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第1話 天使と悪魔の双子誕生
戦いの後、両者は傷つきすぎていた。
天使の翼は折れ、悪魔の角は砕け、互いの聖なる炎と闇の瘴気で魂そのものが侵食されていた。
このままでは消滅する。
止む無く、彼らは一時的に肉体から魂を抜き、新たな器を探すことにした。
天使は純白の光の粒となり、悪魔は深紅の闇の火花となって、それぞれに彷徨い始めた。
別々の道を進み、互いを避けるように。
しかし、なぜか同じ病院の同じ産室へと引き寄せられた。まるで運命の糸に操られるように。
産声が二つ、同時に上がった。
「おめでとうございます!男女の双子ですよ!」
看護師の声が響く中、二人の魂は混乱に陥っていた。天使は女の子の体に、悪魔は男の子の体に、なぜか同時に取り憑いてしまったのだ。
意図せず、しかも互いの最も近くに。
彼らは「桜」と「煉』と名付けられた。名前は美しいが、その中身は正反対の存在だった。
記憶は残っていた。天使である桜は、穏やかで慈愛に満ちた本性を保とうとしたが、煉の存在が常に邪魔をした。
煉もまた、悪魔としての傲慢さと破壊衝動を隠せずにいた。




