新世界の始まり・・・?
さて、問題児はいるがちゃんと見張っていれば大丈夫だと思うので移動しようと思う、しかし今の姿では空を飛べないので。
「斤斗雲」
呟けば3m四方の雲が沸き出し、軽く飛び乗ると斤斗雲は空に浮かび出した。桃の精はといえば白い翼を出すと浮かび始めた。
「そんな、機能まで付けたんですか・・・」
「ええ私は神力や、神性がないので斤斗雲には乗れませんから」
何だか心が折れそうな気がしてきたが
「それでは、行きますか」
「いざ新世界へ!」
元気よく桃の精が飛び出して行く。
私も斤斗雲に座り後を追う。
しばらく飛び森を抜けると、桃の精が目の前から消えた。
「なんでぇ~~~~~~~」
と叫びながら墜ちていく。
急ぎ、追い付いて両腕に抱える。
「どうしました?」
「分かりません、突然服の機能が消えました」
しかも、服と共に体もどんどん縮んでいく。
「あれ?!あれっ?!あれっ?!!」
「一旦戻ります。」
急ぎ森の上にもどれば、再び大きなサイズに戻る
「飛べますか?」
「はい。」
手を離せば、桃の精は浮かび出す。
「どうやら森の外では機能しないようですね」
「・・・その様です・・・」
「原因は森の外のこの呪いのせいですね。」
そこには果てしなく続く暗い呪いの沼が広がっていた。
どれだけの恨みでできたのか、大地や水を腐らせ空気まで汚染していた。
「かなりの力を持った者がこの世界を呪ったのでしょう、何も生き残る可能性がない感じですね。」
すると、桃の精が絶望的な声で
「とりあえず、呪いを解かれるのはいかがでしょうか?」
「まあ、どうするのかはもう少しあちこち見て判断するとして」
「あなたは、留守番決定です。」
「・・・・・・」
こうして、桃の精の留守番が確定した。
その後、暫く飛び山脈の端まで来ると眼下には素晴らしき新天地の景色が・・・
無かった。
暗い呪いの沼が溢れこの高地から下の土地に降り注ぎ、呪いの雲になって地面が全く見えなかったのだ。
「うわぁ、これは土地の浄化からしないと何処にも行けないかぁ」
幸い本体と意志が繋がっている為、本体の力により雨雲を召喚した。
この雨雲には神力が宿っている為、呪いが浄化されて神力の宿った水になり広がっていく。
せっかくなので水の広がりを追いながら、沼の大きさを調べてみようと思い移動してみた・・・
「アホかぁ~~~~~~~」
思わず叫びだしてしまうのも、しょうがないはずだ。
あれから数日、何とか旧呪いの沼地➡現湖と判明が浄化が終わったのはいいのだけれど大きさが尋常ではなかった。
今回浄化できた湖の広さは、元いた星のユーラシア大陸と言われていた大陸の東半分程にあたり、地面よりほぼ垂直に4000m近くまでの山と言うより絶壁の台地になって地上から遮断されていた。
また東側はそのまま海に続いており、西側は荒野となっていたが、どちらも長く続いた呪いのせいか、生物の気配すら感じられなかった。
もうひきつり笑いしかできない、この世界が私の新世界のスタートになった。