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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

姉妹百合な姉が妹について語るだけ

作者: てまそつ

 薄情者













 私は車が嫌いだ。嫌なことを思い出してしまうから。





 私は映画館が嫌いだ。人が隣に座った時、妹が嫉妬してしまうから。





 私は友達作りができない。話しかけることさえ、妹に邪魔をされてしまうから。





 私は銭湯が嫌いだ。妹の様子に周りの人が引いてしまうから。





 私は家が好きじゃない。妹に襲われてしまうから。





 私は、妹が






━━━━━━━━━━━━━━━






 妹は昔から性的関心が高かった。


 はっきり言って性欲がとても強かった。


 私とそういう関係になってからは、ほぼ毎日するほどに。


 親に私たちの関係がバレたのも、調子に乗った妹が私を攻めすぎたのが原因だ。


 あの時の恥ずかしさと、その後の家族会議の空気を私は今も鮮明に覚えている。


 両親はあまりうるさくしないのなら、好きにしなさいと私たちの関係を認めてくれたけど、妹は「うるさくしないなんて無理」とか言って猛反対した。


 自分もガッツリ関係しているのに、私抜きで話し合いがされている疎外感、実の親に性事情を知られる恥ずかしさ。今でも思い出すと叫びたくなってしまう。


 妹のせいで私はほぼ強制的に自立させられたし、妹のせいでいつも少し寝不足だ。


 1度、夜遅くまで鳴かされて、朝早くに絶頂で起きる生活に飽き飽きして、アパートを抜け出して実家にこもったことがある。


 と言っても、一晩だけのちょっとした反抗のつもりだった。


 私が寝てる間、両親は迎えに来た妹を少し説教していたらしく、珍しく反省をしている様子だった。


 私がそう感じただけだったが。


 あの1週間を思い出したくもない。


 監視カメラ…貞操帯…うっ頭が…



 最近、妹はよく実家の仏壇に手を合わせに行く。





 当然、私も連れて行かれるのだが。





 この仏壇の前に立つといつも不思議な気分になる。






 なんとも言えない不思議な気分。








 本当は悲しくなるべき場所なのに。








 少しも涙が出そうにない。









 見て!なんて言って、










 妹が遺影に指を向ける。











 本当に、












 よく撮れている。
















































 写真に写る妹は、今日もいい笑顔だ。












 つい笑ってしまった。









 もちろん、大好きだよ。

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