「第17話 - 初心者ダンジョンの試練」
翌日、アキトは初心者ダンジョンに向かうことにした。ダンジョンの入り口に立つと、彼は深呼吸をする。
「よし、行くぞ...!」
意を決したアキトは、昨日もらった冒険者カードのステータスを確認した。
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プレイヤーランク ★
プレイヤーレベル 1
次のレベルまで 100
累積経験値 0
ステータス
HP 100
MP 10
スキル
『スキルのことがよく分かるスキル』 -
『矢をたくさん打てるスキル』 ★
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「冒険者カードか...ダンジョンから産出された魔道具の一つらしいな」
アキトは小さく呟く。このカードには、プレイヤーのレベルとステータス、スキルなどが表示されるという。
「ランクの判定はカードが自動でやってくれるらしい。便利だな。まぁスキルの★の数らしいけど」
彼は感心しながら、カードを眺める。聞くところによると、強いスキルを持っている人だと最初から★が複数ついているそうだ。
「まあ、『地獄の業火を呼び出すスキル』と『ファイヤーボールを出せるスキル』が同じ★かと言われるとそりゃ違う気がするけどね」
アキトは苦笑する。戦闘に関係しないスキルには星がつかないらしい。あくまで戦闘力を測定する便利グッズなのだろう。
「『矢をたくさん打てるスキル』は結構強いんじゃないかと思ったけど、★1なのか...まあ、そのあたりはどうでもいいか」
彼は肩をすくめる。むしろ、アキトがワクワクするのはステータスだ。モンスターを倒すと肉体が強化されていくらしい。そのあたりに期待が持てる。
「さて、ダンジョンに入ってみるか」
アキトは意を決して、ダンジョンの中に足を踏み入れた。最初の懸念点は、昨日戦ったゴブリンがスキルで生成されていたことだ。
「『スキルのことがよく分かるスキル』を使って、ダンジョン内のモンスターを警戒できるかな...」
彼は不安を感じながらも、先へと進む。そんな時、アキトは昨日会った金髪の美女のことを思い出した。
「あの金髪美女、名前何だったっけ...金...金森だ。金持ちみたいな名前だと思ったんだよな」
彼は苦笑しながら、金森が奇襲させたことを思い出す。
「ここのモンスター、ゴブリンらしいし、同様のことをしてくるかもしれない...大丈夫かな」
アキトは警戒しながら、ダンジョンの奥へと進んでいく。すると、彼の脳裏に何かが浮かんできた。
「あ、なんとなくわかる。これ多分ゴブリンだ」
彼は『スキルのことがよく分かるスキル』の効果を実感する。進んでいくと、戦闘中の人とゴブリンの姿が見えてきた。
「『人間をひっかきたくなるスキル』に、『人間にかぶりつきたくなるスキル』...」
アキトはモンスターのスキルを読み取る。どうやら、モンスターの位置もなんとなくわかるようだ。
「スキル無しのモンスターとか、気をつけないといけないのかな......まぁいいや油断はしないようにってくらいにしよう」
彼は思案しながら、ダンジョンの奥へと進んでいく。初心者ダンジョンとはいえ、油断は禁物だ。
「よし、奥に進んでみよう...!」
アキトは意を決して、ダンジョンの深部へと足を踏み入れた。彼の冒険は、まだ始まったばかりなのだ。
薄暗い通路を進むアキト。彼は『スキルのことがよく分かるスキル』を使いながら、慎重に周囲を観察していく。
「モンスターの気配は...あっちか」
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