表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/236

プロローグ 

初投稿です。


拙い文章では御座いますが、楽しんで頂ければと思います。


なるべく、毎日更新を目指して、行ける所まで行ってみようかと。

(短い文章になってしまうかもしれませんが)


どうぞ、宜しくお願い致します。



※ 21/2/25 改定 (誤字・脱字、および、一部の表現が適当なものでは無かった為、追加・修正しました)

 


 ──このままだと、世界に居場所が無くなってしまう。


 ──このままだと、世界が嫌いになってしまう。


 ──このままだと、世界へ復讐してしまう。


 ――このままだと、世界を滅ぼしてしまう。


 ──このままだと、世界は無くなってしまう。


 ――このままだと、世界と離れてしまう


 ――このままだと──……



 ☆



 暮れるお日様が西の森の頭まで低くなり、辺り一帯が茜色に染まる中、今日も僕は地面に長く伸びる影と睨めっこしながら家路につく。木々の葉色が濃くなり、そろそろ森の動物たちが冬篭りに忙しくなる時期だからだろうか、段々陽が暮れるのも早くなってきていた。


 辺りに木々が点在する、人が二人横に並んで歩ける位の道幅しかない野道を歩き、村の学校から家までは歩いて30分ほど。その時間内にこの気持ちを整理し、誤魔化し、心を塗りつぶす。 家にいる母と妹を心配させない様に。



「はぁ~……」



 今の心を表している様なトボトボとした重い足取りだったが、家は確実に近くなっていた。



「そんなに、召喚士は悪いスキルなのかよ……」



 家に着く前に一度大きく溜息をついて、気持ちを切り替える。さっきまでいた学校での嫌な出来事──自分のジョブがバカにされた事──が、溜め息と一緒に出ていってほしかったが、そう上手くはいかなかった。しゃがみ込み、昨日降った雨で出来た水溜まりに顔を映すと、父さん譲りの黒髪黒目の男の子が暗い顔をしていた。頬に軽いアザが出来ていて、思った以上に酷い顔だ。



「無能、無能って、ほんとあいつらは、毎日飽きもしない……」



 所謂(いわゆる)イジメというやつだ。 最初のうちは陰口くらいだったので気にもしていなかったが、その態度が面白くなかったのだろう、日が経つにつれイジメの内容も酷くなり、彼らが暴力を振るう様になるまで、そんなに時間は掛からなかった。


「ほんと勘弁してほしいよ……」 



 溜息一つ位では気持ちを整理出来る訳も無く、道端の石を半ば八つ当たり気味に蹴っ飛ばす。勢い良く飛んだ石は草むらへと突っ込んでいき、驚いた虫が顔を出した。そんな事を繰り返しながら家の前に着いた僕は、身の回りを確認し、汚れの付いたズボンを軽く払ってから、玄関を開けた。



「——ただいま」

「あ、お(にい)、おかえり!」

「あらユウ、お帰りなさい」

「うん、サラ、母さん、ただいま」



 玄関から続く廊下の先にあるリビングから、妹のサラの元気な声と母さんののんびりした声に迎えられ、家へと入って行くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ