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生徒会!? の日々  作者: 夜神
1学期
31/46

第30話 ~突然? の来訪者・~

「いや~、何もすることがないってのは最高だな~」


 現在、夏休みも半分ほどが過ぎた。もちろん高校生の夏休みであるからして宿題がある。

 俺は最初に一気にするタイプではないので、何もすることがないとは言ったがまだ宿題は残っている。だが毎日決まった量をしていたので焦る必要は全くない。

 というか、たまには宿題とかのことを考えないで自分のしたいことをする日があってもいいはずだ。ただでさえ、夏休みに入ってからというもの生徒会のメンツに振り回されていたのだから。海水浴やら彼氏のフリやら。


「……というか……桃香さんって意外と性格が悪いよなぁ」


 千夏先輩に蹴られた後、しばらく桃香さんと一緒にゲーセンの中を回って楽しんだ。そのときにゾンビを撃ち殺してる千夏先輩の姿を見たけど声はかけなかったよ。

 だって千夏先輩……ちょー無表情でゾンビ撃ち殺してたから怖かったんだもん。まだ笑みを浮かべてくれてたほうが見慣れてる分よかったのに。

 あっでも、これだけが理由じゃないな。

 俺、二丁拳銃でシューティングゲームする人初めて見たよ。まあ千夏先輩のことだけど。

 両手に銃を持って、百発百中でヘッドショット決めてる人に近づける人はいないと思うんだ。無表情でやってたらなおさら。

 だから千夏先輩のことは無視して桃香さんとのデート……じゃなくて、桃香さんと先輩が戻ってくるまで楽しんだよ。余談だけど、千夏先輩のスコアがあのゲーセンのトップになったらしい。


「……って、いつのまにか月森先輩のこと内心では名前になってるな」


 彼氏のフリをしたあの日に何度も口に出してたからその名残でだろう。

 まあ内心でくらいはいいか。千夏先輩を前にしたら何かされても対応できるように自然と気が引き締まるから、生徒会のメンツの前で名前で呼んだりはしないだろう。……考えてることを無意識に口に出したらアウトだけど――


「――って先輩のことじゃなくて桃香さんのことだった」


 本当に桃香さんは意外と性格が……というか人が悪い。

 何でかって言うとだな。俺、先輩と合流した後でプリクラで先輩とのツーショットを撮ったんだよ。

 プリクラ、人生初だったんだよ。加えて異性と撮ったのも。

 妹と撮ったことあるんじゃないかって? あのな、兄にとって妹は『妹』であって『異性』ではないんだ。ただ血が繋がってない場合は異性として見ることもあるだろう。

 じゃなくて話を戻そう。

 ファミレスで間接キスして、ゲーセンでツーショットまで撮ったのに……桃香さん、俺と先輩が付き合ってないって分かってたってさ。

 帰りに「千夏のことで困ったら何でも相談してね」ってことで連絡先交換したんだ。

 そんでその夜。ベットに倒れこもうとしたときに桃香さんから電話がかかってきたんだ。そこで言われたんだ。言われた瞬間、ベットに倒れたよ俺。


「はぁ……あの日の努力はなんだったんだ」


 ……まあ最初までは疑ってなかったらしいけど、ファミレスで先輩が無意識に俺を苗字で呼んだときから疑い始めて、見てるうちに恋人というよりは仲の良い先輩後輩に見えてきたらしい。

 でも確信はなかったらしい。

 だって真実がバレる決め手になったのは桃香さんの「真央くんと千夏って本当は付き合ってないよね」って言葉に俺が「気づいてたの!?」みたいな反応をしてしまったからなんだ。

 かまをかけるなんて案外ひどいよな桃香さん。会長みたいにのほほ~んとしてるようで、千夏先輩みたいに人を騙したりする狡猾さもあるわけだし。(会長+千夏先輩)÷2=桃香さん、って式ができそうだぜ。


「……まあ、千夏先輩も俺と似たような反応したらしいから俺だけのせいにはならないだろう」


 元はといえば先輩の一言から疑いを持たれたわけだし。これで亡き者にされたら堪ったものじゃない。


「…………さて、思い返すのはここまでにしてゲームするか」


 余計なことを考えないで気分をすっきりさせるにはゲームが1番だ。

 ……あぁでも、亜衣が帰ってきたら面倒なことになるな。

 言ってなかったけど、今日亜衣と由理香はお出かけしてる。もちろんのこと一緒にじゃないぞ。別々のところにお出かけだ。

 おそらくふたりとも帰宅するのは夕方の5時くらいだろう。亜衣は買出しをしてくるかもしれないからもう少し遅くなる可能性があるが。

 いっそのこと友達の家にでも泊まりに行ってくれないかなぁ。そうしてくれると俺がすっごく助かるんだけどなぁ。

 理由は2つ。

 1つ目は、俺がゲームをやることに関係する。俺たち兄妹は一緒にゲームをすることが多々ある。

 つまり、装備のレベルが違うと嫉妬されるわけだ。いや嫉妬だけなら「ひとりだけ良い装備しやがって。やるなら誘えよな」くらいだから実際はそこまでない。

 装備が良くなる=それだけゲームをした、ってことだろ?

 だからね……成績優秀な妹に「そんなにゲームばっかしてないで勉強しろよな。高校生なんだからテスト悪かったら進級できねぇだろ」みたいに説教されるんだ。

 いやー正論過ぎて反論できないよね。妹に説教される兄ってダメだよね。ってことで色々と溜まるわけですよ。

 これ以上考えると思い出し溜めみたいのを起こしそうなので2つ目に移ろう。

 2つ目は……千夏先輩とどうだったか色々と聞かれるからだよ。彼氏のフリした日は疲れたってことで逃げ、そのあともなんだかんだ理由をつけて逃げてきた。

 だけどそろそろ限界だろう。

 今までデートのひとつもしてなかった兄が美人な先輩とデートした。妹は恋愛に興味津々の年頃。

 このふたつの理由からして話すまで、亜衣は諦めないだろう。話を聞こうとするときの亜衣の目ってすっごくキラキラしてたし。


「……いや、本当は話していいんだ。……アレさえどうにかできれば」


 アレっていうのは、先輩と密着して撮ったツーショットのことだよ。

 先輩の顔って間近で見るとやばいほど綺麗で、すっごく良い匂いがして……そんで胸はすっごく柔らかくも弾力がありました。

 ……そうじゃないだろ俺。そりゃああんな男として得の状況を経験し、そのときの状態を確認できるものが手元にあるわけだから思い出すのも無理もないだろうけど。


「……アレはどうすればいいんだろうか?」


 捨てるってのが安全そうに見えるが、家で捨てようものなら家事をやっている亜衣に見つかる可能性がある。自然に俺がゴミ捨てをできればいいが、基本的に俺よりも亜衣のほうが早起きだ。料理はともかくゴミ捨ては亜衣がやるほうが多い。

 亜衣がやろうとしてるところに、変に俺がやろうとすると……カンの良い亜衣のことだから気づきかねない。

 かといってこのまま部屋に隠しておくのも危険だ。

 うちの兄妹は基本的に部屋に鍵はかけない。なので着替えをしてるところうっかりと……ってことがそれなりにある。主に俺と亜衣。由理香は着替えるときは鍵をかけるし、俺の部屋に入るときはノックをして入っていいか確認する。

 俺も亜衣もすればいいだろって思うかもしれないが、俺にとって亜衣は『妹』であり、亜衣にとって俺は『兄』だ。大事な部分さえ見えなければどうということはない。

 だから家の中を下着で歩くなんてこともざらだ。これは俺よりも亜衣のほうが断然に多いけどな。俺がTシャツにパンツの状態でいると由理香が顔を真っ赤にして「ズ、ズボンくらい履きなさい!」って怒るから。

 周囲からはブラコンと認知されてるのに、そういうところは常識的なのが不思議だ。そういうところが常識的なら接し方も常識的なのが普通なんじゃないだろうか?


「……今はどうでもいいから忘れよう」


 とにかく今はアレのことだ。

 部屋に鍵をかけないから妹達は自由に俺の部屋に入ることができる。入る理由としては、俺の部屋にある漫画やらラノベを取りに来た、などが上げられる。

 部屋に入ったときに「な……なんだよコレ」みたいな展開になるところに保存してはいないが、勝手に部屋を掃除でもされたら存在がバレる可能性が大だ。亜衣は隅々まできちんと掃除する子だから。


「ど、どうする……」


 いっそのこと燃やして灰にするか。

 灰にすれば元がどんなものかは分からないだろうし、外出している今なら換気もちゃんとできるから煙の臭いでバレる心配もない。


「……だけど」


 俺だって男の子なんだ! しかも妹達と違って容姿が平凡な!

 そんな男子が学校で人気のある女子とツーショット取れる可能性なんてとてつもなく低い。

 だから……内面はアレなわけだけど、千夏先輩とのツーショットを捨てたりするのはもったいないとしか思えないんだ。

 という気持ちもあるにはあるが、実際のところあまりない。どちらかというと、今後先輩にちゃんと持ってるわよね? みたいになったりする可能性があるから捨てたりするのが怖いんだ。


「彼氏のフリした次の日くらいに、先輩から妙な電話があったしなぁ」


 内容は「私のこと今後は下の名前で呼んでいいから」みたいな感じだったよ。

 当然俺は別に今のままでいいです、みたいに返事を返した。そしたらさ、先輩の声が急に不機嫌になったんだよなぁ。それで


『あのね桐谷くん。こちらが歩み寄ろうとしているのに、どうして君は歩み寄らないのかしら。私と君は少なくても来年まで一緒に仕事していくのよ。仲良くしておいて損はないと思うのだけれど。あっ勘違いのないように言っておくけど、別に名前で呼んで欲しいとかではないからね。あくまで妙に離れている距離を縮めようというだけであって』


 みたいな正論のようなことを言われたっけ。最後のほう恥ずかしがって聞こえたのは、多分気のせいだろう。恥ずかしがっていたとしてもあの日にやったことを思い出しただけであって、俺に対して特別な感情があるわけではないはずだ。


「あれ? 今思えばこれが月森先輩から千夏先輩に変わった最大の理由じゃね?」


 先輩の脅し? に無意識に身体が反応して……この数ヶ月で嫌な体質になったな俺の身体。

 どうやったら元の身体に戻るのかなぁ……来年になるまでは無理かな。でも来年になったら身体の芯にまで染み付いてる可能性があるから怖いなぁ。


「ん?」


 インターホンが鳴ったってことは来客か。

 下に降りるの面倒だなぁ、なんて思ってもられないか。いま家に居るの俺だけだし。

 まあ新しい新聞とかの勧誘や訪問販売とかだったら断ればいいし、回覧板なら受け取るだけだ。さっさと済ませるか。


「はいはい、すぐに行きますよ」


 だから何度もインターホン鳴らさないで。ピンポンピンポンうるさいから。

 さてと玄関に到着。

 だけど急にドアは開けないよ。もしも危ない人だったら俺の身が危ないもの。まぁ可能性としては極めて低いだろうけどね。

 でもドア越しに相手を確認するのは、小さい頃からの習性みたいなものだから。やらないと何か気持ち悪いし、秋本とかだった場合は他の人と対応が違ってくるからなぁ。


「……どういうことだ?」


 ドアの前に誰も立ってないぞ。

 ……インターホンも鳴り止んだし、別のところと間違えたのだろうか。普段このへんに来ない人物が知り合いを訪ねてきたりすればありえないことではないから、可能性としては充分にある。


「部屋にもど――やっぱり誰かいるのか」


 ……けどやっぱりドアの前には誰も居ない。

 これはピンポンダッシュとかいうイタズラだろうか。今のインターホンを鳴らしたタイミングも、実にこちらをイラっとさせるタイミングだったし。


 ……いや待てよ。よくよく思えば、もっと別の可能性があるじゃないか。


 例えば、小さな子供が回覧板を持ってきたとか。

 それならドア越しに姿が確認できないことの説明もつくし、インターホンを少し間をあけて鳴らした説明もつく。

 まぁごちゃごちゃ考えてないでドアを開ければいいだけなんだけどな――


「…………」


 ――誰も居ないのかよ! くそ、どこのクソガキだ!


『おいこらキリタニ! やっと開けたと思ったら、即行で閉めてんじゃねぇ!』


 あれぇ? ドア越しに声が聞こえたぞ。しかも聞き覚えのある声が。

 ドアをゆっくり開けてみると、両腕を組んでこちらを見上げる形で睨んでいる私服姿の氷室先輩が立っていた。

 一瞬どこの小学生だって思ったのは言うまでもない。だって先輩の私服姿って小学校に通ってる児童と変わらないもの。


「殴っていいか?」

「え? ダメに決まってるでしょ。理由もないのに」

「理由なら2つほどあるだろうが!」

「ほぅ2つも」

「とぼけんな! ドア開けたのにこっちに気づかないで閉めたことと、わたしの姿を見て『小学生』って思っただろうが!」


 ……何で人の心を読めたんだ? っておそらく経験則だよな。今までに小学生に間違われたことが多々あるだろうし。だから後半はともかく


「いやいや、ドア開けたけどいなかったじゃないですか」

「それは……あれだ。いねぇのか? って思ってたら急にドアが開いたから……」

「ドアに追いやられて、こちらの死角に入ったと?」

「……そうだ」


 そっか……先輩はちっちゃいから1歩で退避できないのか。これは今すぐにはどうしようもないことだからこっちが悪いな。

 ドアに近づきすぎだろって思わなくもないけど、先輩が不憫で仕方がないからこれは言わないでおこう。

 他にももしかしたら俺が玄関に来るのが遅かったから、ドアに近づいて聞き耳立ててたかもしれないし。

 そのとき俺がドア越しに覗いてたなら、俺には先輩の姿が見えないし、先輩には物音が聞こえないだろうから。


「おい、1発でいいから殴らせろ」

「嫌です。というか、俺はまだ何も言ってないですよね?」

「知ってるか? お前の目は結構お前の思考を語るんだぞ」


 それは俺の目が語ってるんじゃなくて、先輩が俺の視線の動きから思考を推測したんでしょ。


「ところで何しにきたんですか?」

「唐突に話を変えるんじゃねぇよ」

「いやさっさと本題に入るべきでしょ?」


 先輩すっごく汗かいてるじゃないですか。このまま無駄な話してると脱水症状起こしますよ。

 それに俺、さっきまで快適な空間にいたから今すっごく暑い。さっさと快適空間に戻りたいんだ。


「……そうだな」

「あっ、中に入るんですね」

「逆に聞くが、お前はわたしを中に入れないつもりだったのかよ」

「いや、入れるのはいいですけど。いま俺以外誰もいませんよ」

「だからなんだよ。別にお前は変なことしねぇだろ」


 おお!? 意外と俺って先輩に信頼されてたんだ。結構、いやかなり嬉しいぞ。


「それに自分で言いたかねぇが、そもそもわたしに何かしようって気は起きねぇだろ。よほどの趣味のやつじゃないと」


 先輩、そんなことは言わなくていいですよ。言ったって自分が傷つくだけなんですから。


「で、今日は何をしに来たんですか?」

「……お前、わたしとの約束覚えてないのかよ?」


 約束? 先輩と約束なんかしてたっけ……


「……あっ!?」

「そうだ、それだ」

「玄関の鍵閉めてない」

「たしかに閉めてねぇけど、今の流れでそれはおかしいだろ!」


 相変わらず迅速なツッコミですね。

 そんな先輩に憧れ……はしないなぁ。先輩のツッコミスキルってあの人に弄られて身に付いたものだろうし、俺も同じ道を歩んでそうだし。


「ははは、怒らないでください。ちゃんと覚えてますよ。一緒にゲームしようって約束でしょ」

「ったく、覚えてんなら面倒なことすんじゃねぇよ。ただでさえここまで来んのに疲れたんだから」

「謝ったんだから許してくださいよ。ちゃんと飲み物は出しますから」

「さっさと出してくれると助かる。口の中も乾燥してるからよ」

「……それにしても意外でしたよ」

「なにがだよ?」

「突然うちに来たことですよ。先輩は来るときは連絡を入れるタイプと思ってましたから」

「はぁ? 連絡なら昨日したぞ。電話に出たのは妹だったけどな」


 ……おそらく電話に出たのは亜衣だよな。ブラコンという称号を持っている由理香だったら、間違いなく騒いでるだろうから。

 亜衣、昨日は言わなくても今日出て行く前にちゃんと伝えていけよ。

 ……よく考えるとわざと黙ってたって可能性が出てきたぞ。

 亜衣は俺の恋愛を心から楽しんでいるように見える。千夏先輩とのデートがあった後に氷室先輩がうちに来る。第3者からすれば「これ将来的に修羅場になるんじゃね!?」みたいになってもおかしくない。

 加えて俺が千夏先輩とのデートの日のことを話していない。これに腹を立てて……って可能性もある。


「おい……なに考えてるかは知らねぇけど立ち止まんなよ」


 はい……ごめんなさい。さっさと出しますからリビングまで頑張って歩いてくださいね。


「あっ、何でケータイのほうにかけなかったんですか?」

「お前の番号知らねぇから……」


 あれ? 千夏先輩は俺の番号知ってるよな。まさか千夏先輩、他のメンバーに教えてないのだろうか。性格的に教えてそうだけどなぁ。


「ってわけじゃねぇ。ただ、お前の許可もらってねぇのにチナツに教えてもらって電話すんのに抵抗があったんだよ」

「先輩……そうですよね。普通はそうですよねぇ……」

「何で遠い目してんだよ?」

「先輩みたいな常識的な人がいるのに、何であの人みたいな本人の許可なしに妹から番号とかを入手する非常識な人がいるのかなぁ、と思って」

「……今は忘れろ。あと……正直な話するとわたしも電話した」


 先輩……もしも性別が逆だったら俺、先輩に惚れてるかもしれません。

 ってまさかのどんでん返し!? 今の感動を返して!

 それと、あんまり正直に生きてると大変ですよ。先輩は少し悪くなっていいと思います。……でも桃香さんみたいになられると対応すらできないから困るなぁ。先輩は今のままでいてもらったほうがいいかもしれない。


「つうか、何でお前わたしの電話出ねぇんだよ」

「知らない番号からかかってきても出るのには抵抗があると思います」

「それは……まあそうだな」

「まぁ実際は風呂入ってたから電話がかかってきてるとき、ケータイのそばにいなかったからなんですけどね。その後は電源切りましたし」


 だって風呂から上がって部屋に戻ってケータイ確認したら知らない番号から電話がかかってきてたんだよ。なんか怖いから無視するに決まってるじゃない。

 それに俺のケータイってケータイって言ってるけどスマフォなんだよね。スマフォって定期的に電源切らないとフリーズしたりするしさ。


「というわけで俺は悪くありません」

「何がというわけだ! 自己完結しかしてねぇ! ……まぁいいや。その代わりさっさと水くれ」


 はいはい今すぐ出しますよ。だから先輩はイスにでも座って待っててください。


「あっ先輩、何か食べます? 俺、ちょうど腹減ってきたんで何か作りますけど」

「わたしらは新婚か!」

「……そのツッコミは」

「それ以上ツッコむな。単なる言葉のあやだ。食べてきたからいらねぇ」


 ……うん、まぁそうだな。

 俺と先輩じゃはたから見たら……兄と妹に見える可能性が1番高いしな。顔は似てない兄妹だけど。でも実の妹とも似てないしな。妹たちは似てるけど。


「……考えてないでさっさとやるか」



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