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屋上でのハプニング(命の危険的な意味で)
中3の夏休み、私は1人で屋上でお弁当を食べていた。
フェンスに寄りかかって、だらしなーくゆったりとこの時間を楽しんでいた。
だから、警戒などしていなかったのだろう。
ボロボロになっていたフェンスのことなど。
まさか、フェンスが寄りかかったら破れてしまうくらいボロボロだなんて。
それも、そこに空いた穴から私が落ちてしまうなんて。
誰も、思っていなかっただろう。
もちろん、私も思っていなかった。
だが、落ちている時も私は意外に冷静だった。
弁当と一緒に落ちていっている私のことを考えて、事実は小説よりも奇なり、とは、よく言ったものだな、なんて、思えるほどには。
まあ、冷静だとしても、もう、私は死んでしまうわけで。
弁当は全部食べちゃいたかったな、まだ結構残ってたのに、なんて、考えながら、私は死んでしまったのでした。
弁当と一緒に。
その後、この事が話題になり、いつしかこの学園の七不思議の一つ、『屋上のボッチ飯少女』と言う、不名誉な名前で呼ばれるようになったことを彼女は知りません。