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プロローグ
私、安楽キイはとても目立たない子でした。すごくおとなしいです。自分でもそう思います。
趣味はボランティアです。
募金活動もします。
拾ったお金は必ず交番に届けます。
迷子の子猫も捜します。
食事のときは「いただきます」をします。
もちろん「ごちそうさま」もします。
神様への感謝も忘れません。
でもそんな私の人生は、ある日あっけなく終わりました。
交通事故です。痛みはありません。
新聞だったら安楽死。見出しはこれで決まりです。
なんで私が?とは思いませんでした。
これも運命です。
こうして私の短い15年という人生は静かに幕を閉じました。
だけど、いい事もありました。死後、天国に行けたのです。
でもそこは、私の知っている天国とはちょっと違うみたいです。