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幻影  作者: 夜叉
1/1

出会い

家庭事情が複雑な主人公です

タイトルに深い意味はございません

ーーードンドンドドン

ーーーピィーシャラピー


太鼓の音や笛の音がする

どっかでお祭りをやってるのだろう

私、灰野かすみはその音に誘われ音のする方へと足を運ぶ


祭り付近まで行くと浴衣姿の女の子達や子供

私服の男性がそこそこ居た

地元の小規模の祭りみたいだ


「お母さん!金魚すくいやりたい!」

「はぐれないように手繋ごうか」

「お父さん、これ買ってー!」

「いらっしゃい!おいしいよー」


さまざまな声が響いてる

小規模と言ってもそこそこ露店があるし的屋もある

まだ明るいせいか子供連れが多いがカップルとかもたくさんいる


「一人で来るもんじゃないよこれ…」


祭りに来て後悔するってどんな話かって思うが今、私はしてる

けど、帰る気にはならなかった

せっかくだし、林檎飴買おう

提灯の明かりがまばらにつき始める

色々の露店の中から林檎飴屋を探す

そこそこ人も集まり始めた時

ふと、この賑わいとは似合わない声がする


「ままー!」


泣き声

どっかで子供がはぐれたんだろう

大声で叫んでる

あ、林檎飴あった

林檎飴の文字が書いてある露店に近づくと声も大きくなる


(うるせぇ)

「ままー!どこー!?」


林檎飴屋に来てから気づいた

この泣き声は林檎飴屋の前からしてる


「まじかよ」


やっと見つけた林檎飴屋の前でめんどくさいことになってる

他にも露店を探せばいい話なんだけどそれすら億劫


「めんどくせぇ」


小言で呟く

周りに聞こえないくらいの小言

露店を見れば店主も困り果ててる

このままだと飴は買えそうにない

仕方ない…


「ねぇ、君どうしたの?」

「まま居ない」

「はぐれたのか…」


ちょっと考え


「あー…おじさん

林檎飴ふたつ」

「へ?あ、あいよ」


林檎飴屋のおじさんにふたつ林檎飴をお金と交換する

それから、泣いてる子の身長に合わせかがむ


「はい、あげる

だから、泣き止みな」


その子は林檎飴と私の顔を交互に見合わせ

恐る恐る受け取る


「あ、ありがと…」

「うん、どういたしまして

ママ一緒に探すからとりあえず、移動しよっか

ほら、手」

「うん…」


その子の林檎飴を持ってない手と私の手を繋ぐ

それから、自分でも驚いてる

まだ、自分にも良心が残ってたことと何故、このようなことをする気になったのか


「おいしい?」

「うん!」


すっかり泣き止んだその子を見て

この疑問はますます大きくなった

でも、

なんかこの子に懐かしい感じを感じてる自分が居る



続く

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