「第25話 - 狩りの日常」
アキトは冒険者としての新たな日常を迎えていた。今日も彼は、アキバわくわくダンジョンでゴブリン狩りに勤しんでいる。
「よし、今日もがんばるぞ!」
彼は意気込みを胸に、ダンジョンの入り口に立つ。昨日との違いは、地図を買ったことだ。
「昨日は帰りに迷子になりかけて、かなりしんどかったからな。地図があれば、自分がどこにいるかを意識できるし、安心して探索できるぜ」
アキトは3000円で購入した地図を手に取り、満足げに頷く。
「これで、ダンジョンの構造がわかりやすくなったな」
冒険者にとって、地図は必需品だ。迷わずにダンジョンを探索できるのは、大きな利点である。
「そういえば、なんで俺は最初に地図を買わずに潜ったんだろう。そうだ、最初はすぐ帰るつもりだったんだっけ」
アキトは苦笑しながら、ダンジョンに足を踏み入れる。彼は『スキルのことがよく分かるスキル』を使って、ゴブリンの気配を探った。
「おお、今日はゴブリンの数が多いな!昨日よりもまとまっている。朝だからか?」
彼は期待に胸を躍らせる。多くのゴブリンを狩れば、それだけ多くの魔石が手に入るのだ。
「一か所にまとまっているなら、回収も移動も楽だしな。一気に倒すのが効率的だ」
アキトはニヤリと笑う。
「ホブゴブリンが2匹以上いないか、確認しておくか」
彼は慎重にスキルの内容を確かめていく。ホブゴブリンは、通常のゴブリンよりも強力だ。
「2匹以上同時に相手取るようなリスクは取りたくないからな」
アキトは警戒しながら、周囲を見渡す。
「よし、ホブゴブリンの気配はないな。いくぞ!」
彼は弓に矢をつがえると、ゴブリンの群れに突撃していく。
「てやぁ!」
アキトの放った炎の矢が、ゴブリンの群れを襲う。灼熱の炎が、ゴブリンたちを焼き尽くしていく。
「ギャアア!グギャアア!」
ゴブリンの悲鳴が、ダンジョンに木霊する。彼らは次々と灰となり、魔石だけを残して消えていった。アキトは容赦なく、矢の雨を降らせ続ける。
「よし、片付いたな」
彼は満足げに呟くと、倒したゴブリンが落とした魔石を回収していく。
「今日は結構いい収穫だな」
アキトは鞄の中の魔石を確認し、にんまりと笑う。この調子でいけば、いい金になりそうだ。
そんな時、彼は妙なスキルを持ったゴブリンの存在に気づく。
「ちょっと遠いけど、いるな。向かってみるか」
アキトは『スキルのことがよく分かるスキル』で、そのゴブリンのスキルを確認する。
「『逃げ足が速くなるスキル』...?」
彼は興味深そうに、ゴブリンを観察する。
「昨日調べた話だと、モンスターを討伐すると一定確率でスキルオーブを落とすんだよな。でも、ゴブリンのスキルって、『腐った生肉を食べられるスキル』とか『爪が鋭く固くなるスキル』とか、微妙なのが多いんだよな。ゴブリンファーストって感じで、ゴブリンにとっては必須だけど、冒険者には使えないスキルばかりだ」
アキトは首をかしげながらも、そのゴブリンに向かって歩き出す。
「まあ、『逃げ足が速くなるスキル』は、ちょっと有用そうだけどな。狩ってみるか」
彼は意を決して、ゴブリンに矢を放つ。しかし、ゴブリンは素早く矢をかわし、逃げ出していく。
「くっ、速い!」
アキトは舌打ちしながらも、すぐに次の一手を打つ。彼はバリアの矢を3つ束ねて放たれた矢は『矢をたくさん打てるスキル』の効果で増殖し、9つのバリアとなってゴブリンの逃げ道を塞いでいく。
「これで、逃げられまい!」
追い詰められたゴブリンは、恐怖に震えながらアキトを見上げる。
「おしまいだな」
アキトは冷酷に呟くと、雷の矢を放った。電撃に貫かれたゴブリンは、絶命する。
「よし、片付いた」
彼は倒れたゴブリンを見下ろす。しかし、そこにスキルオーブの姿はなかった。
「スキルオーブは落ちてないか...」
アキトは溜息をつく。スキルを持ったモンスターからは、一定確率でスキルオーブが排出されるはずだ。
「一定確率って、1万に一つから百万に一つとも言われているからな。レアなスキルだから、落とす確率が高いのかと思ったんだけどな...」
彼は肩を落としながら、魔石だけを回収する。
「遺跡で拾ったオーブは、どういうことだったんだろう...」
アキトは首をかしげる。
「このダンジョンは結構走り回っているけど、全然あんな感じで壁からスキルの気配は感じないしな。あの時は運が良かったのかもしれない」
彼は疑問を感じながらも、再び狩りを続ける決意を固める。
「まあ、いいか。狩りを続けよう」
アキトは気を取り直すと、再びゴブリン狩りに励み始めた。彼にとって、これは日常の一部なのだ。
ダンジョンの奥へと進むアキト。彼の周囲には、無数のゴブリンの姿があった。
「今日も、たっぷり稼がせてもらうぜ!」
彼は弓に矢をつがえると、再び戦闘態勢に入る。
「さあ、狩りの時間だ!」
アキトの心は、昂揚感で満たされていた。冒険者としての喜びを、彼は全身で感じているのだ。
ダンジョンに、再び魔法の光が踊る。炎、氷、草、そして電気。多彩な魔法が、ゴブリンを薙ぎ倒していく。
「はぁ、はぁ...まだまだ、いけるぜ...!」
アキトは興奮に頬を染めながら、さらなる戦果を求めて奥へと進む。
彼の冒険は、終わることを知らない。ゴブリン狩りという名の、究極の娯楽が彼を待っているのだ。
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