太陽の宮⑥〜星天師って何ぞその1〜
アポロンの説明は後半に進みます!
「やっと信じてくれたか。この私のオーラの前に、頑なに認めようとしない人間は、久しぶりだ」
アポロンは苦笑する。
「星天師とは何です?そして、私はなぜここにいるのですか?私は死んだと思うのですけど」
「そなたは死んではおらぬ」
信じられない事を言われた。
は?そんなわけないじゃない。
嫌でも思い出すあの感覚。
体が一瞬にして使い物にならなくなったあの衝撃。
そして、由梨の様子。
どう考えても私死んでると思うんだけど。
助かったとしても体が無傷だし。
「どういうこと?」
「正確には、瀕死だな」
瀕死?
確かにその通りだ。
私はあの時、死にかけだった。
完全に死んではいなかった。
「説明するにはまず星天師とは何か。そして、星天師はどうしたら成れるのかを説明した方が早い」
「お願いします」
「ああ。とりあえず反応や意見は後から聞くから私の話に耳を傾けてくれ」
それからアポロンは以下のように語り出した。
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【星天師】とは、いわゆる太陽系惑星を支配する神の秘書のことだ。
神の業務を手伝ったり客をもてなしたりなど、星によって業務内容は異なるが、神の1番の側近であることに変わりはあるまい。
太陽系の恒星と惑星で組織されたものである。
それぞれの星には役割がある。
また、惑星恒星ではなく、月などの天体の神の秘書は【大臣】と呼ばれる。
【星天師】、【大臣】の業務内容はほぼ同じだが、権威的には星天師の方が格段に高い。
今から約4000年前に施行された制度で、これは地球人から選ぶ規則になっており、国籍や身分は問わないし様々な境遇の者がいる。
星天師を所有する神は全員で9柱。
まずは太陽系の中心である【太陽神】である私、アポロン。太陽は太陽系全体の統制などを主な仕事としている。私の星天師は最高位星天師と呼ばれ、星天師のリーダーをしている。
千鶴も星天師となったら基本的には彼のいう事を聞きなさい。
彼には主に、書類整理や接待などをしてもらっている。
太陽から1番近い惑星の水星を支配するのは【水星神】マーキュリー。マーキュリーは商売の神でもある。
奴は男なんだが女になることも可能だ。
基本的にはいい奴だが若干女口調だ。
…変わったやつだが本当にいい奴なんだ。
彼の星天師は男で、太陽系に流通している商品管理を軸に仕事をしている。
郵送などもこの星の役割だ。
次に金星を支配する【金星神】アフロディーテ。
彼女はお前も名前くらい聞いた事あるんじゃないか?愛と美を司る女神だ。
ものすごい美人だが浮気性な困った女だよ。
彼女の星天師の仕事の主な内容はアフロディーテの身の回りの世話だ。
金星は女の星。星天師も女しか認められていない。
この星の役割は火星の男にお嫁に行く事、あとは化粧品のプロデュースなどもしている。
戦の星・火星は太陽系において生命線のような存在だ。火星の神マースは戦を司る神で、星は太陽系の治安を守る軍事星だ。
国民は男だけで、金星からお嫁をもらうケースが多い。
軍としての統制は取れているが、脱退や裏切る者もいて治安は最悪だ。
そんな星が太陽系の星々を守るのは皮肉だがな。
ここの星天師は代々数十年で戦死しているが、今の星天師がものすごい優秀な女でな、400年ほど勤めている。
とにかく火星は重要な星であるから把握しておいてほしい。
後半は木星から行きます!
ここまで読んでくださってありがとうございます!