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79話 従属

「猫まっしぐら様、我ら三名、貴方様にこの命を捧げます」


 マナフェアスから守護天使のマスターを譲渡され、三人の部屋に行くと、三人は跪いて頭をたれた。

 うん。なんかこういうのって慣れてないから照れるね。

 ちなみに譲渡はやはりザンダグロムの時と同じで魔道具で精神操作して、無理矢理譲渡させた形である。

 我ながらやることがエゲツないと思うが、それだけの事をマナフェアスはしてしまっているのだから仕方ない。


「ああ、うん。宜しく。

 そんな無理な命令はするつもりはないけど――ああでも

 人間領の問題が解決するまではちょっとこき使うことになるかもしれないけど宜しく頼む」


「はっ!!」


 同時に頷く三人。もう息ぴったりにかしこまっている。

 うん。なんていうか、こういうの慣れない。

 すごいくすぐったいっていうか何というか。



 体育会系苦手なんだよ。



「えーっと、あと、三人とももうちょっとフレンドリーにというか……

 こういう主従っぽいのちょっと苦手なんだけど……」


 私が言うと三人は顔を見合わせて


「そう言われましても猫まっしぐら様、主に対してフレンドリーというわけにはいきません」

 

 と、ファルティナ。


「ですが主がお望みとあれば、望みに従うのが守護天使たる私達の任務では?」

 

 と、レイスリーネ。

 

「主の望みのままに。しかしどの程度をお望みなのでしょうか?」


 と、アルファー。


「うーん。まぁ、コロネくらいになってくれると嬉しかな?」


 と、私がコロネを見やれば


「と、言うことは、あれですか!?猫様を崇拝する私と同じと言うことは!!

 三人も猫様を崇拝するようにとのことでしょうか!?」


 目を輝かせ言うコロネ。


 やや引いた視線で私を視る三人。





 うん。ダメだ。


 なんでよりによってこういう大事な時にダメな方なコロネになるかな。

 私は祷りを捧げるコロネにそのままデコピンを食らわすのだった。



 ▲△▲△▲△▲


「なるほど……コロネ様もシステムのせいであのように……」


「先ほど私たちを尋問する時と大分雰囲気が違うと思いましたが

 システムのせいでしたか」


「他人事ではありませんね」


 ファルテナ、レイスリーネ、アルファーがコロネが変態の理由を説明をすると各々感想をもらす。


「うん。まぁエルフ領を出てから変態具合が加速してるからあまりあれは参考にならない」


 と、私がコロネに視線を向ければ、リリと一緒になぜかアルファーに同情されて、もらったおせんべいを一緒に食べていた。

 そのまま放っておいたら、こたつをもち出してお茶を飲んでいそうな勢いだ。

 うん。ヤバイ。ダメさ具合が加速しっぱなしなんだけど。


 にしても、戦力やばいな。

 守護天使のレベルは、守護天使のマスターのレベルがそのまま適用される。

 つまり私のレベルが913なので3人もそのままレベルが913になったわけで。

 もう、魔王以外には負ける気がしない。


 まず一人目は、守護天使ファルティナ。

 青髪のまるでヴァルキュリーを思わせる青い甲冑に身を包んだ女戦士だ。

 私たちパーティーに足りなかった回復魔法を主として使える。

 おっとり系の美女。


 次は守護天使レイスリーネ。

 長い赤髪の赤い甲冑に身を包んだ火を司る女性の守護天使だ。

 主に得意なのは槍だが、高火力の炎系のワザも使える。火力は3人の中で一番あるらしい。

 羽も独特で、まるで燃え上がったような綺麗な赤い羽をしている。

 気の強そうな凛とした美人さん。


 最後は守護天使アルファー。

 聖騎士を思わせる白い甲冑を身に付けた守護天使。金髪短髪のイケメン。

 剣技が3人の中で一番で、ある程度の回復と攻撃魔法が使え、復活の呪文も使えるらしい。


 おおー復活系使えるのが二人も仲間になるとか、これでコロネはいつ死んでも大丈夫だ!

 いや、一応復活できる時間に制限があるから大丈夫ではないけど。


 とりあえずアルファーかファルティナのどちらかはコロネにつけておいたほうがいいのかもしれない。

 なんか誘拐されそうなイメージがあるし。


 ……うん。何故かリリは心配されず、コロネばかり死んでもいいようにと準備がされてるのは普段の行いのせいだと思う。


 ……にしても、ファルティナとアルファーどっちをコロネにつけよう?

 やっぱり回復が手厚いファルティナかな?


 清楚系美人だし、コロネも黙っていれば美形だし二人で並んでたら結構いい絵になりそうだ……うん。

 なぜか二人がいちゃついている姿を想像してしまい、私は迷うことなくアルファーの方に決めるのだった。


 ……うん。別に嫉妬とかじゃないはずだ。

 嫉妬なんかじゃない。嫉妬なんかじゃない。

 リュートの恋仲とかいう言葉が頭に浮かぶが私はぶるぶる頭をふるのだった。



 ▲△▲△▲△▲


 結局、ファルティナとレイスリーネに死霊都市の方に向かってもらうことになった。

 リリもコロネも特に反対はしなかったし。


「ねね、ファルティナとレイスリーネ、念話繋いでおいたほうがいいの?」


 これから別行動になることを予期してか、リリが私に聞いてくる。


「うーん。そうだな。連絡とれる手段はないとな。

 ファルティナとレイスリーネはギルドチャット使えないんだっけ?」


 私の質問に二人は顔を見合わせて


「はい。使えないようです」


 と、答える。

 なんでもギルド関連は一部バグで使えない部分もあるらしい。

 私も一回コロネ達を入れようとしたら入れられなかったんだよね。

 何でバグっているんだろう?


「じゃあ、念話はつないだままにしておこう。もし、何か緊急事態があれば知らせてくれ」


 私の言葉に3人は頷くのだった。

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