偽物友情爆誕
その日の放課後自転車で俺一人をおいかけるかたちで30人くらいの見物人がぞろぞろとつづいてきた。
帰り道すごく不快で悲しくて怒りが込み上げてきた。
ぜってぇぶっとばす!って考えにはならなかった。
だって一度は友達だったんだもん。
友達は大切にしなってかあちゃんがいってたもん。
でも怒りがふつふつとわいてはらのわたがにえくりかえるのがわかった。
複雑な感情のまま俺はとしきくんと決闘することとなった。
二つ上のたかぼーとケーボーもみにきていた。
後の暴走族になる高松くんもいた。
俺は場所につくと同時に金曜ロードショーのジャッキーチェンから学んだ跳びゲリをかました。
気分はプロジェクトAのテーマだったね。
顔面の横をとらえてかすめていった俺の足がすぐになぎはらわれ、取っ組み合いになった。
顔を数回殴るととしきくんは外野からの『血がでとるぞ!』のひとことでなきだした。
俺はぼそりと言った。
『泣くならやるなや・・・こっちがなきたいわ』
どどどどういうことですのん!としきくん!
なんで泣いてるのかわからずとしきくんを放置してギャラリーもおきざりにして梓くんたちとかえることにした。
『なんで友達と喧嘩せなあかんねん』
という話を梓くんとしていた。
梓くんはいいやつすぎたのだ。
葛藤がすごかった。
感情が上昇気流と下降気流にはさまれ、不幸とランデブーしてしまっているような気分だった。
一旦かえると学校からよびだしがあり、片道45分のみちのりをまたひきかえすはめとなった。
先生たちは今回の件を学校内でおさめたいらしい、二人でなかなおりするようにとおたっしがあった。
いきさつを説明すると先生は不憫なかおをしていたのをおぼえている。
帰り道としきくんとふたりで先生はうぜえなぁと話を会わせて盛り上げておいた。なにされるかわからないので俺は怖かったのだ。
偽物の友情がうまれた日だった・・・。