「第19話 - ゴブリンの巣」
アキトは倒したゴブリンから魔石を拾い上げる。聞くところによると、1つの魔石は1,000円ほどで買い取ってくれるらしい。
「10万円もする矢を使って、収入が2000円じゃ、金持ちでもない限りやってられないな......待て、矢が増えなかったら1匹倒すのに矢が2本必要だったんじゃないか?」
彼は溜息をつく。先ほど金森から聞いた話を思い出す。これは富裕層の娯楽らしい。
「まあ実際、なかなか楽しいのは確かだけどね」
アキトは苦笑しながらも、心の中で呟く。彼には『矢をたくさん打てるスキル』があるおかげで、一本の矢が三本に分裂する。つまり、30万円分の矢を放っているのと同じなのだ。
「しかも、家で増やしてきた矢だから、実質タダみたいなもんだ」
彼は得意げに笑う。このスキルのおかげで、アキトは他の冒険者とは一線を画した戦い方ができるのだ。
「いい気分だ」
彼は満足そうに呟くと、ふとステータスを確認する。
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プレイヤーランク ★
プレイヤーレベル 1
次のレベルまで 98
累積経験値 2
ステータス
HP 100
MP 10
スキル
『スキルのことがよく分かるスキル』 -
『矢をたくさん打てるスキル』 ★
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「1匹で経験値は1だけなのか。レベルアップの効果を体験してみたいけど、100は厳しいな」
アキトは頭を掻きながら、今日の目標を決める。
「今日は10匹倒すことを目指そう。さて、次のゴブリンはどこだ?」
彼は『スキルのことがよく分かるスキル』を使い、周囲のモンスターの気配を探る。
「うーん、一番近いところだと巣になってるっぽいな。ゴブリンぽいスキルがうじゃうじゃあるぞ」
アキトは眉をひそめる。スキルの数から判断すると、30匹のゴブリンがいるようだ。
「撤退を考えるなら......最悪凍らせて逃げればいいし、行ってみるか」
彼は意を決して、ゴブリンの巣に向かう。
ゴブリンの巣に到着したアキト。彼は巣の様子を観察しながら、攻め方を考える。
「奇襲はいつだって強いよな。こちらだけ相手の存在に気づいている優位は活かしたい」
彼は頷くと、作戦を立て始めた。
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