冒険者になれば、自分も多くのスキルを手に入れられるかもしれない。


 「実は、私もスキルを持ってるんだよ」


 サクラが急に身を乗り出してきて、アキトに耳打ちした。


 「え、何のスキル?」


 「ふふっ、内緒!でも、すごく便利なスキルなんだから」


 サクラは意味ありげに笑うと、再び接客に戻っていった。アキトは彼女の言葉を思い出した。


 アキトは自分の『スキルのことがよく分かるスキル』について、誰にも話していない。人のプライバシーを覗き見ることができる能力を持っていると知られたら、どう思われるか分からないからだ。


 夕暮れ時、オレンジ色の日差しが店内を照らす中、アキトは冒険者への憧れを胸に秘めながら、黙々と働き続けた。いつか、自分も冒険者になり、多くのスキルを手に入れられる日が来るのだろうか。彼の心は、未知なる可能性に胸を躍らせていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] チップ貰ってる飲食店なんて日本じゃ風俗店位しかないんじゃないかな?
[一言] 私自信脱サラして活動してる身ではありますが、30のおっさんがいつか自分も!と言ってるのはイタいw
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