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素早さとは

 今回はスピードです。

 素早さ、俊敏性、その他はなんでもいい。いわゆる全速力のことでもあり反応速度のことでもあるこのステータス。普通に考えれば矛盾だらけだ。


 まずは普通の人を10として主人公が20としたら。

 その数値通りに主人公は2倍の速さで動けるということになる。

 ここまではいい。


 次にレベルアップが進み数値が50を越えたあたりでは。

 主人公が5倍の速さで動くことになってしまう。

 やはりおかしい。


 現実的に考えて最高速度は2倍までが限度だ。

 オリンピックの優勝者は100mを9秒前後で走るが、私たちも18秒あれば大抵の人は走り切る。間違っても45秒もかかったりはしない。

 それに比べて主人公が常人の3倍だとして100mなら6秒、10倍だと2秒もかからないことになる。10倍でこれだというのに100倍や(むげんだい)だとどうなるのだろう。


 このように安易な気持ちで設定した経験がある私はその物語の進む先を知っている。世界観の崩壊だ。どれだけ修正しようとも時すでに遅く、書き直す気力も湧かなかった。皆様方にはくれぐれも私の二の舞を踏むことなど無きようお願いしたい。速度チート、ダメ、ゼッタイ。


 最高速度ではないとするならば、反応速度のことであったのか。

 俊敏性というように、即座の動きなら反応するまでの時間に大分差がありそうだ。

 普通の人が目で見て0.1秒、体を動かすのに0.2秒、総じて0.3秒かかるとする。


 2倍なら計0.15秒。まだいける。

 3倍なら計0.1秒。ぎりぎりありそうだ。

 5倍で計0.6秒。もう無理じゃないか。

 100倍で計0.03秒。これは絶対に無理だ。


 容易に全ステータス100倍を繰り出すとこうなってしまう。∞なんてもってのほか。

 こうなると、日常生活を送るにあたって支障をきたすことになる。

 もし動体視力も100倍であったら。

 まず、世界が止まって見えるだろう。また、話す言葉もゆっくりに聞こえてくるだろう。動体視力が良いということは体感速度も違うということだから。


 こう考えるとチートキャラクターというのは案外孤独な存在なのかもしれない。触れることも出来ず会話すらままならない。

 僕の考えた最強主人公とは一体なんだったのか。考えてみると穴だらけだと気付くことだろう。

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