第196話 今宵のマイクは一味違うぞ!
佐丹さんの所に行きます。
思えば私が初めて会った天使さんです。
あれから随分と経ちました。
その間も色んなことを教えてくれました。
ある意味、私が一番お世話になった人かもしれません。
「そっか・・・。寂しいわね。」
私もです。
こうしてお話をしていると、この楽しい時間がずっと続けば良いのにな、って思います。
「でもね、キイちゃん。私には分かっていたのよ。こんな日が遠からず来るってことが・・・。」
佐丹さん・・・。
「この天国に来る人だって、色んな人がいるわ。その中でもキイちゃんは目立っていた。」
目立ちますかね?自分では目立たないと思うのですが。
「こういうのは自分では分かりにくいものだから。その人が当たり前にしていることは、特にね。」
当たり前・・・ですか。
「息をするように人を救う・・・それがキイちゃんね。転生したら記憶を失ってしまうから・・・これは単なるお願いなんだけど、転生しても、その心は忘れないでね。」
・・・結局、最後までお世話になりっぱなしですね、私。
「じゃあ、キイちゃんの転生祝いにカラオケ屋さんに行きましょう!さ、行こう!どんどん行こう!」
・・・最後に少しだけ恩返しできそうです。