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第3話 雲のお弁当
相変わらずお仕事は24時間労働ですが、たまに昼休みが存在します。毎日欲しいのですが。
お昼休みになると職場の近くにお弁当屋さんが来ます。
お弁当は1種類しかありません。外からは、どんなお弁当かわかりません。
私は勇気を出しました。この間初めてもらったお給料を使って、お弁当を買います。
ふたを開けると中には白い雲みたいなのがぎっしり詰まっていました。
うれしいです。子供の時の夢がかなえられます。雲を食べてみたかったのです。
やっぱりお弁当を買って正解でした。
口いっぱいに頬張ります。
噛んだ感触は綿みたいです。
味も綿みたいです。
私はお弁当のふたをそっと戻しました。
そしてそのまま横になりました。ふて寝です。
たぶん泣いていたと思います。