「第22話 - ゴブリン狩りの楽しみ」
アキトは当初の目標である10匹のゴブリン討伐を達成したが、魔法で一方的にゴブリンを倒す快感に、彼は心を躍らせていた。
「もっと、やってみたいな...」
彼は『スキルのことがよく分かるスキル』を使い、周囲のゴブリンの気配を探る。
「近くに5匹のゴブリンがいるぞ。右手の通路の先だな」
アキトは小走りでその方向に向かう。通路の先には、緑色の苔で覆われた岩が点在する広間が見える。彼は足早にその広間を横切り、ゴブリンの気配を追った。
ゴブリンがこちらに気づくのもお構いなしに、アキトは雷の矢を3本束ねて放った。
「バチバチバチッ!」
『矢をたくさん打てるスキル』の効果で9本に増えた矢によって、雷光が閃き、ゴブリンが悲鳴を上げる。次の瞬間、彼らは灰になって消え去った。
「おお、雷魔法が一番効率いいな。時間効率もいいし、倒せなかったらすぐわかる」
アキトは満足げに呟く。彼は次のゴブリンを求めて、さらに探索を続ける。
「次は...右に曲がってちょっと行ったら、3匹いるな」
彼は再び走り出す。右手の通路を曲がると、そこには狭い空間が広がっていた。アキトは次の戦術を考えながら、その空間を進んでいく。
「3匹なら、凍らせて電気で砕くのを試してみるか」
ゴブリンを発見したアキトは、まず氷の矢を放つ。矢が着弾した瞬間、ゴブリンの下半身を覆う大きさの氷塊が即座に出現する。ゴブリンたちは瞬時に凍り付き、身動きが取れなくなった。
「よし、拘束できた!」
続いて、彼は電気の矢を放つ。凍ったゴブリンに雷撃が炸裂する。
「バチバチバチッ!」
アキトは氷と電気のコンボの効果を確かめるように、ゴブリンの様子を観察している。電撃と衝撃波が、氷ごとゴブリンを粉々に砕いた。破片が辺りに飛び散る。
「電気の矢は、電熱に加えて衝撃力も大きいのか...このコンボ、いい感じだな」
アキトは手応えを感じながら、倒したゴブリンから魔石を拾っていく。
「次はどこだ...おっ、この先に6匹いるぞ」
彼は意気揚々と、ゴブリンの群れに突っ込んでいく。
「まとめて燃やしてみるか。3つつがえて、火の矢だ!」
アキトが放った火の矢は、ゴブリンの群れに炎の嵐を巻き起こす。3つまとめて放った火の矢は、9つの炎魔法となって炸裂した。炎は互いに引き合うように渦を巻き、より強力な火炎となってゴブリンを焼き尽くしていく。
「ギャアアア!!」
ゴブリンの悲鳴が、ダンジョンに木霊する。
「凄い悲鳴だ。そりゃそうか、燃やされたら苦しいもんな」
アキトは苦笑しつつ、倒れたゴブリンを確認する。4匹は灰になったが、2匹が逃げ出していた。
「くっ、逃げるのか。なら...」
彼は咄嗟に、草の矢を逃げるゴブリンに向かって放つ。草の蔓がゴブリンを捕らえ、地面に縛り付ける。
「ギギギ...!」
ゴブリンは必死に抵抗するが、草の拘束力は強力だった。やがて、ゴブリンの体が大きくねじれ、命が尽きた。
「逃げる相手には、草の矢が有効なのか...」
アキトは手応えを感じながら、倒したゴブリンから魔石を回収する。
「それぞれの矢に、使い所が見えてきたな」
彼は満足げに呟く。雷は一撃必殺、氷と雷のコンボは拘束と攻撃、火は範囲攻撃、草は逃げる相手への対処。
「うん、バリエーションが増えて楽しくなってきたぜ」
アキトの戦闘スタイルは、着実に幅を増していく。彼はゴブリン狩りに心躍らせながら、さらなる探索を続けるのだった。
ダンジョンの奥へと進むアキト。彼の周囲に、再びゴブリンの気配が迫ってくる。
「まだまだ、狩り足りないよな...」
アキトは弓に矢をつがえ、戦闘態勢に入る。
「さあ、次はどの魔法を使おうかな」
彼の瞳に、楽しげな光が宿っている。アキトにとって、ゴブリン狩りは最高の娯楽なのだ。
「よし、いくぞ!」
彼は雄叫びを上げると、再びゴブリンの群れに突撃していった。
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