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星天師〜星空の湊〜  作者: 下村美世
第1章 宇宙へやってきた
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試練!神々の集い③

新生活準備にお休みいただきました。

久しぶりの更新となります。

お待たせいたしました!そして予告通りに更新できず申し訳ありませんでした


今回も、ぜひごゆるりとお楽しみください

「アルテミスったら相変わらずクールなのねぇ。いろいろ心配だわぁ」


アフロディーテが豊かな金の巻き毛を指で弄びながら言うが、その口調はとても気だるげで、アルテミスのことを心配してるようには思えなかった。


「いや別にクールとかじゃなくて、単に男嫌いなだけだぞ。最近私ともあまり会ってくれないし」


アポロンが肩を落としてメソメソとしだす。

その様子はまるで威勢を失った虎の様で。


くっ、くだらん!

アルテミスがアポロンの妹だってことは知ってるから、尚更茶番のように感じる。


妹にシカトされてるくらいでメソメソするなよ。


などと思いながらも、私は兄のことを思い出していた。

万年反抗期な私でも、中学の時はそれはもうとんでもなく反抗期で、兄の顔を見るたびに心の中で舌打ちをしていた。体面ではシカトしていた。


私の兄は父の遺伝子をよーく継いだ超お人好しで、なおかつ家族思いだったから、さぞかし寂しかっただろうなぁ。

アポロンと兄を重ねて見てしまうのは、私が兄にアポロン同様、不信感を抱いているからだろうか。



「やーね。しょぼくれちゃダメよアポロンちゃん!…それよりも」


マーキュリーと思われる男がこっちを見て微笑んだ。

背がスラッ高く、細身だけどしっかりと筋肉のありそうな体型だ。

マーキュリーは少しくすんだ耳下で編んでいる金髪に水色の瞳をしていた。


こうして見てるだけだと精悍な感じなのに、喋るともろオカマ。

別に偏見とかは無いし(これはおそらく私が現代っ子だからというのが大きい。私の生きていた時代は、性同一障害の様な人でも概ね許容されていた)、いいんだけどね。


「ごめんなさいね。まだゼウスが来てないのよ。もー少し待ってて頂戴!」


良かった、私を認識してる神がいて。

しかも謝罪までくれるとは。

マーキュリーはこの神々の中で唯一瞳が優しいし、良い人なんだろうな。


「い、いえ」


「あたしたちはあの神のお許しがないと基本的には何も決められないのよ。…そういう、規則なの」


マーキュリーは途方にくれた様に空席を眺めていた。


ゼウスってそんなに強い権限を持っているのね。今でさえ神様たちのオーラにやられそうなのに、ゼウスが来たら気絶してしまいそう。



「てかサターンお爺様。貴方、何も喋らないわね」


サターン…さっきから奥の席でジッとしている神だ。

アフロディーテに指摘され、彼はハッと体を揺らした。ほとんど銀に近い金髪と、リンゴのように深い赤色の瞳も揺れた。


…こりゃまた美形ですこと。

しかもお爺様ってことは相当な歳なのだろうけど(そもそも、神々に歳という概念はあるのか?老いるということがあり得るのか?)彼はまだ青年のような形をしている。



でもなんかもう、多分そういうことだ。

神々を見て確信した。

みんな美形なんですけど!


金星神アフロディーテとかならまだ分かる。美の女神っていうくらいだしね。綺麗で当然っちゃ当然。

アレスもかなりの美形だと本で読んだことがあるし分かる。


マーキュリーはアフロディーテなどと比べるとそこまでではあるが、一般の人間から見ればこれもまた美形だ。

加えてサターンの美形…と。アポロンもまた、イケメン、と。


ナルシストだと思われても構わないが、私は自分の容姿はそこそこイケてると思っている。

というのも、私は父似だからだ。

私の父は相当なイケメンであるので、私は彼の遺伝子に感謝するばかりであった。

ガリ勉な人に対し、容姿をバカにすることで愉悦を得ようとする輩がよくいるが、私はそんなことはない。クラスで一番容姿のいい子というスタンスにいた。



それと気になるのがイケメン余暉さん。



もしかして、なのだが。


まだ結論はついていないのだが。何せ、私は余暉さんしか星天師に出会ってないのだから。



でも、今のところの仮定として言うならば、星天師になる条件に多少の容姿判定も入っている気がするのだ。


神様の秘書なのだから、不細工などふさわしくないと思っているのだろうか?


その辺りは全然分からないが、アフロディーテの問いからサターンが答えるまで5分ほどかかった(長いよ…)ため、考察させていただきました。



「あ、あぁ…。悠の調子が良くなくてな。昨日も吐血した」



は?ゆう?

ゆうって誰?新キャラ?

まさか代名詞YOUとかじゃないよね?


「あんたも諦め悪いよね。諦めちゃえばぁ?人間の小娘なんて脆…」



そこで時が止まった。


ダラダラとした団欒の中に、確かに亀裂が入ったのを感じた。


何故かって?


サターンがアフロディーテの席へ瞬間移動し、彼女の首を締めていたから。


「…ほ、ほんとーに、すぐ、手、出すんだから…」


アフロディーテは余裕を気取っているが、サターンは思わず鳥肌が立ってしまうほど、冷たい獣のような瞳でアフロディーテを睨みつけていた。



「ちょっと!サターンちゃん!やめなさいよ!」


マーキュリーがなんとかサターンの手を離させようと試みるが、サターンはジロッと彼の方を見てモゾモゾと言った。


「こいつ、何度もやめろって言ってるのに聞かないんだよ」


え?やめろって言ってた?

確かにアフロディーテがゆうという名前の小娘に何か言っている時に、サターンの口がモゾモゾ動いていたような気がしたけど。


超小声で言ったって聞こえないじゃない。


む、むかつく!!それで女性に暴力振るってんの?何こいつ!流石悪魔、サターンだよ!


思わずへこたれてる腰を立たせ、立ち上がろうとするが、体が言うことを聞いてくれなかった。



本能がマズイ、と言っていたからだ。

悪魔相手だとアポロンの時のようにズバズバと何かを言うことはできないだろう。



だけど神によって態度変えるのも癪。

そうこうしているうちに、アフロディーテはいよいよ苦痛で顔を歪め始める。


「…っ、ぐっ!ば、ばっかじゃ、ないの!?女のケツ追いかけ回し…て、なにが、楽しいの」



「アフロディーテ、そう煽るな。わしらはお前が可愛いから甘やかしてやってるが、サターンは容赦ないからな」



ヌッと最奥の席から出てきたのは薄い金色の短髪に、群青色の瞳をした初老の男だった。


この神、すぐに分かる。ていうか、わかりやすすぎる。


彼は水色のローブを羽織っており、木製の大きなゴテゴテした杖を持っていた。



これ、全身が海を愛する男だと象徴している。…間違いない、海王星の神、ポセイドン。




「サターン、もうやめてやれ。アフロディーテが生意気言うのはいつものことだろ?」


ポセイドンがサターンに優しく触れた。

その手を思いっきり叩いて、サターンはアフロディーテから手を離した。


「…ゴホッ、ゴホゴホッ…はー…ははは。もういいのぉ?」


アフロディーテは反省の色気もなしに余裕こいた表情をするが、顔はほんのり赤色になっていて、相当苦しそうな様子だった。


サターンはチッと舌打ちをする。


「このクソ生意気な女を始末しても良かったんだが、そうはいかないらしい」


「はっ、なんでよ?」


サターンは他の神々に目配せした。



「あいつが、到着したみたいだ」




その時、ものすごい揺れが生じた。



えっ、なに?地震!?


パラパラと石製の天井から粉塵が降ってきた。


そしてしばらく粉塵で視界が覆われ、私は吸い込まないように口を抑えた。


そして視界が晴れた時。







目の前には奴がいた。




ありがとうございました!

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