表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

百合豚の悲劇

百合、それ女の子同士の恋愛を意味する。

それは繊細で、時に儚くも美しいものなのである。



私はそんな百合が大好きだ。

そう、私は自他ともに認める「百合豚」である。



百合であるのなら、アニメ、漫画、ゲーム・・・何でも見るし何でもやる。



一つ勘違いしてほしくないのは、私は決してレズビアンではないということ。


貴方は、猫が好きだからといって猫と結婚する?

つまりはそういうことである、私の百合好きは完全に趣味なのだ。



この百合好きは、小学校6年生から始まった。

そして、現在24歳になるまでその趣味は続いている。


百合豚歴12年間である。かなり年期が入っていると言えるだろう。

今は社会人として生活しながら、百合ん百合んする女の子達を愛でているのだ。






そんな中、私がやった唯一の乙女ゲーム「紅き欠片のカンタービレ」。通称「紅カン」






これは、私の数少ないオタク友達の夢女子から教えてもらったゲームである。


最初は嫌々だった。なぜなら私は男にきゅんきゅんしないからだ。

しかし、男がいっぱいの典型的な乙女ゲームだろうと思っていたがそうではなかった。



女子キャラの設定が細かく、大変妄想しがいのあるゲームだったのだ。



もちろん最終的には王子様やら、弟くんやらとくっつくのだが、

そのシナリオをやっている途中に、魅力的な女性キャラが何人も居た。



例えばこの作品の悪役令嬢もその一人だ。



悪役令嬢であるシャーロットは、自国の王子と許嫁だった。

しかし、急に出てきた主人公に王子をとられ、数々の嫌がらせをする。




その時の様子がたまらなく、“萌え”なのだ。




主人公に嫌がらせをするシャーロットだが、ドジ属性のせいでことごとく失敗してしまう。

悔しくて喚いているシャーロットに主人公は、優しく手を差し伸べるのだ。



その時のシャーロットのスチルがほんっとうに可愛い。

先ほどまで悪役顔だったシャーロットが、少し涙目で主人公の手を借りている悪役令嬢らしからぬスチル。





最高かよ。





というか、乙女ゲームなのにこんなに悪役を可愛いく描いていいの?と疑問に思ったほどだった。

もういっそ、主人公とシャーロットがくっつけよ、とも思った。



そしてついうっかり乙女ゲーム、もとい主人公×シャーロットにはまってしまった私は、

気がつけば同人作家になっていた。



乙女ゲーム原作の作品で百合の二次創作物はほとんどない。

だからこそ、自足時給に走ったのだ。

私は供給が少ないながらも、主シャロという萌えのおかげで、日々楽しい生活を送っていた。







そんな時だった。





「紅カン」オンリーイベントからの帰り道、私は信号無視してきたトラックに敷かれてしまった。



何て不運、何て運命。

こんなことなら、うざいと思われても「主シャロ」をみんなに布教しとくべきだった・・・。

ああ、そういえば紅カン2もまだ途中までしかやってない・・・。

シャーロットの美しいスチルまだコンプしてないのに。





私はそんなことを考えながら、トラック敷かれ死んでいった。






身体中に痛みが広がり、自分の死を確信した。








「バイバイ、私の百合豚ライフ・・・・」






百合が好きだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ