<受賞><トランスジェンダーセックスカオス>
勝手な想像で、いつも書いていて、申し訳ないです。誰かを傷つけることは極力したくなくて、むしろ誰かの苦しみや悲しみや怒りに共感できたら、と思っているのですが、逆のことをしていたら申し訳ないです。
<受賞>
「えーカナちゃんナントカ賞受賞したのー?!すごーい!おめでとー!!」
「やっぱりねー、カナちゃんって、なんかこう、変わってたもんね。」
中学の友達や、大学の先輩が、
「へー、すげー。」
急に、私を認めてくれる。
「カナちゃんってやっぱりすごい人だったんだね!」
「あ、はは。」
やっぱり、すごい人だったんだね!
やっぱり、
すごい人、
だったんだね!
なんだろう、このチクチク感。
嬉しい、嬉しい、のに、
素直に喜べない、あたしが悪いの?
「ナントカ賞受賞!」
「ナントカ賞受賞作品!」
「ナントカ賞受賞者!」
「えーリョウくんホンチャラ賞受賞したの?すごーい!」
「おめでとー!やっぱりなー、リョウくんは持ってると思ってたんだー!」
「えー?そうかな。」
「そうだよー!やっぱりねー。」
「やっぱりねー。」
「ホンチャラ賞受賞!」
「本チャラ賞受賞作品!」
「ホンチャラ賞受賞者!」
私って…、
僕って…、
なに?!!
<トランスジェンダーセックスカオス>
「えーシュンちゃん男のくせに気持ちわるーい。」
「もっとシャキッとしなさいよ、シャキッと!」
「あ、ははは。」
傷つける人はいつも傷つけていて、傷つく人はいつも傷ついている。
「あのね、人は傷つけもするし、傷つきもするのよ。私だって傷ついたり悩んだりするわよ。」
言い直そう。
傷つける人は薙刀を振り回しながら手の甲の切り傷について騒いでいて、傷つく人はぱっくり割れた胸からだらだら流れる血を自分で止血している。
「だからモテないのよ。」
「キモい、まじこっちこないでっ、触んないで〜。」
「あはは、キッモ。」
言いたい。言いたい言いたい言いたい言いたい。
ああ、そうだ。そうだよ、俺は、男じゃない。
僕は、
私は、
女の子だ。
生まれてきた自分が悪い?
「そうやって、ヘラヘラして。笑い方に品がないのよ。」
「そうよ、シュンちゃん、彼女できないよ?」
いらない、いらないよ、彼女なんて。
笑い方?
小さい頃から傷つけられ続けてきて、どうにかこうにか、自分を守るためにはこの方法しかなかったから、身につけた笑い。
死ね。
死ね。
てめーら全員、死ね。
ババアども。
てめーらのエゴイズムは殺人の凶器だぞ。
死ね。
そう思いながら、笑っている、この僕の何がいけないんですか?
僕がいけないんですか?
生まれてきた僕がいけないんですか?
「あ、のさ…、」
「え?」
「旬くんさ、あたしのこと、なんかちょっと変な目で見てるよね。」
「えっ?」
「なに?ちょっと正直、気持ち悪いっていうか。こんなによくしてあげたのにさ、まじちょっともう無理っていうか。」
ヒ、ヒヨリちゃん?
「ごめん、ちょっと、無理だわ。もう、連絡してこないでほしい。ごめん。」
「えっ?ヒヨリちゃん?えっ?えっ?」
なに?何が?変な目?って何?俺は女だよ?女のヒヨリちゃんを、変な目で見るわけないじゃん、ただ私は、友達として仲良くしたかっただけだよ?なんで、なんで。
こんなによくしてあげたのにさ。
って、何?
最初から、そういうつもりで…?慈善活動だったの…?
ひどい。
ひどいよ…。
どうしていつも、誰も話を聞いてくれないの?
どうして私は、生まれてきたの?
世界が今日、終わればいいのに。
「シュンちゃん、最近来なくなったね。」
「ほんと、どうしたんだろう?」
「えー、なんか意気地なしだったからなー。諦めたんじゃないの?」
「まあ、仕方ないよね、あれじゃあ。何をやってもきっと、こうやってすぐ諦めちゃうんだろうね。」
「そうだねえ、何か、もっとちゃんと頑張れるものを見つけられるといいねえ。」
「あ、ところでさあ、あの映画見た?えーっと、なんだっけ、」
「パパ、同性愛って、犯罪なの?」
「そうだよ、聖書に反する。」
「へえ?」
「本当は異性を愛することもできるのに、興味本位で同性を愛してるような気になってるんだよ、汚らわしい。神様は、男と女が愛し合うために、男と女を作ったんだから。男と男が愛し合っていいはずがない。神への冒涜だ。もっとも悪質な犯罪だ。」
「ふうん。」
同性愛者は神の前に有罪ですか。
じゃあ神はなぜ、僕をこの世に産んだのですか。
生まれてきたくなかった。
生まれてきたくなかった。
時間を巻き戻して、精子と卵子が出会わなければ。
女を愛せればよかったのに。
犯罪者になりたかったわけじゃない。
この世に生まれた瞬間から、僕は死刑囚でした。
「尻軽じゃん。」
「あはは、便利だねー、誰でもいいんだ。」
トランスジェンダーじゃありません。ゲイでもレズビアンでもありません。
男でも女でも好きになります。それは、いけないことですか。
「なんか悪いけど、男でも女でもって…、うん、ちょっとあの、誤解を恐れずに言っちゃうと、正直、下品…?とか思っちゃう。」
「あ、ちょっと分かる、なんだろう、言葉悪いけど…、淫乱…?みたいなね。」
「あ、そうそう。」
「うん、悪意はない、悪意はないよね、偏見とかもないし。うん…。」
「分かる。そうそう、偏見とかではないんだよね、全然、差別とかではないよね、いいことだしね、その、性別じゃなくて、人として、見てるってことだもんね、でも、あのー、友達として見られてるのか、そういうふうに見られてるのか、分からないっていうのはちょっと…、あー、怖いよね。」
「あー…、うん、ちょっとね。」
「呼ばなくていいかな…。」
「うーん、まあ今の時点で偶数だしね。」
「うん、あれだよね、奇数になっちゃうとまた何かと複雑だし…。」
「…悪いけど、まあ、今回は、仕方ない、んじゃない…?」
「うん…。」
「だ、だね…。」
「いっか、じゃあ。」
自然に、自然に、少しずつ。
気づいたら私の存在は、ないことになっていました。
腫れ物に触るように、みんなが気を使ってくれます。
みんな、愛想笑いをします。
私の方には来ないでね…?
僕の方には来ないでね…?
そう、目が言ってます。
神様、
私の居場所はどこですか?
僕の居場所はどこですか?
どこになら、いても怒られませんか?
どこでなら気味悪がられませんか?
どこでなら、自分でいても許されますか?
どこでなら、生きていいですか?
私たちは、生きていてもいいんでしょうか?
教えてください。
教えてください、
誰か…。
<トランスジェンダーセックスカオス>
「えーシュンちゃん男のくせに気持ちわるーい。」
「もっとシャキッとしなさいよ、シャキッと!」
「あ、ははは。」
傷つける人はいつも傷つけていて、傷つく人はいつも傷ついている。
「あのね、人は傷つけもするし、傷つきもするのよ。私だって傷ついたり悩んだりするわよ。」
言い直そう。
傷つける人は薙刀を振り回しながら手の甲の切り傷について騒いでいて、傷つく人はぱっくり割れた胸からだらだら流れる血を自分で止血している。
「だからモテないのよ。」
「キモい、まじこっちこないでっ、触んないで〜。」
「あはは、キッモ。」
言いたい。言いたい言いたい言いたい言いたい。
ああ、そうだ。そうだよ、俺は、男じゃない。
僕は、
私は、
女の子だ。
生まれてきた自分が悪い?
「そうやって、ヘラヘラして。笑い方に品がないのよ。」
「そうよ、シュンちゃん、彼女できないよ?」
いらない、いらないよ、彼女なんて。
笑い方?
小さい頃から傷つけられ続けてきて、どうにかこうにか、自分を守るためにはこの方法しかなかったから、身につけた笑い。
死ね。
死ね。
てめーら全員、死ね。
ババアども。
てめーらのエゴイズムは殺人の凶器だぞ。
死ね。
そう思いながら、笑っている、この僕の何がいけないんですか?
僕がいけないんですか?
生まれてきた僕がいけないんですか?
「あ、のさ…、」
「え?」
「旬くんさ、あたしのこと、なんかちょっと変な目で見てるよね。」
「えっ?」
「なに?ちょっと正直、気持ち悪いっていうか。こんなによくしてあげたのにさ、まじちょっともう無理っていうか。」
ヒ、ヒヨリちゃん?
「ごめん、ちょっと、無理だわ。もう、連絡してこないでほしい。ごめん。」
「えっ?ヒヨリちゃん?えっ?えっ?」
なに?何が?変な目?って何?俺は女だよ?女のヒヨリちゃんを、変な目で見るわけないじゃん、ただ私は、友達として仲良くしたかっただけだよ?なんで、なんで。
こんなによくしてあげたのにさ。
って、何?
最初から、そういうつもりで…?慈善活動だったの…?
ひどい。
ひどいよ…。
どうしていつも、誰も話を聞いてくれないの?
どうして私は、生まれてきたの?
世界が今日、終わればいいのに。
「シュンちゃん、最近来なくなったね。」
「ほんと、どうしたんだろう?」
「えー、なんか意気地なしだったからなー。諦めたんじゃないの?」
「まあ、仕方ないよね、あれじゃあ。何をやってもきっと、こうやってすぐ諦めちゃうんだろうね。」
「そうだねえ、何か、もっとちゃんと頑張れるものを見つけられるといいねえ。」
「あ、ところでさあ、あの映画見た?えーっと、なんだっけ、」
「パパ、同性愛って、犯罪なの?」
「そうだよ、聖書に反する。」
「へえ?」
「本当は異性を愛することもできるのに、興味本位で同性を愛してるような気になってるんだよ、汚らわしい。神様は、男と女が愛し合うために、男と女を作ったんだから。男と男が愛し合っていいはずがない。神への冒涜だ。もっとも悪質な犯罪だ。」
「ふうん。」
同性愛者は神の前に有罪ですか。
じゃあ神はなぜ、僕をこの世に産んだのですか。
生まれてきたくなかった。
生まれてきたくなかった。
時間を巻き戻して、精子と卵子が出会わなければ。
女を愛せればよかったのに。
犯罪者になりたかったわけじゃない。
この世に生まれた瞬間から、僕は死刑囚でした。
「尻軽じゃん。」
「あはは、便利だねー、誰でもいいんだ。」
トランスジェンダーじゃありません。ゲイでもレズビアンでもありません。
男でも女でも好きになります。それは、いけないことですか。
「なんか悪いけど、男でも女でもって…、うん、ちょっとあの、誤解を恐れずに言っちゃうと、正直、下品…?とか思っちゃう。」
「あ、ちょっと分かる、なんだろう、言葉悪いけど…、淫乱…?みたいなね。」
「あ、そうそう。」
「うん、悪意はない、悪意はないよね、偏見とかもないし。うん…。」
「分かる。そうそう、偏見とかではないんだよね、全然、差別とかではないよね、いいことだしね、その、性別じゃなくて、人として、見てるってことだもんね、でも、あのー、友達として見られてるのか、そういうふうに見られてるのか、分からないっていうのはちょっと…、あー、怖いよね。」
「あー…、うん、ちょっとね。」
「呼ばなくていいかな…。」
「うーん、まあ今の時点で偶数だしね。」
「うん、あれだよね、奇数になっちゃうとまた何かと複雑だし…。」
「…悪いけど、まあ、今回は、仕方ない、んじゃない…?」
「うん…。」
「だ、だね…。」
「いっか、じゃあ。」
自然に、自然に、少しずつ。
気づいたら私の存在は、ないことになっていました。
腫れ物に触るように、みんなが気を使ってくれます。
みんな、愛想笑いをします。
私の方には来ないでね…?
僕の方には来ないでね…?
そう、目が言ってます。
神様、
私の居場所はどこですか?
僕の居場所はどこですか?
どこになら、いても怒られませんか?
どこでなら気味悪がられませんか?
どこでなら、自分でいても許されますか?
どこでなら、生きていいですか?
私たちは、生きていてもいいんでしょうか?
教えてください。
教えてください、
誰か…。