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加藤良介 エッセイ集

なろう叩きの弊害について

作者: 加藤 良介

 ダブルスタンダードな内容になっておりますので、ご不快になられる方が現れると存じます。覚悟ができた人は先にお進みください。ご意見、ご感想はご自由にどうぞ。

 ではでは。スタートです。

 さて、今回は「お前が言うな」と言うべき論題に挑戦してみます。


 皆さんも「小説家になろう」の問題点を提起する動画やエッセイを、観たり読んだりしたことがあると思います。

 かくいう私も、よーつべで「一般サイコ〇ス」さんや「ゲス〇」さんなどの動画を拝聴して、なろうの問題点の考察を進め、自分なりにエッセイや作品を書いてきました。

 これ自体は、今でも悪い事だとは思っていません。

 問題に対して、批判はあって然るべきだと思うからです。

 しかしながら、なろうに参加して二年以上たった現在では、その考えにも変化が起こってきました。



 なろうの問題点の指摘、それ自体に問題は無いのですが、その行為に良い効果が全く見受けられないことが問題だと思うのです。

 分かりにくいっすね。


 (;´・ω・)。えーっと。


 誰かがある作品の問題点を指摘しました。

 それは、全くの正論で反論する余地が無かったとします。

 さて、その作品はどうなるでしょうか。

 その正論に沿って、作品の質が向上するでしょうか。

 私はしないと思います。

 問題の指摘が、問題の解決に寄与しないんですよね。



 もう一例。

 仮に大人気の脳死作品があると致します。 

 脳死ですから、突っ込みどころは満載です。

 多くの突っ込みが入ったので、作者がその突っ込みに対して手当てをしたとします。

 さて、この作品は今まで以上の人気が出るでしょうか。

 私は出ないと思います。

 良くて微増。横ばいが普通。説明臭くなると人気が低下する事すらあり得るでしょう。

 こうなると、手間が増えるだけで効果が有りませんので、作者としては無駄な労力になります。

 私が作者だったら、放置しますね。



 最大の問題点を言います。

 なろうの問題点を叩いて、それが多くの人に周知されたと致します。

 さてその結果、小説家になろうに投稿される作品の質が上がるでしょうか。

 私は上がらないと思います。

 いや、少しは上がるかもしれません。少しは。

 しかしながら、投稿される作品数が激減するでしょう。

 小説家になろうの最大の利点は「誰でも気軽に自作品の投稿が出来る」という一点に集約されます。なろう叩きはそれらに対して強烈なブレーキを掛けるでしょう。

 叩かれると分かっていて、叩かれに行く人は少数派です。



 なぜなら、脳死で作品を書いている作者のほとんどが、気軽にしか書けないからです。

 気軽に書いているのではありません。気軽にしか書けないのです。

 ここを間違えないでいただきたい。

 一行に何分もかけて熟考するなろう作者は、圧倒的に少数派です。ほとんどは、大した考えも無くペロペロっと書いているでしょう。


 作者の方ならご理解いただけると思いますが、歴史小説を書くのはとても難易度が高い作業です。

 書くためには、その時代の事を勉強しなくては書けません。

 当然勉強をします。そうするとあら不思議。全く筆が進まなくなるのです。

 織田信長の小説とか書けと言われたら、何処から手を付けたらいいのか皆目見当もつきません。

 私には不可能です。

 大河ドラマとかは凄いなぁ。「麒麟が来る」とかよくやったよ本当に。これまでの講談的信長像とは違い、学術的な研究成果を交えてお話を構成するんだもん。

 Σ(・ω・ノ)ノ!真似できねぇ。


 かくして歴史小説は調べれば調べるほど、歴史的事実が作品の構成を大きく阻害するのです。

 自分のやりたい展開に持って行くには、それらを無視するか、大きな発想の飛躍が求められます。

 当然苦しみます。

 これが、プロならいいんですよ。プロなら。

 仕事だもん。お金貰えるもん。

 ですが、なろうは無給の世界です。

 悪く言えば搾取される世界です。そんな世界で誰が命削って作品なんて書くかね。

 気軽に参加出来るから参加しているにすぎません。

 そこに、なろう叩きというハードルを入れたら、当たり前ですが多くの作者が脱落するでしょう。



 質の良い作品は、熟考しないと書けません。

 口からつらつらと名文が出てくるのは、曹植みたいな天才だけです。

 なろう作品に質を求めると、なろう全体のパイが縮小します。

 縮小しても、その中から傑作がポンポン出てくるのであれば構いません。ですがそんな事態にはならないと断言できます。

 世の中、そんなに才能ある人が埋もれているわけではありません。比較的良質な人がいるだけです。

 比較的という点が大事なのです。

 多くの有象無象と比較して良質なのです。有象無象がいないと比較できなくなり普通になります。


 大体、才能が有ったら埋もれないもん。 

 埋もれているという事実が、才能がない証明とすら言えるでしょう。

 埋もれているのは、比較的良質な作品だけです。

 過度ななろう叩きは、この比較的良質な作品群も死滅させるでしょう。

 なぜなら良質な作品数は、総投稿数に比例するからです。



 この、一見正しい事をしているように見える「なろう叩き」は、実のところ「なろう」の質の向上には一切寄与していないことが、理解できるようになりました。

 もう一度言います。

 質は一切、向上いたしません。

 数が減るだけ。


 数が減ると読者が減ります。読者が減ると運営の収益が減ります。収益が減ると小説家になろうは消滅します。消滅すると読めません。以上。


 誰が得したのかな。(。´・ω・)?

 もしかしてこれも中国やロシアの陰謀なのか。

 怖いなー。



 しかしながら、なろう叩きが完全に悪いという訳でもないのが、問題を複雑化させます。

 なろう叩きの基本スタンスは「正論」なのです。

 正論は「仰せごもっとも」としか返しようがないのです。

 脳死作品に多くの問題が内包されていることは、動かしようのない事実でもあります。

 ぶっちゃけ、日本の将来が心配になるレベルの作品も見受けられます。

 劣等感払拭のみにスポットを当てた作品は、存在していること自体が恐怖です。書く人も、それを喜んで読む人も。

 それが、不人気であれば鼻で笑って終わりですが、大人気になったり、書籍化されたり、はてはアニメ化されたりしたら、流石に一言モノ申したくなります。

 ですのでそれを指摘すること自体に、問題は無いと思うのです。

 ただ、問題のない行為が、問題を引き起こすというジレンマ。

 あっ(゜Д゜)ノ、ジレンマって英語だったらしいですね。最近知りました。ずっと日本語だと思ってた。



 なろう叩きが高度に理論武装され、説得力が増せば増すほど、なろうは衰退する。

 決して次のステップ。高みへは登らないという事です。

 人は低きに流れるとは至言です。


 

 なろうの質が向上するには、天才的な人物の登場を待つしかありません。

 他力本願ですが、それぐらいしか方法は無いでしょう。集合的無意識から全体が向上すればいいのですが、理想論に思える。

 なろうの向上を願うのであれば、批判はほどほどにすべきでしょう。

 勿論。自己の優位性を証明する為に、なろう叩きをやっている人はどうぞご自由に。

 ( ̄▽ ̄)//ダサいけどね。好きにしな。


 ああ、それと、作品への批判に対して作者が「なら、お前が書いてみろ」と言う人が、稀に見受けられますが、みっともないのでやめましょう。

 小なりとはいえ小説家だろう。プライドは無いのか、プライドは。

 小説家は紀元前の昔から存在する由緒正しい職だぞ。

 読者と同じテーブルについてどうする。お前さんは厨房にいる人間だろうが。立ち位置が違うんだよ。立ち位置が。



 結論


 「なろう叩きはほどほどにね」


 なろう叩きは用法、用量を守って適度にご利用ください。

 以上が、なろう叩きの弊害でございました。



                 終わり

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 ご意見、ご感想などございましたら、ご自由にどうぞ。基本的に返信いたしております。

 評価なとして頂けたら喜びます。


 いや本当に、どの口でほざくかと言う内容でした。

 これまで、散々なろうの問題点のエッセイを投稿して、カウンター作品まで連載している身としては、まさにダブルスタンダードなエッセイと言えるでしょう。

 でもなぁ。

 どちらも本当の事なんだよなぁ。困ったなぁ。(;´・ω・)//

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― 新着の感想 ―
「なろう叩きを許さない人」的な意見が有るけど、個人的にはそんな人が多く居る様には見えないんだよな どちらかと言うと「なろうなんて面白いと言ってる奴はさぁ〜」みたいに、とにかくなろう系と言うだけで内容の…
[一言] 作品を批判するだけなら別にいいと思うけど なろうの場合は作者や読者の人格攻撃に発展して、作品の批評じゃなくて人間の批評、つまり悪口になっているから、なんだかなぁ~って思うわ 脳死については現…
[気になる点] エッセイ読みました。 私個人が思っていただけなのですが、 元々なろう小説の良いところは、在野でもプロと遜色ない(さすがに言い過ぎかも?)書き手が、無料公開して誰でも読める場所だと感じて…
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