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スキルホルダーになったので、ダンジョンで無双します!  作者: よだれどり星人
1章 『スキルのことがよく分かるスキル』
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「第26話 - 混合魔法への挑戦」

 アキトはダンジョンの奥深くで、モンスターのスキルを『スキルのことがよく分かるスキル』で探っていた。彼は最近、人とモンスターの区別が注視しなくても、感覚的にわかるようになっていた。


 「なんとなくわかるようになったけど、不思議だよな...」


 アキトは首をかしげながら、ダンジョンを進んでいく。


 「思い返せば、今日はすでに数百匹のゴブリンを倒してきたな。そろそろ、違うことがしたくなってきた......」


 彼は心の中で呟く。


 「そういえば、さっきの『逃げ足が速くなるスキル』を持ったゴブリン、面白かったな。戦闘能力を強化するようなスキルを持ったゴブリンって、興味深いよな」


 アキトは『スキルのことがよく分かるスキル』に意識を集中し、ダンジョン内の同フロアにいる数万匹のゴブリンのスキルを片っ端から確認していく。


 すると、ある気配が彼の注意を引いた。


 「おっ、『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』を持ってるゴブリンがいるぞ」


 ダンジョンの中には数万匹ものゴブリンがいるが、その中でこのスキルが特に良さげに感じられた。


 アキトの矢も魔法が込められているものだ。もしかしたら、その魔法も大きくなってくれるかもしれないと思ったからだ。


 「なんでだろう...このスキルを持ったゴブリンからは、他とは違う強さというか気配を感じるんだよな」


 アキトは直感的にそう感じていた。


 「まぁ試しに行ってみるか...」


 彼は意を決して、そのゴブリンの元へ向かう。


 「結構ダンジョンの深くまで入り込まないといけないみたいだ。入口からはかなり離れてるな」


 アキトは慎重に移動しながら、ゴブリンを探し続ける。


 しばらく進むと、彼は目的のゴブリンを発見した。


 「おっ、いたぞ。なんか杖を持ってるな。ゴブリンメイジってやつなのか?」


 アキトは警戒しながら、ゴブリンメイジに近づいていく。


 そして、彼は意を決して矢を放つ。バリアの矢を3本束ね、電気の矢も3本続けて放った。


 9つのバリアが防御壁を形成しアキトを守りつつ、9本分の電撃が容赦なく襲いかかる。


 しかし、予想に反してゴブリンメイジはその攻撃を難なく防いでしまうのだった。


 「ギャアアアㇱ!」


 ゴブリンメイジは不気味な鳴き声を上げると、バリア魔法を発動させた。


 「な、なんだと...?防がれた!?」


 アキトが驚いていると、ゴブリンメイジはさらに反撃の一撃を放ってきた。


 「ファイヤーボール!?待て、でかいでかいでかい!!!」


 巨大な火球がアキトに迫る。彼はバリアがあるにも関わらず、咄嗟に体を反らして回避しようとする。


 その一撃は、アキトのバリアを数枚破り、残ったバリアにもヒビを入れるほどの威力があった。


 「くっ...全力で撤退だ!」


 彼は必死になって後退し、ゴブリンメイジとの距離を取る。全速力で駆け出し、なんとか視界から外れる位置まで逃げ切った。


 幸い、ゴブリンメイジは追ってこなかった。


 「はぁ、はぁ...危なかった...」


 アキトは安堵の息をつく。額に大粒の汗が浮かんでいる。


 「勘弁してくれよ...あんな強敵、聞いてないぜ...」


 彼は心の中で呟きながら、ゴブリンメイジを眺める。


 しかし、すぐに彼の表情が曇った。


 「おいおい、待てよ...このレベルの個体と戦って、スキルが手に入る可能性が1万分の1とか百万分の1だったら、厳しすぎるだろ。宝くじの方がよっぽど当たりそうだ」


 アキトは頭を抱えながら、『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』について考え込む。


 「欲しいんだけどな...このスキル」


 彼は頭の中に浮かぶそのスキルの気配を、にらみつけるように見つめた。


 「『スキルのことがよく分かるスキル』さん、『よくわかる』というのであれば、このスキルが入手できるかできないかくらい、わかってくれてもいいんじゃないでしょうか?」


 アキトは『魔法がチョットだけ大きくなるスキル』をじっと見続けながら、自分のスキルに問いかける。


 すると、不思議な感覚が彼を包み込んだ。


 「ん?何か...感じる...」


 アキトは目を閉じ、その感覚に集中する。すると、彼の脳裏にある情報が浮かび上がってきた。


 「獲得条件:3属性以上の混合魔法で討伐すること...?」


 彼は目を見開いて、その情報を確認する。


 「は?マジか???」


 アキトは驚きを隠せない。獲得条件がわかったことは嬉しいが、同時に混乱もしていた。


 というか無茶振りみたいなもんだったんだが、こんなこと、本当にわかっていいのか?


 「まぁいいか。それにしても混合魔法ってなんだ?」


 彼は首をかしげながら、自分の矢について考える。


 すると、ひらめきが降ってきた。


 「そうか...3本打つなら、複数の属性の矢を束ねればいいんだ。なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろう」


 アキトは自分の発想に驚いていた。


 「矢に...草と電気と火を束ねて...発射すると、もしかして...それぞれの魔法が3本ずつに分かれて、絡み合うんじゃないか...?」


 彼は興奮気味に呟く。


 「よし、やってみよう」


 アキトは慎重に、草と電気と火の矢を3本ずつ束ねる。そして、それを壁に向かって放った。


 「おおっ...!」


 矢は壁に命中し、爆発的な威力を解放した。草の魔法の効果のように壁に絡みつき、締め上げるように炎雷が踊り狂い、壁は粉々に砕け散った。


 「こういう発想、全然なかったな...単体の魔法よりもかなり強そうだ。マジか」


 アキトは感動に浸る。しかし、すぐに疑問も浮かんでくる。


 「これが混合魔法かどうかはわからないな......もしかしたら魔法学上は、合成魔法に分類されてるのかもしれないな。よくわからんけど」


 彼は頭を掻きながら、獲得条件について考える。


 「まあ、とりあえずこれで、多分相当の確率で条件は満たせそうだ」


 欲しいスキルが手に入る確率が1万分の1なんかより遥かに高いんだったら......


 「やるか...やるしかない!」


 アキトは意を決して、再びゴブリンメイジと戦うことにした。


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