「第13話 - 冒険者免許への道」
アキトは装備を揃え、いざダンジョン探索に出発しようとしたが、ふと思い立って入場方法について調べてみた。すると、ダンジョンに入るには冒険者免許が必要だということが判明した。
「実技試験と筆記試験があるのか...」
アキトは溜息をつきながらも、冒険者になるための手順を確認する。免許の難易度は運転免許程度だと書かれていたので、彼は仕事終わりに筆記試験の勉強をして週末の試験に備えることにした。
試験当日、アキトは装備を身につけ、試験会場へと向かう。入口に到着した瞬間、彼は一瞬、自分が周囲から注目を浴びているような感覚に襲われた。
「気のせいかな...?」
しかし、次の瞬間には、アキトに注意を向けていた人々はそれぞれの仕事に戻っていった。会場の周辺には、いくつかのギルドから来たらしき人々が立っており、まるで試験を受ける冒険者をスカウトしているかのようだった。
「ちょっと良いですか?」
突然、金髪短髪美女がアキトに話しかけてきた。
「私、こういう者です」
彼女は名刺を差し出し、自己紹介する。名前は金森レイナ。どうやら、中小規模のギルドのスカウトをしているようだ。
「うちのギルドは、富裕層や特定の冒険者向けの手厚い支援に定評があるんです」
美女はアキトに説明を始めた。
「ところで、なんであなたが注目されていたかわかりますか?」
アキトは首を傾げる。
「......」
「実は、スカウトに来ている人間は、戦闘力がなんらかの形でわかるスキルを持っているんです」
「へぇ...」
美女は続ける。
「あなたの戦闘力が、ここにいる人の中ではかなり高かったということですね」
「なるほど...」
アキトは合点がいったように頷く。しかし、美女の次の言葉でアキトの表情が曇る。
「彼らが興味を失ったのは、あなたが弓使いだからです」
「ほう...」
「よっぽど強力なスキルを持っていないと、弓使いは費用面での負担が大きすぎてやっていけません。最前線で弓を使っているという話はほとんど聞きませんね。金持ちの道楽装備というイメージが強いんです」
美女の言葉は、アキトの胸に重くのしかかる。彼は『矢をたくさん打てるスキル』の可能性を信じていたが、現実は厳しいのかもしれない。
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