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面会…拒絶!?《下》

リーシェちゃんを好きになってくれかけてくれた方がいらっしゃいましたら……ごめんなさい。






【君はなにものだ】






それは両親と離れた夜だったか。

どこかからか声がして、僕の脳裏に語りかけてきた。


僕はなぜだかわからないけれど

その声は『――――』が語りかけているものだと

無意識に思ったんだ。

判ったんだ。


それで、それを知ってもなお、いや知ったからこそかも知れないが…とにかく応えた。



僕は

僕自身は

何者か?

僕は僕だよ。

何物でもない

平凡とはおおよそ言えないのかもしれないが

どんな環境に生きていたとしても

根本的、本質的には僕は僕自身であり

それ以上でもそれ以下でもない。


というかそれ以外の何者にもなりえない

モノで物で者。

それが僕というものだ。

何とも月並みな回答ではあるが

真実なので良しとする。




……それが例え、『―――――――――――』だったとしても




【なら突き通せ、何物にも、どんなものにも】


そんなこと、十分わかってるさ重々承知だよ。

たとえアンタに言われなくたって

この誰にともなく付けた嘘という仮面は

けして手放すことはない。


僕は俺で

俺は僕で

アンタは僕で

僕はアンタで


それは無用なものでありながらも

必ずなくてはならないもので

例えどんな存在であろうとも


僕が“ここ”にいるということは

勘違いでも間違いでも厳格でも狂言でもなくて

まぎれもない“現実”なんだから……







「な、なんですって……」


目の前に男は何ていった?




“「せっかくの申し出ではありますが………どうぞお引き取り願えますよう」”




ニッコリと笑いながら言ったこの一言にリーシェは自身の耳を疑った。


水滴のポタポタと滴る髪を同僚の方に向けると、同僚はこの状況にもかかわらず相変わらずニコニコと笑みを崩さずにいる。



「……な、何を言っているのか、自分で解ってるの!!??」

「国家の危機なのよ!」といっても目の前の男は笑い続けている。

は!?何?何なの!?


「ふざっけんじゃないわよ!!!!!」





―――――――――…

ムーという昆虫のような存在(しかしありえないくらい巨大な)の住み家であるらしい湖の中に、扉だといって問答無用で沈まされた。

なんの兆候もなくだ。いきなりだ。

フザケルナと真面目に思った。


そのうち波に飲み込まれて、息がとても苦しかった。



いつまで続くのかと思ったら突然に水面から飛ばされた。


…うん、飛ばされたであっている。


でも上手くバランスがとれなくて、そのまま水面にバシャンッかと思ったのにその感覚はなくて、代わりに温かい人肌のぬくもりがあった。

びっくりしながらも目を開けると、目前に知らない青年がおり、体を支えてくれていた。



蒼。



目に飛び込んできた色。

青年を色で表わすとしたら蒼だ。

サラサラとした蒼い髪に澄んだ碧の瞳…

彫像の様に白磁で、寸分の狂いなく対称な、端正な顔立ち……

紡ぎだした言の葉は男性的で低く、ほのかに甘く、そこはかとなく心地よく、どこまでも温かい声だった……








「なんなのよ!!アンタもこの国の国民でしょ!!国の一大事なのよ!ほんとにわかって言ってるの!!??」



そういうと青年の方は笑みを消した。

青年の瞳の中には心底呆れたという色が出ている気リーシェにはした。


青年の方はおもむろに立ち上がり、リーシェを見下ろした。


「王女殿下こそわかっておられるのですか?僕に頼るのは単なる御門違いというものですよ。僕は僕の意思を通す気ですし、そもそもこの国がどうなろうとさしたる問題ではございません。」

「な!この森もこの国の領土なのよ!?」

「おや、御知りでないのですか?ここは国からの要求を反故に出来る唯一の地帯なのですよ?そもそも、同盟を阻止すればどのような事態になるのかを考えなかったのですか?」


「それにそれを抜きにしても無理でしょう」

と青年は言ったが、リーシェは頭に血がノボッテいて正常に物事を考えていないようだった。

青年……イルは大きくため息をつき、さっさと背後へと歩き出した。

リーシェはなにか言おうと口を開こうとしたが…口は糸で縫いつけられたかのように開かない。

パニックになりながらもとりあえず立ち上がろうとするが…地面に手のひらと膝がくっついており、離せない。

四つん這い状態で唯一自由な瞳が雄弁に《どういうことなの!!》と語っていた。それを見た彼女の同僚でこの案の立案者と使者という(らしい)ドラゴンは苦笑いをこぼしていた。

ドラゴンの方に至ってはむしろニヤニヤというように笑っている。

イルが振り返る。

そこには先ほどまでの笑みはなく。

暗い蒼で満ちていた。


「王女殿下、わかっていますか?あなたがしようとしていることは、他国の民を惨殺するということと大差ないということだと」

「いや、それ以上かもしれない」

とイルは悪びれもなく言い切る。

イルは言うと同時にリーシェの瞳を見た。

この国の王族特有の橙の瞳の奥で、動揺がうかがえた。


………めんどくさい。



「あなたは危険だ。そこらにいる民よりもはもちろんのこと、傲慢知己で1年中頭の中に花が咲いている貴族なんかよりもよほど危険だ。無意識の無意識たるうちに認識しているであろう存在意義とそれぞれの多様性、それらのなすところ、なされるところの意義をまるっとまるまるっと無視し、否定している……わかっているのに」


というとニッコリともう一度笑った。








リーシェは今更ながら、額から頬へつー…と汗が流れおちた。

久々の更新です!

書き方がすこし変わってしまったかもしれません…すいません。

イルくん鬼畜…ww

感想書いて下さるとおっしゃって下さいましたみなさん!

ありがとうございます!

返信は早めにいたします!

くださるだけでうれしさmaxです!

ありがとうございます!

次回も遅くなってしまうとおもわれます……

もうしわけございません!

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