閑話1:VRMMO時代 カンナちゃんとの出会い編 7
「おっしゃぁぁぁぁぁぁ!!」
私はあれから徹夜で、魔法の練習をし、なんとか穴が掘れるまでに上達した。
ナパムの葉を売りつつ、魔法の練習を繰り返したのだ。所持金も26512Gになった。
ちょっと無駄使いとかしたけど。
ふふふ。落とし穴がどこにでも掘れるようになったのは地味にでかい。
これで穴に突き落としたあと、投石などして、安全に倒せるようになったのだから。
チキンな私にはぴったりだ。
てかもう朝の4時だよ。流石に一度仮眠しとかないとやばいよな。
カンナちゃんは9時頃ログインするって言ってたから、8時まで寝ようかな。
ナパムの葉がもったいないけど。
まぁ、睡眠はとらないとね。睡眠は。
私はこうして一度ログアウトするのだった。
△▲△
「残念です。もうナパムの葉生えてませんね」
あれから5日間。私たちは何時ものごとく牛を狩り、ナパムの葉を採取し、商店を売るを繰り返していた。
levelももう10になり、お金もかなり貯まった。
うん。いきなりナパムの葉の生息地見つけるとか運がよかったよね。
所持金10万G超えたわ。カンナちゃんも8万G貯まったらしい。
「よっし、そろそろ牛じゃあ、経験値きつくなってきたし、次の狩場行ってみようか」
「次の狩場ですか?」
「そうそう。スライムがlevel10だったはずだからコラン高原あたりに行きたいかな」
「でも牛さんみたいに壁に激突してくれますかね?」
「流石にそれは無理かな。だから落とし穴をつくろう」
「落とし穴ですか?」
「そう、落とし穴」
言って私は微笑むのだった。
△▲△
スライムはとってもぷにぷにしてた。
石を投げてこちらにターゲットを引きつければ、プニプニと身体を震わせ追いかけてくる。
いや、これ可愛い。
私はなんどもそれを繰り返し、大量にスライムをおびき寄せ、落とし穴の位置に全員をひきつけると、トラップを発動させる。
『トラップ発動!!』
言葉とともに私が魔法で作った落とし穴に真っ逆さまに落ちていく、スライム達。
ちなみにこの落とし穴、モンスター以外は落ちることはない。
プレイヤー達は落とし穴の上をすたすた歩けるのだ。
うん、このゲーム妙にリアルな所とそうでないところの差が酷すぎない?
まぁ、そのおかげで助かってはいるのだが。
ぷよぷよと落とし穴のなかで蠢くスライム達を覗き込み
「わー、すごいですね!いっぱいいます!」
と、カンナちゃんが感嘆の声をもらす。
そしてふと考えて……
「……でもこれどうやって倒すんですか?」
と、疑問符を浮かべた。
確かに、これを私とカンナちゃんの攻撃スキルが魔法と投石しかない状態で倒すのはかなりの時間がかかってしまう。
だが、私には秘策があった。
カンナちゃんの前でドヤ顔するために練習した秘策が。
「まぁ、見てて」
言って、私はアレンジを加えた呪文をときはなつ
『土霊弾』
アレンジを加え、超巨大化した、土の塊が、スライムに向かってボトリと落下していく。
本来「土霊弾」は小さな石の塊が、物凄い勢いで、敵にぶつかっていく魔法である。
私はその石の塊をアレンジで恐ろしく大きくしたのだ。
だが、大きくすればもちろん飛ばすのが難しいわけで。
私の作った石の塊はそのまま飛ぶ事なくボトリと落とし穴の中に落下していった。
ベチャリ。
トマトが潰れるような音を立てて穴に閉じ込められていたスライムが石の塊の下敷きになって倒されていく。
ふふふ。これなら魔法一回分+MP2のMPで大量に敵を倒せるよ!
やべぇ、アテナサーバー面白い。
何故こんな自由度高いのに人がいないのか不思議である。
「すごいですねっ!あんなにいたのにもう倒せちゃいました!」
と、思った通り褒めてくれるカンナちゃん。やばいこの子、マジ素直。可愛い。
ふっふっふ。褒めてもらうために頑張ったからね!
こうして二人でスライムを倒せば、何故かスライムなのに上質な布が手に入る。
「わぁ、すごい。布まで手に入るんですね。
あとで裁縫スキル上げるのに使ってみます!」
「んー。じゃあ自分が敵を倒すからその間に、カンナちゃん裁縫しててくれればいい。
牛から出た皮も大量にあるし」
「え!?流石にそれは……寄生になちゃいますし。申し訳ないです」
「気にしなくていいですよ。もちろん下心はありますから」
私が笑を浮かべると、カンナちゃんは小首をかしげた。
「下心……ですか?」
「もちろん。
アテナサーバーは服を作るにも型紙から一から作らないといけない。
逆に、ガイアサーバーのように既存の洋服の中から選択してではなく、好きな服を作れるって事になる。
オーダーメイドにすれば、金持ち廃人ならぼったくり価格だって注文してくるでしょう!
むしろボッタクリ価格の方がプレミア感ついていいかと。
熟練度あげれば絶対売れます!素材担当が自分で制作担当がカンナちゃんで二人で儲けましょう!」
と、キラーンと私。
そう、私も実はカンナちゃんからの手作り洋服を一着頂いたのだが、恐ろしく完成度が高い。
流石リアルで趣味だったただけはある。
熟練度80になれば、魔宝石を二つセットできるアバターが作れるから、オリジナルアバターとして売り出せば、絶対儲かる事は間違いない!
このゲーム、アテナサーバーで生産をやっていける人はほぼいないため、裁縫を上げている人もそうそういないっぽいし。
いたとしても、一人が作れる服の量などたかが知れている。
それほど人数はいないから、ガイアサーバーの小金持ち相手なら十分商売はなりたつはずだ。
そんなことを言って、熟練度80になる前にカンナちゃんがゲームをやめてしまうことだってあるかもしれないが、それはそれで仕方ない。
そもそもこうでも言っておかないと、カンナちゃんは譲らないだろうし。
まぁ、世の中寄生は許さないだのなんだの五月蝿い人もいるのは確かだが……。
私は気に入った相手なら寄生も大歓迎だしね。(面倒みたいセンサーが働いた人のみ)
先行投資は何事も必要だよ。とくにこういうガチすぎるゲームでは。
「でも……」
「自分もオリジナルアバター欲しいし!是非に!」
私が言うと、カンナちゃんはうーんと悩み
「はい!わかりました!」
と、にっこり微笑むのだった。








