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鬼退治

 


 △  ユウ視点   △



 アカリがオーガと戦っているのを尻目に、僕はアーネの宿に向けて走っていた。アカリと共にあのオーガを倒して来ますと勢い良く言ったのに、今の僕は相反する行動に見える。まるでここから逃げ出す様に。

 だが、そんな事は決して無い。僕が相棒であるアカリを置いて逃げ出すなんて事は絶対にしない。仮にアカリがオーガを戦っている隙に僕だけ逃げ出し、アーネの宿に援軍を求めたとしても、あのオーガの相手が出来る人が居るとは思えないし、治癒士や薬師を連れてきたとしても犠牲者が増えるだけの様な気がする。そして何より、あのオーガが簡単に逃がしてくれるとは思えない。

 では何故、走り出したかと言うと、


(どこだ!?)


 ある物を探しているから。それが無いと右手が寂しい、という訳では無く、それが無いと、アカリの援護に、あのオーガと戦うのにどうしても必要だからだ


(どこにある!?)


 おそらくは、あのオーガの初撃、その後イーサンさんに肩を貸した時に手放したのだろう。その場所が、確かアーネの宿の方だった。


 ガキィイン!


 そんな中、金属同士が激しくぶつかり合う音が辺りに響く。見ると、アカリが身長差を物ともせず、オーガの顔目掛けて突き技を繰り出していた。その突き技は一回だけでは無く、連続して突き出されていた。


「す、凄い。いつの間にかあんな技を」


 凄まじい突き技の連続に、さすがのオーガも身を縮めて防御に徹している。


(いや、見惚れている場合じゃないなっ)


 探索を再開する。せっかくアカリがさっきからオーガの顔に集中して攻撃を仕掛けてきたのだ。それを無駄にする訳にはいかない。


「たしかこの辺だと———」

「……おい」

「!?」


 アーネの宿の裏手近く、アースドラゴンに破壊された、宿や周辺の店のがれきが落ちている場所、この辺りでオーガに襲われたのだ。視線を落とし探していると、突然声を掛けられた。


(オ、オーガか……?)


 若干声質は違うが、掛けられた低い声。その声がオーガなら僕は殺される。


(せっかくアカリが、僕が何をしているかオーガに見つからない様に、顔に攻撃していたのにっ)


 恐るおそる振り返る。そこに巨漢の姿は無く、代わりに地面に横たわる男の人が居た。


「……カール……」


 そこに居たのはカール。頭や顔から血を流し、全身ボロボロな姿で横になっている。


「……そこで何をしている、無能……」


 傷付いてボロボロになってもさすがはカール、相変わらずだ。だが、急いでいる僕は特に気にする事も無く、探し物を再開する。


「……探し物さ……」

「……おい、無能……」


 再びカールが声を掛けてくる。正直相手にする暇すら無いのに。


「……何だい……?」


 探し物をしながら、カールに応対する。カールからしてみれば御座なりな対応に映っただろう。だが、傷付き弱っていたカールは気にしていないのか、


「あのデカブツはどうした?」

「……まだ戦っているよ……」

「……そうか……」


 そこで、言葉が止まる。辛いなら休んでいれば良いのにとは言わないでおいた。

 だが、


「おい、無能……」

「……休んでいた方がいいんじゃないか、カール」


 さすがに何度も声を掛けられると、面倒臭くなってきた。急いで探さなきゃいけないのに、邪魔して欲しくない。


「……俺は守れて嬉しかったんだ、あいつを……」

「……・」


 いきなり、語りだしたカール。予想していなかった僕は少し驚いて探す手を止めてしまった。


「なのに、あんな化け物が現れやがって……。俺の力なんて何も通用しなかった……」

「……しょうがないだろ。あのオーガは強過ぎる」


 あのオーガは強過ぎる。ザファングはさておき、アースドラゴンにでさえ引けを取らないだろう。もしかするとアースドラゴンよりも強いのかもしれない。


「……無能、それでもお前は向かっていくのだろう?それはあいつの為か?」

「……あいつ?」


 カールが誰の事を言っているのか解らない。カールの質問に答えないでいると、


「……フッ、今はそんな事は良いか……」


 そして、震えながらも上体を起こすと、


「……これだろ、無能……?」

「……!」


 カールの震える手には僕の愛用の杖が握られていた。


「これであの化け物を倒せ。そして、あいつを守って、やって……」


 最後までいう事なく、カールは気絶してしまった。カールが気絶する寸前に、僕はその杖を受け取った。


(カール……)


 カールをがれきの少ない所に寝かせると、僕は杖を見る。所々汚れてはいるが、傷は無さそうだ。父さんから受け継いだ、アカリとは違う相棒の無事な姿に僕は胸を撫で下ろす。


(落としちゃってごめんよ、相棒……)


 軽く汚れを払うと、全くだ、と返された様な気がした。それを嬉しく感じると共に、気合いが入る。


(やはり、この杖が無いと駄目だな)


 グッと力を籠め、魔力を練り始める。と同時にアカリの様子を探ると、連続突きの最後に大きく突きを繰り出し、オーガと距離を取った。

 だが、その連続突きの反動か、肩を揺らしながら息をしていた。アカリの愛刀の〔姫霞〕も揺れている。

 オーガはアカリの連続突きから身を守る様に縮こまっていたかと思うと、「だぁーはっはっ!!」と高笑いをしている。

 そして、何やらアカリに話しかけながら、ゆっくりと近づいていく。その顔は全くこちらに気付いていない。


「〈世界に命じる。火を生み出し飛ばせ!〉———」


 杖の先をオーガに向ける。隙だらけだ。どこを狙っても当てられる自信はあるが……。


(決めた——)


 狙いを定めて、魔力を杖に通す。通した魔力が増大して膨らんでいく。

 そして詠唱を完成させた。


「——〈ファイアーボール〉!!!」


 魔力が魔法に昇華していく。そして杖の先に今までに無いほどの大きさの火球が生まれ、撃ち出された。大きさも今までに無い程大きければ、そのスピードも今までの比ではない程速い!

 そして、今まさにアカリに襲い掛かろうとしていたオーガの頭に直撃する!


「うわっちっちっ!!」


 構えていた巨剣を落として、頭や首元で燃える火を必死に消す。その姿は酷く滑稽に見えた。


「だ、誰だっ!? 誰が俺様の頭にっ!!」


 火を消しながらも、キョロキョロと辺りを見渡すオーガ。その視線が僕を捕らえた。


「あ、あのガキがぁぁぁ!!」


 ようやく、火を消したオーガの顔は憤怒に満ちている。その怒りを僕にぶつける様に鋭く睨み付けた。


「……言ったでしょ……」

「あぁ!! 何がだよっ!?」


 息を整えたアカリがオーガに話しかけると、その憤怒の表情をアカリにも向ける。だが、アカリは負けずにオーガを睨み返すと、刀をオーガに向け声高に宣言した。


「言ったでしょう?彼は武士だと。覚悟しなさい!あなたが嘲った彼の力を。そして人の力を!」


(よく言ったぞ、アカリ!)


 心の中でアカリを褒めながら、オーガがアカリの方を向いている内にアカリに近付いていく。だが、アカリと合流するには、どちらにせよ、オーガをやり過ごす必要がある。


(さて、どうしようか……)


 一番良いのは、別々にオーガと戦いながら、隙を見て合流する事だ。だが、オーガが簡単にそれを許してくれるとは思えない。となると、僕かアカリのどちらかが、オーガの攻撃を躱す必要がある。女の子をそんな危ない目に遭わせたくはないので、僕が頑張るかと決意していると、


「抜かしたな、テメェ! 面白れぇ! テメェ等の力とやらを見せてみやがれっ!!」


 そう吼えると、オーガは刀を落としていた巨剣を拾い上げ、突進する。狙いは、僕だ!!


(来たっ!!)


 嬉々として距離を詰めてくるオーガ。だがその行動は読み通りだ。杖を迫るオーガに向けて用意していた魔法を解き放つ。


「〈〈世界に命じる! 明かりをともせ! ライティング!!〉」


(そして———!)


 追加で魔法の準備をしている間に、杖の先に光の玉が生まれ、勢い良く飛んで行く。先ほどの〈ファイアーボール〉とは違い、その大きさや速度は以前と変わらない。


「しゃらくせぇ! ただの光の玉じゃねーかっ!」


 オーガは自分に向かってくる〈ライティング〉の玉を、巨剣で打ち払おうとするが、


 パァンッ!


「なに!? ぐわっ!?」


 巨剣で打ち消される前に自ら破裂した光の玉は、目も眩むほどの光量を辺りに撒き散らす!


(今だっ!)


 何度も使ってきた、〈ライティング〉による目眩まし。それをオーガにもぶつけ、やつの目を眩ましている隙に、アカリと合流する———。


「——なーんてな」

「ユウっ!!」

「——くっ!?」

「それはさっきのドラゴンとのやつで見てたんだよっ!俺様にそんなツマラナイもんが通じるなんて思われている事が———」


 オーガの目が残忍に光る! 口元は冷たい笑いを浮かべ、


「———気に食わねぇんだよっ!!」

「〈ファイアーボール〉!!」

「———ぬあっ!!」


 咄嗟に〈ライティング〉後に詠唱を終えていた〈ファイアーボール〉をオーガ目掛けて放つ。さすがにこれは予想外だったのか、それともさきほどの不意打ちの〈ファイアーボール〉の熱さと痛みを覚えていたのか、大げさなまでに大きく身を引いて避ける。


(今だ!)


 その隙に、こちらへと向かってきていたアカリと合流を果たした。無事アカリと合流出来た事にホッとした僕は、心配そうにこちらを見つめるアカリに、


「あいつ、なんで〈ライティング〉が効かなかったんだ!?」

「剣よ! あの剣が影になってアイツの目に光が入らなかったんだわ!」


 アカリが教えてくれた。確かに僕が〈ライティング〉を破裂させる前に、オーガは己の巨剣で光の玉を叩き壊そうとしていたっけ。


「そんな事より、ユウ———」

「ん? どうしたアカ、リ?——」


 フワッと鼻に甘い香りが広がる。気付けばアカリが僕に抱き着いてきていた。


「ア、ア、アカリ!?」

「ユウの馬鹿! 勝手に居なくなって! すごい捜したんだからねっ! すごく心配したんだからねっ!!」

「……うん、ごめん」


 僕が日乃出から元の世界から戻って来た時、そこで終わりなんだと思っていた。けれど違った。僕は居なくなって、それで終わりなんかじゃなかったんだ。それがとても嬉しく感じた。

 そして、僕の大切なこの相棒が、必死に僕を捜していてくれた事も……。


「後でちゃんと謝るよ。だから今は——」

「えぇ、解っているわ! 続きはあの鬼を倒してからね!」

「ん?オニ? オニって一体?」

「お戯れはおわったカ?お二人さんよぉ」


 見ると、オーガは剣を体の前に立てて、杖替わりの様にし、こちらの様子を窺っていた。


「人間のオスとメスが、命の危険が迫ると途端に生殖的になるって聞いた事はあるけれどよぉ?せめて俺様の前でだけは止めてくんねぇか?そういうの見ると、反吐が出るんだわ……」

「……そんなんじゃない……」

「えぇ、あなたを倒す算段を立てていただけよ。勘違いしないで」

「……それならそれでいいんだがよぉ?どうせ二人とも死ぬんだ。思い残す事が無いように、少しあっちの相手をしてても良いんだゼ?」


 俺様は優しいからよ?と、今だ意識を戻さないサラの治療を続けているエマさんと、それを護る様に二人の前で立ち塞がっていた。


「……お前をあっちに行かせる訳無いだろう?」

「そうか、やる気になってくれたんなら、それで良いんだよ。やる気の無い奴を殺しても楽しめないからよぉ? やっぱ、人間が啼いて叫びながら、絶望に打ちひしがれて死んでいくのが一番だからよぉ」

「……嫌な趣味ね……」

「そうかい?これでも魔王様はとても良い趣味だと喜んでくれたんだがなぁ。ま、価値観の違いってやつだろうよ」


 そこまで言って、オーガは立てていた巨剣を前方に構える。


「さて、だいぶ長く遊んじまったが、そろそろ終いにしようや。じゃねぇとこの村を滅ぼす様に仰った魔王様に怒られかねねぇからな」

「魔王?」


 魔王という存在を知らないアカリが疑問を口にするが、オーガは気にも留めなかった様で、


「んじゃあ、行くぜっ!!」


 ドンッ!


 弾かれた矢の様な速さで、こちらへと迫るオーガ。今まで戦ってきて、まだこれだけの速さで動けるなんて、なんてタフさだ!


「くっ!」


 僕の前に立ち、オーガの巨剣を受け止める為に体勢を低くするアカリ。そこに、


「だらぁぁぁああ!!」


 ガギィイイン!!


  オーガの振り下ろした巨剣が合わさり、耳が痛いほどの金属音が辺りに木霊する。


「くぅっ?!」


  受けたアカリの顔が苦悶に歪む。


「おらおら、どうしたぁ!弱い俺様を倒すんじゃ無かったのか、よぉ!!」

「くあっ!?」


  オーガが力を込め押し込んでいく。アカリも負けずに跳ね返そうとするが、力勝負では最初から勝負にならない。徐々にアカリの体が折れ曲がっていく。そのまま、アカリの体を押し潰す———


「〈世界に命じる!風を生み出せ!ウィンド!!〉


 そんな事はさせないと、僕の魔法で生み出した風の塊がオーガの頭を捉える。

 が、不自由な左手でそれを弾くと、こちらをギロリと睨み、


「ちぃっとばかり待っていなよ。この刀の嬢ちゃんを殺った後に、ゆっくり遊んでやるからよぉ?」

「——させないわよっ!」

「おっと!?」


 脇見をした瞬間を逃さず、わざと刀を引いて体を反らし、オーガの巨剣の圧から逃げ出した。そこから器用に体を回転させると、がら空きのオーガの左脇腹目掛け、薙ぎ切る。


「———残念」


 だが、オーガはアカリを切り潰そうとしていた巨剣を咄嗟に左側に持っていくと立て掛けるようにして、アカリの薙ぎ払いを防ぐ。右手でしかその巨剣を扱っていないのに、とても器用な事をする。このオーガは僕たちが思っている以上に戦い慣れしている!


「くっ!」


 薙ぎ払いを防がれたアカリは後方に居る僕の方まで後退してきた。


「あの鬼、かなりの手練れね。片手でもあの巨剣を完全に使いこなしているわ」

「そうだね。色々な戦いを経験しているのだろう。だからこそ、片手が使えなくなっても慌てる様子も無く戦える」

「おいおい、今さら俺様を褒め称えたところで、お前らが死ぬ事は確定事項だぜぇ?」


   褒めていないのに照れているオーガを尻目に、僕はアカリに問い掛ける。


「勝てそう?」

「……今のままではじり貧ね。その内私たちの体力が無くなって殺されるでしょう。だけど……」

「何か手はあるのか?」

「そこまではっきりとは言えないんだけどね。ところでユウ、一つ聞きたいんだけど」

「何だい?」

「……前にあなたが言っていた魔力だったかしら。それはこの世界の常識なのよね?」

「そうだけど?」

「……そう」


 言ってアカリは目を伏せ、手を握ったり開いたりしている。


「どうして、そんな事を?———まさか?」

「……えぇ、何となくだけど解る。今までに無い感覚というか、意識というか……。そんなものが私の中に在るのが解るの。たぶんこれがあなたの言っていた魔力というやつね」



「それはすごい!前は【忌み子】にならなければ、魔力を感じなかったんだよね?」

「えぇ。でも今は普通に感じられるわ」

「じゃあ、【忌み子】になったら、もっと魔力が引き出せるかも!?」

「……それは無理そう。今でもこの不思議な力に戸惑っているのだもの。もし【忌み子】にでもなったら、最悪この力に飲み込まれてしまうわ……」


 そこで伏せていた目を開いて僕を見つめる。


「まだこの感覚に慣れないの。でももう少しで慣れそう——」

「待って、アカリ!」

「!? な、何よ、いきなり?!」


 ガシッとアカリの肩を掴む。焦るアカリの顔が一瞬で赤くなった。うん、日乃出の時と同じ反応だな。


「魔力を感じるって事だよね?! なら、アカリに試して欲しい事があるんだ!」

「な、な、何よ!?」


 そして、僕は思い付いた事をアカリに耳打ちする。それを聞いたアカリはなんとも言い難い顔をした後に、


「——解った、やってみる。上手くいかなくても怒らないでよね!」

「僕がアカリに怒った事なんて無いだろ?」

「どうだか?」


 最後に軽口を言い合い、オーガを睨む。


「内緒話は終わったかなぁ?」


 ニヤニヤしながら近づいてくるオーガに、


「えぇ。待っててくれたみたいだけれど?」

「さっきも言ったろ?俺様は優しいってよ 。殺る時もなるべく五体満足でやるんだぜ? ま、お前ら人間は手足をもぐと血が足らなくなってすぐ死んじまうから、俺様が楽しめねぇんだよなぁ」


 全く、少しは我慢しろってんだと、自分勝手な事を言っている。


「——んで? 俺様を愉しませる算段は付いたのかナ?」

「……それは無いわね。あなたを倒す算段なら付いたけれど」

「がっはっはっ! そいつは結構! なら、俺様を満足させて——」


 ニヤリと不敵に嗤うと、地面に刺してあった巨剣を抜き、肩に担いだ。


「——死んでいきなぁ!!」


 突進してくる! だが、


「〈世界に命じる!火を生み出し飛ばせ!ファイアボール!!〉」


 今までと違い、迫るオーガの前に立つと、僕は〈ファイアーボール〉を放つ。込めた魔力よりも大きな火の玉は、オーガの頭に向けて飛んで行く。


「しゃらくせぇ!」


 オーガは巨剣を目の前にかざし、火の玉を防ぐ。巨剣に当たった火の玉は、燃え広がる事無くあっさりと消え去った。


「今さらそんなのが効くかよぉ!——」

「——はぁぁああ!!」


 オーガが、僕の〈ファイアーボール〉にケチをつけようとした時、その火の玉に隠れる様にしてオーガに接近していたアカリが、刀をオーガの頭目掛けて振り下ろす!


「おぉ!?」


 突然目の前に現れたアカリに驚いた声を上げるも、目の前にかざしていた巨剣を頭上に掲げる事によって難なく対応するオーガ。


「良い連携だけどもよぉ?前に何度も見た事が有るんだわ」


 そして、巨剣を持つ右腕にグッと力を入れると、


「だから、そんなモン効かねぇな!!」

「———〈自分に命じる〉」


 耳に届く、凛とした声。


「——あ?」

「〈身体強化よ〉——」


 そして続く力強い言葉——


「〈エンチャントケルパー〉!!〉」


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