購買部のお仕事
購買部の仕事を請け負ったケントはそのバックヤードに案内された。
「AU会員のケントです。今日は購買部の仕事を請け負う事になりました。改めて宜しくお願い致します。」
ケントは仕事の書類を購買部のウンディーネに渡した。ウンディーネは両眼を光らせて書類に目を通した。
「今日は購買部の手伝いでいらっしゃったという事ですね。では、この仕事は初めてですか?」
「はい。初めてで何もわかりません。色々お教え頂けないでしょうか?」
「わかりました。わからない事があったらわたくしにお申し付け下さい。」
購買部のウンディーネと挨拶を済ませ、いよいよ購買部のお仕事が始まった。
購買部の軽い清掃の最中、バックヤードの外に続くドアからノックする音がしてきた。
(まさか…BBB団か…。)
ケントはBBB団の件があったのか警戒していた。ウンディーネに尋ねた。
「入口から何者かがノックしています。まさかBBB団では…?」
ウンディーネは入口で両眼を光らせてドアの向こうの人物をスキャンした。
「ご安心下さい。BBB団ではありません。」
「では一体…?」
「『水売衆』です。」
相手がBBB団でない事で安心したケントはドアを開けた。そこには台車で商品を載せた商人の男性がいた。
「こんにちは、今日はティーンの見習いが店番かい?」
「はい。それでご用件は何でしょうか?」
「いつもどおり商品の納入に参った次第です。」
ケントは水売衆の者をバックヤードに案内した。水売衆が納入した商品は『熱水器』『濾過ブロック』『デクード油』『緑のカーテンセット』『浄化用アルコール』『安眠マスク』それぞれ1ダースだった。
熱水器は1個1KG、濾過ブロックは1個500ゲルダ、デクード油は1本100グランで10ゲルダ、緑のカーテンセットは1セット500ゲルダ、浄化用アルコールは1本1Lで100ゲルダ、安眠マスクは1個50ゲルダと、計25,920ゲルダの仕入れとなった。
「それでは宜しくお願い致します。ごきげんよう。」
「ありがとうございました。」
納入を済ませた水売衆はケントとウンディーネに一礼してバックヤードを後にした。ケントは商品の陳列をした。
「すみません…、水売衆とその商品についてお尋ねしたい事があるのですが…。」
ケントはウンディーネに水売衆と自分が初めて見る商品について尋ねた。
「ごめんなさい…、プライベートの質問は仕事中はご遠慮下さいませ…。仕事に関する質問なら構いませんが…。」
「わかりました。」
ウンディーネはやんわり断り、ケントは引き下がった。
そして、客がやって来た。四人連れのパーティーだ。
「いらっしゃいませ。どれになさいますか?」
「おや、今日の店番は坊ちゃんかい?」
「はい。」
「じゃあこいつら買うぜ。」
パーティーの男性はデクード炭1Kとデクード油1本を受付のケントに持って来た。
「会員証はないでしょうか?」
「ああ、あるぜ。」
男性はケントに会員証を掲示した。
「では、デクード炭1K60ゲルダにデクード油1本20ゲルダで、80ゲルダ頂戴致します。」
「ありがとよ。」
男性はケントに80ゲルダを渡した。
「さーて、Kな依頼を済ませた後はバーベキューとしゃれこむに限るぜ。」
パーティーは結構ご機嫌だった。
そして昼が来た。
「ケント様、1Hの休憩をおとり下さい。その間わたくしが引き継ぎます。」
「はい。」
ケントはウンディーネに引継いでバックヤードで休憩をとった。昼食は併設のマミーカフェからナットウメパン1個とコップ一杯の麦茶が支給された。マストフードを使用したパンだけあって腹持ちも悪くなかった。
(この仕事…、ジジョッタならテキパキこなせそうな感じだな…。だとしたら彼女は万能かも…、いや、いつまでも彼女に頼るわけには…。)
ケントは購買部の仕事を通じてジジョッタの事を考えていた。そして自分が支えられている事に気づいた。
そして1H過ぎ、店番を引き継いだケントは閉店時間の夕方まで接客を続けた。ケントは売上金をバックヤードに持って来て、売れた商品と数量を控え、ウンディーネに確認をとった。
「いかがですか?」
「初めてにしては上出来です。それでは、最後に清掃をしましょう。」
「はい。」
ケントは購買部を清掃して仕事を終えた。
「お疲れ様。これを依頼のウンディーネにお渡し下さい。」
ウンディーネは仕事の完了の証明書をケントに渡した。
「はい、ありがとうございました。」
ケントは依頼のウンディーネに証明書を渡して、48ゲルダを受け取った。
(そうだ、水売衆に色んな商品…、と気になる事がいっぱいだったし…、受付に書庫がないか聞いてみよう。)
ケントは受付に向かった。
「書庫ですか?会員ならいつでもご利用可能です。」
「ありがとうございます。」
ケントは受付のウンディーネに会員証を掲示し、書庫に案内して貰った。
(気になる事があったら、書庫で調べるのも悪くないな…。)
ケントはワクワクした。
一方、アクアポリス最深部…。巨大な水槽で身体が水で出来た巨大なウンディーネな女性がマキュリーナと一緒にいた。
「偵察に向かったウンディーネの信号が突如途絶えました。」
「そう…、やはり危険なのね…。(ああ…、これで100KGが…。)」
マキュリーナは一体製造につき100,000ゲルダかかるウンディーネを失い少し落胆した。
「『グウレイア』、偵察に行ったウンディーネの記録を徹底的に解析して。」
一度落胆するもすぐに立ち直ったマキュリーナはグウレイアに解析を促した。
「ふふ…、わかりました。」
穏やかかつ巨大なウンディーネの姿をしたグウレイアは水のQGで、『水の女王』の異名を持つカムイである。また、彼女のクライアントのマキュリーナは『水の聖女』の異名を持つ。




