131話 知の神レジーナ
次の日。一晩ぐっすり休んで起きてリリと一緒に食堂にいってみれば何故か魔道具とにらめっこしているコロネがいた。
どうやらあれから寝ていなかったらしく大分疲れた様子でもある。
「なんだよ。コロネ寝なかったのか?」
私が問えば
「……はい。また寝てしまうと記憶が消されていないか心配で……。
念のため忘れたくない記憶の全てを魔道具にコピーしてはみたのですが。
リリ様と猫様が忘れていないか確認してから休もうかと………」
ああ、前そういえばあったなそんな事。
て、だから起きてたのか。マメというか何というか。
「私は忘れてないけどリリはどうだ?」
「リリも覚えてる!」
元気いっぱいリリが言うと「それはよかったです」とコロネは微笑んで、そのまま机につっぷすのだった。
うん。ちゃんと寝ればよかったのに……。
▲△▲
「申し訳ありませんでした」
次の日。コロネもよく寝て体調を万全にしてから3人の守護天使の石化を解いた。
一応守護天使を一人ずつ石化から解けば、全員平謝りしてきた。
うん。操られていた記憶はあるらしい。
とりあえず土下座しそうな3人をなだめて、リリに操られてないか確認してもらい魔道具を外してから鎖を外す。
アルファーはコロネが。
ファルティナとレイスリーネは女に戻った私が鑑定しまくった。
もう魔道具はついていないはずだ。
どうにもナスターシャが何か細工をしていたようで、通常状態では見えなくなっていたのだ。
ナスターシャが倒れたいまだから探せたのだろう。
「あー、仕方ないだろ。魔道具で操られてただけだし。
にしても守護天使が操れたってことは魔王がつくった魔道具だったのかな」
「いえ、おそらく女神でしょう。
魔王が作成していたのならセファロウス戦で操れたはずですから」
「なるほど。にしても、異界の女神だの話が壮大になってきたなぁ。
正直自分には荷が重すぎるんだけど、あそこで寝ている神様達が復活さえしてくれれば、いいのに」
「……そのことなのですが、猫様。一つだけ気になる事が」
私が言えば、コロネが真面目な顔でこちらを見やる。
「気になる事?」
「はい。封じられていた神々なのですが……本来神々は32柱います。
ですがあそこに封じられていた神々は31柱でした」
「つまり一人足りないと?」
コロネの言葉に私が問えばコロネが頷いて
「知の神レジーナ様の水晶はありませんでした。
もしかしたら別の場所に保管されていたか視界に入らない位置にあったのかもしれませんが」
「……でももし、本当にあの中になかったのだとしたら、この世界をこんな状態にしたのは……」
「もしかしたらレジーナ様なのかもしれません」
「では、レジーナ様の行方さえ解れば現状が認識できるかもしれませんね」
と、ファルティナ。
「確かに、知の神!とか言うくらいだからゲーム化とかいろいろ出来ちゃいそうな名前だよな。
でも、知の神を探すってしてもどこにいるか見当もつかんし」
私が考え込めば、
「ゲーム化以前の話ならば、巫女ならば神の住まう神殿で祈りを捧げれば、やり取りできたと聞きますが」
コロネが答える。
「んじゃ、ダメ元で巫女さん連れて神殿に行ってみるか?」
私が言えば、その場にいた皆が頷いた。
現状出来ることといえばそれくらいしかないのだが……
「師匠っ!!大変ですっ!!」
唐突に食堂に慌てた様子のリュートが入ってくる。
「どうかしましたか?」
コロネが聞けば
「聖都市グレンダークが一夜にして滅びました!!!」
リュートの言葉に、私たちは固まるのだった。
 










